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ごめんなさいなんか作りたくなっただけですあと途中やめです多分続き書かない(
数年前────

とある村におばあさんとおじいさんがいたと言う。
おじいさんがいつものように山へ芝苅りに行くと、おばあさんは川へと洗濯に向かった。
この時代だ、洗濯機などという便利な道具はなく、川で手洗いをするしか服を綺麗にする方法はなかった。
かじかむ手を動かし、せっせと洗っていると川の向こうから桃が流れてきた。
ただ、1つ違うことがある。
他の桃とは非にならない程の大きさなのだ。
赤ん坊一人がすっぽりと入るくらいに。
桃が気になり、洗濯物を放り出し、それを沖へと移動させる。
痛む腰も気にせず桃を家へと持ち帰った。
そして、帰ってきたおじいさんにその桃を見せると、おじいさんは早速その桃を切ろう、と言い出した。
おばあさんはおじいさんの言う通り、桃を真っ二つに切るとそこからは────
「──ッ!?」
一人の赤ん坊が出てきた。
小さな男の子だ。
「...おじいさん、これは...」
「...小さな、赤ん坊だ...」
子供に恵まれなかった二人は歓喜した。
この子供はきっと神様からのプレゼントなのだと。
二人はこの子供を『桃太郎』と名付け、何年も何年も大事に育てた。
────そして時は流れ、現在。
たくましい少年に育った桃太郎はある日、おばあさんとおじいさんに話がある、と言われた。
何事かと思い、二人の言葉を待っているとおじいさんの重たい口から1つの言葉がでた。
「────桃太郎、お前は儂らの子供じゃないんじゃよ」
一瞬、なんのことか分からなかった。
子供じゃない?
いきなりそんなことを告げられ、頭が真っ白になった。
「どっ...どういう....こと?」
戸惑いながらそう問えば、二人は申し訳なさそうに目を伏せた。
「....桃太郎」
おばあさんが小さく彼の名を呼ぶ。
そして、それに続いた言葉は桃太郎を更に混乱させた。
「お前は....鬼退治に向かいなさい」
と。
「鬼退治.....?」
そういえば、村では鬼に畑を荒らされたりと騒ぎが後を絶えない。
おばあさんは目を伏せたまま言葉を続けた。
「ああ.....。すまないね...こんなにも迷惑をかけてしまって....少しの気持ちだ。受け取っておくれ」
そう言い、おばあさんが差し出したのは吉備団子であった。
「これ....」
「こんなことしか出来なくて...本当にすまない..」
おじいさんとおばあさんが頭を下げる。
「....ッ、」
桃太郎はそんな二人を直視できず、思わず目を伏せた。そして、咄嗟に
「...今まで育ててくれた二人には、感謝してる。だから、俺も二人の役に立ちたい...」
と、立ち上がった。
そんな桃太郎の顔を見上げると、彼は吉備団子を持って、二人の顔に微笑みかけた。
「いってきます」
そう、告げて。
半自暴自棄になりながら外へ出た。
日差しが桃太郎を照らした。
実の親ではないと告げられ、そして鬼退治に行けという。とても冷静にいられる状況ではない。
しかし、鬼退治をしなければならない。
実の親だろうが、そうでなかろうが今まで育ててくれたあの二人に、今度は俺が恩返しをする番だと、そう自分に言い聞かせて一歩。また一歩と歩みを進めた。
歩いている内に、桃太郎は犬に出会った。
たくましい顔立ちをした犬だったが、お腹が空いていたようで桃太郎の持っていた吉備団子を見ると尻尾を振り、近寄ってきた。
桃太郎は戸惑いながら、数少ない食料である吉備団子を犬に分けてやった。
犬は尻尾をはち切れんとばかりに振る。
その様子を見て、桃太郎は一人笑んだ。
その場を去ろうと立ち上がり、足を踏み出す。
すると、犬もついてきた。
「....?」
いくら歩いてもついてくる。
そんな犬に桃太郎も愛着がわいたのか、かがんで犬に目線を合わせる。
そして犬の頬を撫でながらまた笑んで、こう問う。
「お前も来るか?」
犬は嬉しそうにわん!と元気よく答え、尻尾を振った。
桃太郎も嬉しそうに犬の頭を撫でる。
たった一人の鬼退治に仲間が加わった瞬間だった。

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信乃@朱乱 - 右京@元にぼし。さん» いえいえ。ノリの割りには整ってますけど!?君は文章を生み出す天才かい!?羨ましいっす!修行中の身には羨ましい限りです。自己満足作品の文章に納得出来ない馬鹿より。(ほーい、確認済みだよん (2014年12月8日 13時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
右京@元にぼし。(プロフ) - 信乃@朱乱さん» まじか!ありがとー!ノリで書いたんだけどね((りょ!直してくる! (2014年12月8日 9時) (レス) id: 593b6febb1 (このIDを非表示/違反報告)
信乃@朱乱 - 面白いなぁ、自分的には良い文章だと思う。後、一ヶ所、「吉備団子。」になっている箇所があるよ?もう一つは「一歩。また一歩と歩みを進めた」みたいに、「。」って区切られてるけど…そう言う文章だったらごめんね(´^`;) (2014年12月8日 0時) (レス) id: 149e2c85db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:右京 | 作成日時:2014年12月7日 22時

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