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私たちは屋上からヘリコプターで引き上げられると直ぐに隔離施設へと連れて行かれた
「本当に私たち､助かったんだね」
ヘリコプターで暗い街を見下ろしながらスンミンの肩に頭を預けた
「私たちもう死なないってこと､？」
鼻をすするYOUをスンミンの大きな手がそっと撫でる
「うん」
「これからもスンミンとずっと一緒､？」
「一生一緒だよ」
微笑むスンミンの胸に泣きながら顔を埋めた
─────
────
───
保護された後すぐに軍隊の人から一人一人聴取され､それが終わるとそこから避難所生活が始まった
好きな服も､好きな食べ物も食べれない。
デスが支給されたお弁当の量に落ち込んでたから､私のを半分あげるとスンミンがデスに怒り狂っていた
あまりにもデスが不憫すぎて少し笑ってしまったけど
.
時間は矢のように過ぎて､三ヶ月も経つと避難所生活にも慣れてきて､当時のトラウマも段々と薄れてきた
あの時約束した焚き火も､軍隊の人にバレないように夜みんなで集まってたまに行っている
そんなある日､スンミンとナムラはとうとうハンビである事が軍隊にバレてしまった。
私とスヒョク含め､ここまで一緒に生き残ったメンバーは軍に「2人に何もしないで」と懇願しに行ったがそれは無駄な努力だった
2人は様々な検査を受けるとゾンビへの抗体があることが明らかになり､これまでの研究からゾンビの症状を抑える薬まで貰えて結果オーライ
寧ろスンミンは薬のおかげでほぼ人間と同じ生活が出来るようになった
「これでYOUと安心して接せれるよ」
そう言い後ろから私を抱きしめると首元に唇を落とす
屋上での告白を気に勿論私たちは付き合いだした
その日からスンミンからのスキンシップが激しくて毎度私はドギマギさせられている
「耳赤くなってるのすっごくかわいい」
耳にスンミンの優しい声で囁かれ思わず体がはねる
「馬鹿！」
からかわらる度に私に叩かれ「アァ」と声を上げるスンミン
叩かれてるのに嬉しそうにする彼に変な扉を開いていないか内心心配している。私の趣味じゃない
スンミンと過ごす毎日は本当に時間感覚を忘れてしまう
あっという間に6ヶ月もの月日が過ぎて､残雪は溶け､暖かい風と鳥の鳴く声が聞こえる
外で体いっぱいに春を感じていると私の彼はすぐに追ってくる
「春になるの早いよね」
呑気に言う彼に私もうんうんと頷く
「僕達今年で高校生じゃなくなるんだ」
「そうだね…」
「やっとYOUと結婚できる」
「うん…」
「うん…？ん？え？まってスンミン今なんて言った？」
普通に聞き流しそうになった自分が恐ろしい
「聞き間違い？結婚って言った？」
「そうだけど」
そんな驚く？と言いたげな顔でこてんと首を傾げるうちのワンコに言葉が出ない
「じ､じぶんの言ってること分かってる…？」
火照った顔をそのままスンミンに向けると､彼の先程までの穏やかな顔が真剣な顔になった
「YOU､僕YOUが好きだよ」
「うん､私も…」
彼の大好きな手が私の手を包む
スンミンはゆるゆるになった頬で私を見た
「僕が一生守るから､僕と結婚して」
「…うん」
ユナは耳を真っ赤にして力なく答えた
きっと私は､スンミンにならどんな時でも同じ返事をしたと思う。
─────
「──そんな彼は私の命の恩人であり､大切なパートナーです。私は彼と幸せになります」
スピーチを読み終えると大きな歓声が式場に木霊した
両親はハンカチで涙を抑え､私も少しグッとくるものがあった
そんな中､式場に有り得ないくらいバカでかい声で叫んでいる集団がいて涙が引っ込んだ
YOUは目を凝らしながらその集団に目を向けた
「まって､あれチャニオッパ？それにヨンボギも…」
「元ダンス部全員集合だㅋㅋㅋ」
ダンス部のみんなはクラブに来てるのかと言わんばかりの歓声と大きな声を上げて泣いている。周りから見たらイケメン情緒不安定集団で吹きそうになる
チャニオッパに関しては滝のように涙を流していて最早引くレベルで嗚咽していた
「…みんなが祝ってくれるんだね」
そう呟くYOUの瞳はキラキラと輝いていた
.
