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HEY! 見てるかい敦君?
部活で言った通りあの作者名で投稿したよ。正直言って凄く恥ずかしいよ。マイナーCPは辛いね(深夜tension)

えーっと、多分見てくれる人は居ないとは思いますが、これはリア友の敦君に捧げる? 小説です。列記とした小説です。深夜tensionでお送りします。

あっれれぇ? この書き方知ってるぞー見たことあるぞーと言う方は、今すぐ住所を言ってください。
貴方の記憶をナナバのようなもので消そうと思います。


ではでは敦君。汚文駄文失礼するよ!



 「愛している」

 その言葉に僕は幼いながらも不信感を抱き、母上や父上に何回も訊いてまわったことがある。如何いう意味か訊けば、母上は少し困ったように眉を顰め、父上は豪快に声をたてて笑った。僕は父上に笑われたのが悔しくて母上からの返事を催促したが、母上はなかなか教えてはくれなかった。

 僕が驚くぐらいしつこく云うものだから、母上は「一寸難しいかもしれないけどね」と前をきし、「愛してるって云うのは、人を思いやる気持ちのことなの」と優しく僕の頭を撫でた。

 「じゃあ、愛ちゃんもそうなの?」と訊けば再び父上に笑われ、「じゃあ、優しいとは違うの?」と訊けばまた母上は困ったように眉を顰めて、大人の上等文句である「大人になったら分かる」と云ってそっと僕を寝かしつけた。

 それから間もなくして、二人は交通事故で死んだ。

 葬式に溢れるのは痒いほどの下らぬ慈悲と同情の言葉。

 誰もが幼き僕を可哀相だと罵り、ダイヤモンドより綺麗な偽の涙を流した。葬式に参列した多くの人は僕の知らない大人で、男も女も気持ち悪いぐらいに着飾ってあの分厚く紅い唇を捲くし立てていた。パーティと間違っているのではないか。何度もそんな考えが僕の頭の中を駆け巡り、同時に母上と父上の「愛している」という声が薄い鼓膜にこびりついて、必死にスーツの袖で耳を擦った。それでもあの艶かしい声はこの歳になっても離れない。

 汚い唾液が飛ぶ怪物達の中、僕はあることを悟った。

 「愛している」という言葉は死にゆく人が云う言葉だ。

 それから僕は、僕のことを「愛している」と云った人達は全員死ぬんだと思った。だからそういう人達には酷く優しく接してやったし、友達だった愛ちゃんとは縁を切った。

 だって、もう死んじゃう人と仲良くなったって意味ないからね。

 それから暫く父上の宛を如何いうこともなく揺蕩ってきて、一人の「銀狼」と呼ばれる多分日本で一番強い用心棒に出会い、僕の人生は一変した。

 与謝野さんや国木田に太宰、賢治に谷崎と武装探偵社で沢山の縁と会って、そうして沢山の死人と出会った。社長の優しい嘘でもって僕は世界最高峰の名探偵としてヨコハマ一帯の事件を欲しいがままにし、僕は何をトチ狂ったのか次第に太宰に想いを馳せるようになった。

 別に僕は同性愛に関しては何の不快感も偏見も持っていないし、そういう大人を普通の人より見て来たから「この世には色んな種類の恋があるんだ」としか思っていなかった。まあ自分がそうなるとは塵ほどにも思っていなかったけど、なってみて初めて驚いたのは「あ、社長じゃないんだ」と呆気にとられた自分自身だった。

 普通に少女漫画的展開で見れば、助けられた謂わば恩人である社長に想いを馳せ、様々な下らない障害を越えて上手くいけばハッピーエンド、悪くいけばバッドエンドになる。もし自分がそのもしもになるのであれば、それは勿論社長が妥当だろうと、そう考えていた。

 真逆あの自決愛好家で女タラシの太宰に自分が惚れるだなんて、誰が考えつくだろうか。精々太宰に口説かれた無能な女ぐらいだろう。

 そして太宰に惚れてから数年して、あっちから告白してきた。口説き文句は「私と死ぬ気で恋愛してみませんか?」という乙女ゲーの宣伝のようなもので、そんな陳腐な告白誰が受けるか、と突き放してみたら太宰少し驚いたような顔をした後すぐあの自慢のキザな笑みを浮かべ、「流石は乱歩さん。ますます惹かれました。ね? 試しに付き合ってみませんか?」と本当に此奴は自分のことが好きなのだろうか、と疑われてしまう、告白には明らかに不向きの言葉で以って再び僕に愛を囁いた。

 流石は太宰。僕の興味を引く云い方をよく分かっているらしい。

 「いいよ。その提案に乗ってやろうじゃあないか」

 そう云って、僕らは晴れて恋人となった。

 恋人になったからと云って突然僕らの距離感が変わっただとか、言動が変わったなんていうことはなく、勤めていつも通りに何もなかったように皆の前では振る舞い、二人別々に給料三年と一寸分の新居に戻り、今日も皆気付かなかったね、そうですね、なんていう会話を続け、週四のペースで夜の営みに励む極普通の″恋人生活″というものをしていた。

 只一つ違うのはたまに出る太宰の異様な愛への執着ぐらいで、彼奴は自決に失敗した回数が一定の数を超えた時や悪夢を見た時、また特に目立つようなことがないときでも一定の周期で僕に縋りつき、「愛していますか」と何度も何度も訊いてくる。

 「私はもしかして乱歩さんのお荷物になってはいませんか」
 
 「私のことを本当に愛しているんですか」

 「ああ、乱歩さん。私は、私は!」

 最初はあの探偵社で見る飄々とした太宰とは全く違った変貌振りに驚きはしたものの、僕は何処かで太宰も同じ人間であることに薄々気付いていたようで、ひたすら「愛」を口叫ぶ太宰に僕はいつもこう云ってやっているんだ。

 「愛してはいるんだけどね」


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(^8^) - 太乱サイコー! (2022年3月14日 22時) (レス) id: 3b9a9b0474 (このIDを非表示/違反報告)
marimari(プロフ) - もっと太乱とか乱歩受け下さい!! (2018年11月24日 23時) (レス) id: 67db6d6af4 (このIDを非表示/違反報告)
二代目北斎(プロフ) - いちごぎゅーにゅ♪さん» 太乱推しの方ですか!いやはやどうも、こんな作品を読んでいただき有り難う御座います。 (2018年2月20日 21時) (レス) id: 94827244c2 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぎゅーにゅ♪ - 太乱はマイナーじゃないよっ!?←太乱推し (2018年2月20日 20時) (レス) id: a25d4ba21f (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 匿名さん» 真逆コメントをくれるとは思ってもいなかったよ。有り難うね。そう云っているわりには評価してくれなかったみたいだけれど(笑) (2017年10月13日 21時) (レス) id: 451310bae7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お前、ねえ、あのさ | 作成日時:2017年10月4日 21時

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