「原作沿い」の意味ちゃんと分かってる？

これは原作沿いです、って謳ってる作品よく見かけるけど、その「原作沿い」の意味を分かってない人があまりにも多いのでこれ作ってみました。


「原作沿い」っていうのは原作の世界観や時系列をそのまま使ってそこに自分のオリジナリティを加えて書いていく事を言うんだけど、それを勘違いしてる人がまあ多い。

誰もが知ってるだろう「桃太郎」を例として説明すると…

お爺さんが山へお婆さんが川へ
↓
桃がどんぶらこ
↓
桃太郎登場
↓
きびだんごもって鬼退治出発
↓
犬、猿、キジを仲間に
↓
鬼ヶ島で鬼退治
↓
めでたしめでたし

これが元々の話の流れ。そしてこれを軸にして

・お爺さんとお婆さんの行き先が逆

・桃が山から転がり落ちてくる

・登場した桃太郎が女子

…等々、話の流れはそのままで内容にオリジナリティを加えて変化をつける。あとは同じ話を他の登場人物の視点で書く。

そして一番大事なのが「地の文」と「台詞」の使い方。原作の文章や台詞をそのまま使うのはせいぜい3〜4割に留めましょう。あくまでも「引用」の範疇でやるのが鉄則です。

あと桃太郎とはちょっと離れますがアニメや漫画のキャラの決め台詞や技の名前（某少年探偵や某鬼狩りの少年などが言うやつ）はそのキャラを引き立たせる大事な台詞なのでそのまま使っても問題ないです。

実は台詞の1つ1つには著作権がないと言われています。なので上手く使えば作品をより引き立たせる事が出来ます。

これが本来の「原作沿い」です。


でもサイト内で散見される「これは原作沿いです」っていう作品はかなりの確率でほとんど原作そのままでは？というレベルの内容のものです。

キャラの台詞はほぼ全て丸写し、そこに夢主の台詞を混ぜ込んだだけ。地の文は原作の情景そのまま文字起こししてちょこっと手を加えただけ。

割合で言えば原作7割〜8割、作者のオリジナル3割〜2割。酷いものだとオリジナル1割なんていうのもある。

これは「原作沿い」とは言いません。「原作をちょっぴり改変しただけのほぼコピペ作品」です。

こうなると著作権問題が発生してきます。原作によってはノベライズ本が出版されているものもあるし、劇場版（映画）や漫画の新作を使ったりしたらネタバレ問題にも繋がってしまいます。

二次創作自体がグレーゾーンであり、原作者様や出版社様等が黙認して下さっている事で成立しているものなので、あまりにも目に余ると二度とその作品を使わせてもらえなくなる可能性も大いにある訳です。

そうなると泣く人が山ほど出る事になるので心当たりある人はそこのところしっかり理解して頂きたいです。




「原作沿い」そのものは悪い事ではありません。でも書くならきちんと理解した上で、正しい書き方を。


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