神父が咳払いし式場が水を打ったように静かになる
「─── 新郎キム・スンミンさん
あなたは新婦YOUさんを妻とし､病める時も健やかなる時も､富める時も貧しき時も
死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し､敬い､貞操を守ることを誓いますか？」
真っ白なタキシードでいつもの幼さを感じる髪がオールバックになっているスンミンは私の目を見ると優しく微笑んだ
「誓います」
「新婦YOUさん
あなたは新郎キム・スンミンさんを夫とし､病める時も健やかなる時も､富める時も貧しき時も
死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し､敬い､貞操を守ることを誓いますか？」
純白のウエディングドレスを着こなし､ベール越しに沢山の光に囲まれながらスンミンを見上げた
「誓います」
YOUが微笑むとスンミンはあの時の変わらない､いたずらっぽい笑顔をうかべた
ダイヤモンドが埋められた指輪を交換すると神父が言った
「ではベールをあげてください。誓いのキスを」
スンミンの手によってベールがゆっくりと上げられる
夢のような光景に頬がピンクに染まった
彼は少し屈むと､鼻と鼻がつく距離で囁いた
「YOU､ありがとう」
YOUの白い肌にきらりと一滴の涙が伝った
「大好きだよ､スンミン」
.
.
鬱蒼とした牢屋の中で体を起こす
鉄格子に目をやるとそこには夜空が浮かんでいた
なんだろう…
YOUはボーッと壁を見た
すごく幸せな夢を見た気がする…思い出せないけど
感情の抜け落ちたYOUは布団に入るとまた深い眠りに落ちた
fin.
私たちは屋上からヘリコプターで引き上げられると直ぐに隔離施設へと連れて行かれた
「本当に私たち､助かったんだね」
ヘリコプターで暗い街を見下ろしながらスンミンの肩に頭を預けた
「私たちもう死なないってこと､？」
鼻をすするYOUをスンミンの大きな手がそっと撫でる
「うん」
「これからもスンミンとずっと一緒､？」
「一生一緒だよ」
微笑むスンミンの胸に泣きながら顔を埋めた
─────
────
───
保護された後すぐに軍隊の人から一人一人聴取され､それが終わるとそこから避難所生活が始まった
好きな服も､好きな食べ物も食べれない。
デスが支給されたお弁当の量に落ち込んでたから､私のを半分あげるとスンミンがデスに怒り狂っていた
あまりにもデスが不憫すぎて少し笑ってしまったけど
.
