先輩へ〜美術部の日々〜

去年の春、私が美術部へ入部した頃。


先輩は、何も話しかけてくれませんでした。2年生も、3年生も。


私達も学校が慣れなくて話せなかったから、話したのはほんの数回でした。


だけど、部活自体は本当に楽しくて、私も友達と喋ったり、一緒に絵を描いたりしてました。


5月頃。当時3年生の先輩が部活荒らしに来た時、先輩はその3年の先輩と戦いましたっけ。









部活の邪魔になるから帰ってくれ、と。



その何気なく言った一言をすごく覚えています。それからしばらくは、先輩も色々大変な目に

合ったけど、それでも部活を守ってくれた事がすごく嬉しかったです。

夏休みになって、部活で顧問の先生と話が通じなくて喧嘩になった時も仲介に入ってくれましたよね。

結局、収まらなくて顧問の先生が勝手に進めちゃったので、納得いきませんでしたが・・・

色々あった一年間でしたけど、先輩ともあまり話さなかったけど、

その一年間は、すごく勉強になる一年だったと思います。

2年生になって、色々決める事とかあって、先輩と話す機会も増えて、

よく喋るようにもなりました。

最初は戸惑っていた私達ですが、だんだん慣れてきて、気が合う事も多くて、

本当に楽しい先輩達だなぁ、と第一印象がガラッと変わりました。

意見を出し合って、協力して、沢山笑って。

今更ながらに顧問の先生の愚痴や面白かった話もして・・・

今年の顧問の先生は、ちょっと怖くて、何でもかんでも自分で決めたがる仕方ない先生で。

プロレスラーのような先生ｄ(((殴

そんな先生で苦労したけれど、先生がいない時に遊んだのも楽しかった。

ある日、部活が早く終わってほとんどの人が帰った後。

私は迎えで、まだ時間があったので友達と部室に残ってました。

その時、部長と副部長は廊下で何故かアルプス一万尺をやっていて。

先輩の話だと部長と副部長は嫌々決まった事なので仕方ない、と言っていたけど

部室で一人、コンクールに出す絵の構成を練っていた先輩は私と友達にだけ打ち明けてくれた。


この部活を、どうにかしたいと


3年の先輩の中でも特に仲がいいその先輩は、転校生だったらしく、転校する前はバスケ部に所属
し、運動部に所属してた自分から見れば、この部活はものすごく緩いという。


部長も副部長もあんな感じだし、自分が言えば文句を言われる。

2年生の男子も自分勝手な事をする。そんな部活でいいのか、と

だから自分は変えたい。この部活を。自分のとこで断ち切って、元の静かな部活にしたい


先輩、その言葉、すごい身にしみたっスよ・・・←


自分もふざけてた。

だけど今年は、2年の責任者にもなった。新入生も入った。

だから、自分もしっかりしなくちゃいけない。

先輩が笑って、自分の願いが叶って卒業できるように。

部活をいい部活にする為に。





だからね、先輩。私頑張ります。私も、友達も、みんなも。


何も実績残せなかったけど、今年は運動部に負けないくらい実績残しますから。


先輩にばかり頼っていられませんから。


そしたらきっと、これからはいい部活になるはずだから。


先輩に教えてもらった事、思い出。


全部忘れません。もう来年は、いないから。


だけど、それまで、先輩達がいなくなってしまうまで。


全力でやってみせますから。



最後に一言だけ、伝えさせてください。









――――大好きな先輩へ。


部活を、もっといい部活にしますから。

安心して笑って卒業できますように。

最後のこの一年間、楽しく過ごせるように。



大好きです。先輩