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自分、神様です。

ちょっと昼寝してたら世界が滅びかけてます。

自分が作った別世界から「勇者」とか呼んじゃって世界が崩壊直前?

しかも呼んだのは自称女神様。

僕の世界を勝手に壊すなよ?





【注意】

この作品はホムペですがSSです。

短い上に続かない。

ふと考え付いたネタをザザッと書いているだけなので、雑です。

これを元に小説化するのもアリです。
ご自由にどうぞ。

長くなりすぎて文字数超えたので、続編作りました

僕、神様です。【オリジナル】(http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mikumiku204)




「しょうがない。
ちょっと世界守ってくるか。」
この世界は「光」と「影」。
そして「無」からできている。

「光」からは地と太陽と動物が。

「影」からは空と月と魔物が生まれた。

動物の上位存在として妖精が生まれ、その上に精霊が出来た。

魔物の上に悪魔が生まれ、さらにその上に魔王が出来た。


昼と夜が同時に存在できないように、この妖精と悪魔、精霊と魔王はとても仲が悪かった。

「仲が悪い」なんて一言で済ませられないほどだ。

それは+と-が反発しあうように、わかり会えることがない。

だから神……つまり「僕」はそのパイプ役として「無」から人間を作った。

妖精からは技術を。
悪魔からは力を貰い、3つの世界を間接的に協力させることにしたのだ。

実際、それは成功していた。

お互いに発展し、特にこれといった争いもなく、500年が過ぎた。

それで安心した僕は、少しだけ昼寝することにした。

……とは言っても、「神」にとっての「昼寝」だから、数十年単位だけどね!

僕が昼寝して少したってから……だいたい200年過ぎたころ、世界に異変が起こった。

精霊が自らを神と名乗ったのだ。

実は精霊と魔王、そして人間にはそれぞれ能力を与えていた。

精霊には力を分け与える能力。
魔王には仲間に指令を与える能力。
人間には、思考を与えた。

いろいろなものに加護を与えることは神のすることだと勘違いしたのだろうか?

魔王もまた、変化を起こしていた。

自分の力を過信したのか。
精霊と人間に戦争を仕掛けた。

その戦いは、僕が目を覚ますまで続いた。

精霊は戦いの末、死に、新たな精霊が生まれた。

その精霊もまた、自らを女神だと名乗った。

長い長い戦いを終わらせるために、その精霊は僕が作った別世界から「勇者」を召喚した。

その勇者は精霊の加護のおかげだろうか?

ものすごく強い存在だった。

彼が本気を出したら……世界が壊れてしまうほどだろう……



って、冗談じゃない!!

僕が作った世界を壊されてしまうものか!

「ああもう……」

そう呟いて、下界……といっても僕がいるのは地上でも地下でもないから少しその言い方はおかしいんだけど、とにかく人間の元へ降りた。

まずは勇者に話をするべきかと思ったけど、まずは魔王に話をすることにした。

「やぁ、君が『魔王』だね?」

いわゆる『幼女』に声をかけた。

こんなんでも魔王らしい。
かわいい女の子だ。

いきなり現れた僕に警戒心剥き出しにして腰の剣に手をかけた。

「誰じゃ貴様は……!」

「別にそんなに警戒しなくてもいいよ?
ちょこっとお願いを頼みにきただけだから。」

へらへらと笑うと、目付きを鋭くされた。
女の子って言ってごめんね。
怖いよ、うん。

「えっとねー、魔物の戦いをやめてほしいんだよね。
僕の世界を壊さないで?」

「ほぅ?
まさかお前が我の手下を倒しまくっているという『勇者』か?
ククク、その願いは無駄よ。
なぜならこの我が世界を征服するのだからなぁーーっ!」

『戦いをやめてほしい』
『世界を壊さないで』

という言葉から僕のことを勇者とでも考えたらしい。

おい、僕をあんな奴と一緒にするな。

「いや、征服とかはどうでもいいんだ。
いやね?
僕がこの世界を作ったわけ。
いわゆる『神様』って存在なんだよ。
つまり、君たちを作ったのも僕。

で、結構世界って作るのに体力使うんだよねー。
だから、頑張って作ったものを壊されたくないんだよ。
わかる?」

魔王がわかったかどうかはわからないが、『君は僕が作った』という言葉に反応した。

「我が……あの忌まわしき神に作られただと!?

