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ハイキュー 及主
爽やかな青空が、どこまでも広がっている。運動するにはうってつけな今日は、ただし月曜日だった。
バレー部は女子も男子も休みの日だ。
ただこのまま帰るのも何だか勿体無い気がして、学校近くの公園に寄る。
するとそこで、思いもよらない人物に出くわした。
「あっれー、何でお前がここにいんの」
公園で小さな子と遊んでいた及川が気づくと、遊びを中断してこっちに向かってきた。
遊びを中断された子も嫌な顔一つせず、及川の後をついて行く。
「そういうあんたこそ、しかも子連れ。この子、あんたの隠し子なの?」
「俺をどんな目で見てるの⁈違うよ、こいつは甥のタケル」
「初めまして!」
ピョコンとお辞儀をする及川の甥だという少年は、及川と違って礼儀正しかった。
「おねーちゃん、徹の彼女ぉ?」
「「はい⁈」」
2人の声が重なる。
「ちょっとちょっとちょっとタケル⁈俺が好きなのは髪が長くてふわふわした、大好きって言ってくれるようなかわいい女の子だよ⁈何で好き好んでこんなメスゴリラと付き合わないといけないの⁈」
「あんたのそのセリフに突っ込むとこはたくさんあるけど、ひとまず置いとくとして。
私だって相手を選ぶ権利はあるんだから。女の子を大事にする人が好きなんでーす」
「付き合ってた子みんな大事にしてたよ!そんなとっかえひっかえしてないからね!」
「1ヶ月保ったことないのに」
「バレーと私どっちが大事なのって言うような子は無理なんだよ!言わない子なら保ちますよ!」
「どうだか」
火花でも散りそうな2人の間に、タケルが「ねえねえ」と入りこむ。
「何で付き合ってないの?」
「タケル、今の聞いてた?」
脱力する及川を、タケルは不思議そうに見る。
「だって徹、今まで付き合ってた人達と話してる時より、全然楽しそうだよ」
一瞬驚いたような顔をした後、及川はいつものような、小憎らしい笑顔を浮かべる。
「この俺が女の子相手に怒鳴るわけないでしょ」
「えー、でもなぁ」
及川の言葉に納得しないタケルは、向きを変え、ちょんとスカートを引っ張った。
「あのね、徹ってね、今はこんなんだけどね、バレーしてる時はすっごいカッコいいんだよ。
すっごい強いんだよ、ものすごいんだよ。だからね、あのね……」
「知ってるよ」
そう言うと彼女は屈んで、目線を合わせた。
「ムカつくぐらい強くて、ウザいくらい自信満々。でも誰よりも努力してるし、味方だとすっごい頼りになる」
その言葉にタケルは顔を輝かせ、及川は顔を赤くする。
ただタケルを真っ直ぐに見ている彼女の目には、赤い顔は映らない。
「及川徹は最強にカッコよくて、最強のセッターなんだよ」
「うん!」
顔を見合わせて笑う2人をーーーー正確には彼女を、顔を覆った手の隙間から見る。
いつも皮肉や毒舌の応酬しかしてない相手。ファンの子みたいに、黄色い声をあげたりはしない。
けれど落ちこんだ時はしっかり励ましてくれるし、叱ってくれたりもする。
好きなタイプはかわいいかわいい女の子。
でも自分に合うのは、こんな自分を見てくれているような子。
彼女と別れた後、まだ諦めきれないのか、タケルは及川を見上げる。
「徹ぅー」
「まだだよ」
「まだ?」
「まだ」
彼女はああ言ってくれたけど。
まだまだ、そんなふうに言ってもらえるほどじゃないから。
もっと強くなって、うまくなって。
バレー以外のことでも自信が 持てた時。
その時に言ってやるんだ。
「付き合ってあげても良いよ」って。
爽やかな青空が、どこまでも広がっている。運動するにはうってつけな今日は、ただし月曜日だった。
バレー部は女子も男子も休みの日だ。
ただこのまま帰るのも何だか勿体無い気がして、学校近くの公園に寄る。
するとそこで、思いもよらない人物に出くわした。
「あっれー、何でお前がここにいんの」
公園で小さな子と遊んでいた及川が気づくと、遊びを中断してこっちに向かってきた。
遊びを中断された子も嫌な顔一つせず、及川の後をついて行く。
「そういうあんたこそ、しかも子連れ。この子、あんたの隠し子なの?」
「俺をどんな目で見てるの⁈違うよ、こいつは甥のタケル」
「初めまして!」
ピョコンとお辞儀をする及川の甥だという少年は、及川と違って礼儀正しかった。
「おねーちゃん、徹の彼女ぉ?」
「「はい⁈」」
2人の声が重なる。
「ちょっとちょっとちょっとタケル⁈俺が好きなのは髪が長くてふわふわした、大好きって言ってくれるようなかわいい女の子だよ⁈何で好き好んでこんなメスゴリラと付き合わないといけないの⁈」
「あんたのそのセリフに突っ込むとこはたくさんあるけど、ひとまず置いとくとして。
私だって相手を選ぶ権利はあるんだから。女の子を大事にする人が好きなんでーす」
「付き合ってた子みんな大事にしてたよ!そんなとっかえひっかえしてないからね!」
「1ヶ月保ったことないのに」
「バレーと私どっちが大事なのって言うような子は無理なんだよ!言わない子なら保ちますよ!」
「どうだか」
火花でも散りそうな2人の間に、タケルが「ねえねえ」と入りこむ。
「何で付き合ってないの?」
「タケル、今の聞いてた?」
脱力する及川を、タケルは不思議そうに見る。
「だって徹、今まで付き合ってた人達と話してる時より、全然楽しそうだよ」
一瞬驚いたような顔をした後、及川はいつものような、小憎らしい笑顔を浮かべる。
「この俺が女の子相手に怒鳴るわけないでしょ」
「えー、でもなぁ」
及川の言葉に納得しないタケルは、向きを変え、ちょんとスカートを引っ張った。
「あのね、徹ってね、今はこんなんだけどね、バレーしてる時はすっごいカッコいいんだよ。
すっごい強いんだよ、ものすごいんだよ。だからね、あのね……」
「知ってるよ」
そう言うと彼女は屈んで、目線を合わせた。
「ムカつくぐらい強くて、ウザいくらい自信満々。でも誰よりも努力してるし、味方だとすっごい頼りになる」
その言葉にタケルは顔を輝かせ、及川は顔を赤くする。
ただタケルを真っ直ぐに見ている彼女の目には、赤い顔は映らない。
「及川徹は最強にカッコよくて、最強のセッターなんだよ」
「うん!」
顔を見合わせて笑う2人をーーーー正確には彼女を、顔を覆った手の隙間から見る。
いつも皮肉や毒舌の応酬しかしてない相手。ファンの子みたいに、黄色い声をあげたりはしない。
けれど落ちこんだ時はしっかり励ましてくれるし、叱ってくれたりもする。
好きなタイプはかわいいかわいい女の子。
でも自分に合うのは、こんな自分を見てくれているような子。
彼女と別れた後、まだ諦めきれないのか、タケルは及川を見上げる。
「徹ぅー」
「まだだよ」
「まだ?」
「まだ」
彼女はああ言ってくれたけど。
まだまだ、そんなふうに言ってもらえるほどじゃないから。
もっと強くなって、うまくなって。
バレー以外のことでも自信が 持てた時。
その時に言ってやるんだ。
「付き合ってあげても良いよ」って。
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作者名:にらたまご | 作成日時:2017年3月18日 8時