聖なる夜に、乾杯を。

「「「メリークリスマス！」」」

この掛け声を合図にチリンとグラスがなる。

「今年も2人とクリスマスを迎えられて嬉しいよ！」

そう笑顔で言ったのは私、ひな。

「それ、毎年言ってる」

「はいはい、そのくだりも毎年やってる」

私の声に反応したのはモカで、それに突っ込んだのがラテ。

いつも一緒のメンバーで毎年クリパをしてるんだけど、やっぱりこのくだりに行っちゃうんだよね…

まあ、そのくらい仲がいいっていうことで解決しておこう。

「ねぇねぇ、もう食べていい？」

そう聞かれ振り向くと、事前に準備したジンジャークッキーを手に持ったモカがいた。

「あ、いいよ！」

やったーと口に入れるモカを横目に見ながら、ラテに話しかけにいく。

「ラテ〜」

「あ、ふぃあ、ふいーうしうーはへふー？」

ｽｰｯ

「なんて？」

「ふいーうしうーはへふ？」

おねがいだから食べてからしゃべってくれ…

と思ってたら飲み込んでしゃべってくれた。

「んぐ、クリームシチュー食べる？」

「んー、今はいいかな」

お腹も空いてないし。

「そっかぁ」

この2人は食べ物にしか興味がないようだ。

そう悟り、窓際に寄る。

「…雪、降ってないかな」

去年も、一昨年もクリスマスに雪が降らなかった。

今年は降るといいなぁ…

雲がかかっているから、降りそうなんだけど…



…しばらく眺めていると、ちらちらと白いものが降ってきた。

「わ…雪だ」

雪が降ってきた！

「モカ、ラテ、雪！」

「えっ、ほんと！？」

「まじでー？」

2人がぱたぱたと走ってくる。

「ね、記念撮影しようよ！」

モカの一声で集まってポーズを取る。

ｶｼｬｯ



右からラテ、私、モカと並んだ写真を見て、自然と笑みが溢れる。

…そうだ！

「ね、もっかい乾杯しよう！」

3人それぞれグラスを持ち、乾杯する。

「「「メリークリスマス！」」」