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ハイキュー 及主
「女バレの主将が告白されたらしいぞ」
俺のそのセリフに、及川は「ふ〜ん」と言った。
「相手はダレ?」
「3組の田中って奴らしいが……知ってるのか?」
「全然?知らないよ。けどアイツもろくな奴に好かれないね」
「全然知らないのに、何でろくな奴って分かるんだよ」
俺が聞いても及川は「バカだねぇ、岩ちゃんは」と笑うだけ。
このクソ川が。
「……良いのか、お前は」
「何が?」
「笑ってて、何もしないで良いのか?」
さっきからムカつくニコニコスマイルを浮かべているコイツが、女バレの主将を憎からず想っているのは知っている。
好きな奴が他の奴に告白されたというのに、何で笑っていられるのか。
「……岩ちゃん、気づいてたの?」
「何年お前の隣にいると思ってんだよ、ニブ川」
「岩ちゃんには敵わないなぁ」
さっすがー、とおチャラける及川に怒りが湧く。こっちは心配してやってるというのに。
「大丈夫だよ、岩ちゃんが心配しなくても」
「何でだよ」
「だってこの及川さんが好きになったコだよ?大丈夫大丈夫」
その根拠はどこから来るのか。
彼女も及川のことが好きなのかと言えば、それは分からない。
もともとボーイッシュな性格なのか、男だろうと女だろうと関係なく喋るし、主将同士及川といるところを見ても、言い合いをしていることが多い。
仲は良いほうなんだろうが、及川がそこまで余裕なのが分からない。
「あ、及川ここにいた」
噂をすれば何とやら。
当の本人がやって来た。
「岩泉もいたんだ」
「お、おお」
「んー、何の用?」
「顧問から渡してくれって頼まれたの。今度の合宿で必要な買い出しリスト」
ほい、と渡してくる彼女はあまりにも普通で。
告白されたなんて、思わせる素ぶりはない。まあ、俺達に見せる必要はないんだけど。
「ところでさぁ」
渡されたプリントを見ながら、及川がさっきまで話していた話題を口にした。
「お前、告白されたって本当?」
「な、なんであんたがそれを……!」
「されたんだ」
で?と楽しそうに聞く及川。
もしこれで付き合うことになりました、とか言われたら、どうするつもりなのか。
「何てお返事したの」
「何であんたに言わなきゃいけないのよ」
「どーせすぐに広まるし。だったら尾ビレついてない情報のほうが良くない?」
チッ、と舌打ちし、本当に嫌そうな顔をしてから彼女は報告した。
「断ったわよ、ごめんなさいって」
「せっかくゴリラに告白してくれたのにー」
「ゴリラやめろ。でも仕方ないじゃん。だって今私達は高3で、春高まであと少ししかないんだもん。お付き合いとバレーだったらバレーとるに決まってんじゃん」
「お前って本当バレーバカ」
「うっさい」
じゃあ渡したから、と彼女は去っていく。
及川を見ると、機嫌はこの上なく良さそうだ。
「だから大丈夫って言ったでしょ」
「ああ」
「まあこれでさ、 バレーよりもお付き合いをとるような奴だったら、俺はあいつのこと好きにならなかったけど」
「……恋人はバレーボールですって言い出しそうだよな」
小さくなる彼女の背中を 見ながら言うと、「岩ちゃんは心配しなくて良いんだって」と及川が言う。
「ぜーんぶ終わったら、あいつの隣にめっちゃカッコイイ彼氏がいるから」
「……」
「この俺の告白を断る人なんていないし、あいつの隣が似合うのは俺だから」
そう言う及川は笑顔だったけれど、目はコート内でターゲットをロック・オンしたものと同じだった。
「女バレの主将が告白されたらしいぞ」
俺のそのセリフに、及川は「ふ〜ん」と言った。
「相手はダレ?」
「3組の田中って奴らしいが……知ってるのか?」
「全然?知らないよ。けどアイツもろくな奴に好かれないね」
「全然知らないのに、何でろくな奴って分かるんだよ」
俺が聞いても及川は「バカだねぇ、岩ちゃんは」と笑うだけ。
このクソ川が。
「……良いのか、お前は」
「何が?」
「笑ってて、何もしないで良いのか?」
さっきからムカつくニコニコスマイルを浮かべているコイツが、女バレの主将を憎からず想っているのは知っている。
好きな奴が他の奴に告白されたというのに、何で笑っていられるのか。
「……岩ちゃん、気づいてたの?」
「何年お前の隣にいると思ってんだよ、ニブ川」
「岩ちゃんには敵わないなぁ」
さっすがー、とおチャラける及川に怒りが湧く。こっちは心配してやってるというのに。
「大丈夫だよ、岩ちゃんが心配しなくても」
「何でだよ」
「だってこの及川さんが好きになったコだよ?大丈夫大丈夫」
その根拠はどこから来るのか。
彼女も及川のことが好きなのかと言えば、それは分からない。
もともとボーイッシュな性格なのか、男だろうと女だろうと関係なく喋るし、主将同士及川といるところを見ても、言い合いをしていることが多い。
仲は良いほうなんだろうが、及川がそこまで余裕なのが分からない。
「あ、及川ここにいた」
噂をすれば何とやら。
当の本人がやって来た。
「岩泉もいたんだ」
「お、おお」
「んー、何の用?」
「顧問から渡してくれって頼まれたの。今度の合宿で必要な買い出しリスト」
ほい、と渡してくる彼女はあまりにも普通で。
告白されたなんて、思わせる素ぶりはない。まあ、俺達に見せる必要はないんだけど。
「ところでさぁ」
渡されたプリントを見ながら、及川がさっきまで話していた話題を口にした。
「お前、告白されたって本当?」
「な、なんであんたがそれを……!」
「されたんだ」
で?と楽しそうに聞く及川。
もしこれで付き合うことになりました、とか言われたら、どうするつもりなのか。
「何てお返事したの」
「何であんたに言わなきゃいけないのよ」
「どーせすぐに広まるし。だったら尾ビレついてない情報のほうが良くない?」
チッ、と舌打ちし、本当に嫌そうな顔をしてから彼女は報告した。
「断ったわよ、ごめんなさいって」
「せっかくゴリラに告白してくれたのにー」
「ゴリラやめろ。でも仕方ないじゃん。だって今私達は高3で、春高まであと少ししかないんだもん。お付き合いとバレーだったらバレーとるに決まってんじゃん」
「お前って本当バレーバカ」
「うっさい」
じゃあ渡したから、と彼女は去っていく。
及川を見ると、機嫌はこの上なく良さそうだ。
「だから大丈夫って言ったでしょ」
「ああ」
「まあこれでさ、 バレーよりもお付き合いをとるような奴だったら、俺はあいつのこと好きにならなかったけど」
「……恋人はバレーボールですって言い出しそうだよな」
小さくなる彼女の背中を 見ながら言うと、「岩ちゃんは心配しなくて良いんだって」と及川が言う。
「ぜーんぶ終わったら、あいつの隣にめっちゃカッコイイ彼氏がいるから」
「……」
「この俺の告白を断る人なんていないし、あいつの隣が似合うのは俺だから」
そう言う及川は笑顔だったけれど、目はコート内でターゲットをロック・オンしたものと同じだった。
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作者名:にらたまご | 作成日時:2017年3月23日 22時