時間は矢のように過ぎて､三ヶ月も経つと避難所生活にも慣れてきて､当時のトラウマも段々と薄れてきた
あの時約束した焚き火も､軍隊の人にバレないように夜みんなで集まってたまに行っている
そんなある日､スンミンとナムラはとうとうハンビである事が軍隊にバレてしまった。
私とスヒョク含め､ここまで一緒に生き残ったメンバーは軍に「2人に何もしないで」と懇願しに行ったがそれは無駄な努力だった
2人は様々な検査を受けるとゾンビへの抗体があることが明らかになり､これまでの研究からゾンビの症状を抑える薬まで貰えて結果オーライ
寧ろスンミンは薬のおかげでほぼ人間と同じ生活が出来るようになった
「これでYOUと安心して接せれるよ」
そう言い後ろから私を抱きしめると首元に唇を落とす
屋上での告白を気に勿論私たちは付き合いだした
その日からスンミンからのスキンシップが激しくて毎度私はドギマギさせられている
「耳赤くなってるのすっごくかわいい」
耳にスンミンの優しい声で囁かれ思わず体がはねる
「馬鹿！」
からかわらる度に私に叩かれ「アァ」と声を上げるスンミン
叩かれてるのに嬉しそうにする彼に変な扉を開いていないか内心心配している。私の趣味じゃない
スンミンと過ごす毎日は本当に時間感覚を忘れてしまう
あっという間に6ヶ月もの月日が過ぎて､残雪は溶け､暖かい風と鳥の鳴く声が聞こえる
外で体いっぱいに春を感じていると私の彼はすぐに追ってくる
「春になるの早いよね」
呑気に言う彼に私もうんうんと頷く
「僕達今年で高校生じゃなくなるんだ」
「そうだね…」
「やっとYOUと結婚できる」
「うん…」
「うん…？ん？え？まってスンミン今なんて言った？」
普通に聞き流しそうになった自分が恐ろしい
「聞き間違い？結婚って言った？」
「そうだけど」
そんな驚く？と言いたげな顔でこてんと首を傾げるうちのワンコに言葉が出ない
「じ､じぶんの言ってること分かってる…？」
火照った顔をそのままスンミンに向けると､彼の先程までの穏やかな顔が真剣な顔になった
「YOU､僕YOUが好きだよ」
「うん､私も…」
彼の大好きな手が私の手を包む
スンミンはゆるゆるになった頬で私を見た
「僕が一生守るから､僕と結婚して」
「…うん」
ユナは耳を真っ赤にして力なく答えた
きっと私は､スンミンにならどんな時でも同じ返事をしたと思う。
─────
「──そんな彼は私の命の恩人であり､大切なパートナーです。私は彼と幸せになります」
スピーチを読み終えると大きな歓声が式場に木霊した
両親はハンカチで涙を抑え､私も少しグッとくるものがあった
そんな中､式場に有り得ないくらいバカでかい声で叫んでいる集団がいて涙が引っ込んだ
YOUは目を凝らしながらその集団に目を向けた
「まって､あれチャニオッパ？それにヨンボギも…」
「元ダンス部全員集合だㅋㅋㅋ」
ダンス部のみんなはクラブに来てるのかと言わんばかりの歓声と大きな声を上げて泣いている。周りから見たらイケメン情緒不安定集団で吹きそうになる
チャニオッパに関しては滝のように涙を流していて最早引くレベルで嗚咽していた
「…みんなが祝ってくれるんだね」
そう呟くYOUの瞳はキラキラと輝いていた
.
神父が咳払いし式場が水を打ったように静かになる
「─── 新郎キム・スンミンさん
あなたは新婦YOUさんを妻とし､病める時も健やかなる時も､富める時も貧しき時も
死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し､敬い､貞操を守ることを誓いますか？」
真っ白なタキシードでいつもの幼さを感じる髪がオールバックになっているスンミンは私の目を見ると優しく微笑んだ
「誓います」
「新婦YOUさん
あなたは新郎キム・スンミンさんを夫とし､病める時も健やかなる時も､富める時も貧しき時も
死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し､敬い､貞操を守ることを誓いますか？」
純白のウエディングドレスを着こなし､ベール越しに沢山の光に囲まれながらスンミンを見上げた
「誓います」
YOUが微笑むとスンミンはあの時の変わらない､いたずらっぽい笑顔をうかべた
ダイヤモンドが埋められた指輪を交換すると神父が言った
「ではベールをあげてください。誓いのキスを」
スンミンの手によってベールがゆっくりと上げられる
夢のような光景に頬がピンクに染まった
彼は少し屈むと､鼻と鼻がつく距離で囁いた
「YOU､ありがとう」
YOUの白い肌にきらりと一滴の涙が伝った
「大好きだよ､スンミン」
.
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鬱蒼とした牢屋の中で体を起こす
鉄格子に目をやるとそこには夜空が浮かんでいた
なんだろう…
YOUはボーッと壁を見た
すごく幸せな夢を見た気がする…思い出せないけど
感情の抜け落ちたYOUは布団に入るとまた深い眠りに落ちた
fin.
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作者名：みやねよ | 作成日時：2023年11月24日 12時