我は影より生まれし者!
光と同類……しかもその下などあり得ぬ!」


まぁ、魔王が言ってるのも間違いじゃぁない。

影から生まれたしね。

でも、光とは同類なんだよ。

光を嫌うのも本能だし。

でも……

「僕とあの精霊を同類にされちゃぁ困るなぁ……」

魔王は怒りっぱなし。

話はどうやら聞いてもらえなそう。

「次は……うぅん。

勇者にするかぁ。」

茶色の髪に、紺色の目。

金や銀、赤と青、白、緑、オレンジ………

カラフルな髪色のひとが多いこの世界では、すぐにわかった。

「やあやあ、君が勇者だね?」

話しかけると、彼は腰の剣に手をかけた。

おお、怖い怖い。

そんなに警戒しなくてもいいのになぁ……

「やめてよ、僕はただ、交渉しにきただけだから。」

「交渉だと?」

へらへら笑うと、目付きを鋭くされる。

………あれ、なんかデジャヴ。

「君さぁ、元の世界に帰りたくない?」

その言葉が合図と言わんばかりに、僕に切りかかった。

でも、遅い。

彼のいた世界で比べるなら、ウサイン・ボルトと子供のかけっこぐらい遅い。

「ほう………貴様が……」

避けた僕に勇者はにやりと笑いかけられた。

「女神様が言っていた。

元の世界に帰らせようとする者は、我らの敵………つまり魔王だと。」

……ん?

「そして貴様はなかなかの強者と見た。

お前が、魔王か?

魔王直々に俺を殺そうとしに来たのか?」

………えっ?

「くくくく………はははははははははっ!!

無駄、無駄だぞ魔王!

俺はまだ、力の半分も出しておらぬ!!」


ああ………

これは、話通じないわ。

完全に自分の世界に入っている。

「……精霊が先かぁ………」


この世界の北にある『精霊の湖』。

そこには、精霊と妖精、たくさんの動物たちが住んでいる………

と、思っていたのは僕だけだったらしい。

今はここには『女神』と『妖精』しかいない。

名前だって変えられて、古代語の『神の住まう場所』という意味の言葉がついている。

「ねー、ちょっと神ぶるのやめてくれない?
『精霊』ちゃん。」

そう言おうとしたのだけれど、遮られてしまった。

「貴方は聖者ではありませんね?

お帰りなさい、罪に汚れた人間よ。

汚れた貴方は神聖なるこの地にいるべき存在ではないのです。

精霊たちが、貴方を帰る道へと導いてくれるでしょう。」


ん?

わぁ、彼女は僕を人間だと思ったみたいだよ。

それに今、彼女は何て言った?

『精霊たちが〜』

つまり、精霊は神に、妖精は精霊にランクアップしたってこと?

わぁ。

彼らの発送力に脱帽だよ。

「ううん、僕は帰らないよ?
人間じゃないしねぇ。

あと、一言言わせて。
神様ぶるの、やめてくれない?」

一応簡潔に伝えたつもり。

やっぱり精霊は激怒。

仕方ないよ、神を否定されたのだから。

「貴方……人間でないのなら……魔物の類いでしょう!?

捕らえなさい!
この汚らわしい者を排除するのです!」

えっ、そこ?

……ああ、もう。
アレを使うか。

「あー、ごめんね?
精霊ちゃん。

ちょこーっと、僕とお話しようね」

ここの奴等は話しが通じない。

しょうがないから、彼女を僕の世界に案内した。

「まずは、どこから話そうか?

まず自己紹介からかな。
他人紹介もしちゃうけど。」

この世界にはない、魔法の力でイスを作り、腰かけた。

やっぱりこれ便利だなぁ。
あの世界にも入れるかなぁ。
うん、そうしようそうしよう。
絶対豊かになるよ。

「まずね、僕の名……は無いんだけど、役職で言うと神かな?」

精霊が反論しそうになったのを魔法で止めた。
やっぱり便利。

「でね、君は精霊だよ。
今は妖精が精霊って名乗ってるのかな?


ああ、言いたいことはわかるよ?
でもちょっと待ってね、これを見てから。」

精霊の頭に手のひらをかざした。

これは魔法じゃなくて、本当の神の特権だからね。

メカニズムとしては、説明すると難しいんだけど……簡単に言えば、脳に直接見せてる感じ?

僕が世界を作った時のことを。

全て見終わったころ、精霊がため息をはき、別世界でいう『土下座』のポーズをとった。

「ごめんなさい!

精霊ごときが勝手な真似をして………」

うんうん、わかってくれる子は好きだよ、僕。

「わかってくれればいいんだ。

でね、少しお願いがあるんだ………
勇者を元に戻してくれない?

元の世界に返すのは僕がやるけどね、彼、性格がね……

『女神』として召喚したんだから、最後まで責任とってくれない?」

「もちろんです……

でも、もしかしたら彼……『加護酔い』しているのかもしれません。」

『加護酔い』?
僕はそんなもの作ってないぞ?

「ああ、『加護酔い』というものは私が勝手に名付けたものなのです。

『加護』には、身体能力が上がったり、不思議な力が付くことはご存じのはずです。

しかし……加護を受けすぎると、力が制御出来なくなり、性格にまで変化を及ぼすことがあるのです。

そうですね…水瓶が分かりやすいかもしれません。

水瓶の入る量よりも多い量の水が入ると、溢れてしまいますよね?

つまりはそういうことです。

自分の受け皿以上にものが入ると、暴走してしまうのです……」

でも、自分でやりすぎだと思わなかったの? そう尋ねると、精霊は肩を落とした。

「確かにその通りです……

でも、『勇者』が召喚されたので、これぐらい大丈夫だと思ったのです……」

勇者だって、人間さ。

「魔法陣を見せてくれないか?」

精霊は、はい、と言って魔法陣を書いた。
多分同じものなのだろう。

「ここに私の涙を入れると、魔法陣の完成です」

その魔法陣をよく見てみる。

「あれ、これ間違ってるよ?」

この世界の『魔法陣』というのは、僕が作ったものだ。
メモした紙をうっかりこの世界に落としてしまったのだ。
だから、魔法陣は全てわかる。

というか、『魔法』がないのに『魔法陣』があるってちょっとおかしいけど。

「これは、別世界の人間を無差別に呼び出すものだよ。
彼は勇者でもなんでもない。
ただの人間さ。」

精霊は足から崩れ落ちた。

「ああ……なんということでしょう……」

「まあ、何でもいいよ。
とりあえず彼を帰そう。

元の世界に帰れば、加護は消える。

性格は……どうだろう?」

精霊の肩に手を当て、励ます(つもり)。

「ですが……私は召喚できても、その逆はできません。」

「ああ、それも大丈夫。僕がやるからね。

まあ、彼を説得してよ」

「わかりました……」


そして僕等は、『勇者』の元へ向かった。

勇者は僕を見るなり、高笑いをした。

「はははははは!
無駄、無駄だ魔王よ!」

「はいストップー。

精霊ちゃん、後はよろしく。」

「はい……

勇者よ、私は……えっと……女神です。

あなたを元の世界に帰す準備ができました。

自らの世界へとお帰りなさい、人間よ。」

『女神』と言うとき、少しだけ頬を赤らめた。

勇者は信じられない、という顔をしている。

「ですが……俺はこの世界を救うために召喚された『勇者』!

俺ならば、そこの魔王を倒せます!


あれ……?

魔王と、女神様が共にいる…

しかも女神様は…俺…を、帰すと…言う…」

最後の方は声が小さくなっていった。

そしてなぜか、ゆっくり目を瞑った。

その数秒後。

目をいきなり見開いた。

「ああ……ああ、分かりました女神様!

あなたは今、その魔王に操られているのですね!?

ふふ、ははは、ははははははっ!

待っててください女神様!

今、貴方の目を冷まさせてあげますッッ!」

そう叫んで『勇者』は襲いかかってきた。

うおっ、あぶねっ。


なんとか……あっ、そうだ。

「ちょーっと、休んでてねー」

時間の経過を遅らせ、速攻で地面に魔法陣を書く。

『勇者』が魔法陣に乗ったその瞬間に発動させた。

発動条件は、魔法陣と『神の血』。

魔法陣が光輝き、その光が見えなくなったころ、勇者はいなくなった。

わぁ、超便利。
最初からこれ使えばよかったじゃん。

「お、お見事です。」

そうは言うものの、精霊には今の動きが見えたのだろうか?

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作者名:いんく | 作成日時:2016年9月22日 20時

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