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*+*+*+*+
たった一つ、自分だけの理由。
*+*+*+*+
▽
どうも皆さん、雨音です
私立の受験が終わったのでちょっと息抜き程度に。
長編は前作の評価が100を超えたらという事なので、もう少し(仮)お待ちください
↓よろしければ
君を忘れるには早すぎた。【まふまふ】
この作品について
短編(読みきり)です
歌い手様のお名前をお借りしています。
本人様とは一切の関係を持ちません。
低評価はご自由に。コメントもどうぞ。
シリアス大丈夫な方のみの歓迎(苦手な方にはお勧めしません)
*+*+*+*+たった一つ、自分だけの理由。
*+*+*+*+
▽
どうも皆さん、雨音です
私立の受験が終わったのでちょっと息抜き程度に。
長編は前作の評価が100を超えたらという事なので、もう少し(仮)お待ちください
↓よろしければ
君を忘れるには早すぎた。【まふまふ】
この作品について
短編(読みきり)です
歌い手様のお名前をお借りしています。
本人様とは一切の関係を持ちません。
低評価はご自由に。コメントもどうぞ。
シリアス大丈夫な方のみの歓迎(苦手な方にはお勧めしません)
*
『音楽を仕事になんて、出来るわけないよ。』
これが僕の口癖だった。
『絶対出来るよ。だからまだ、諦めないでよ。』
そう言った人が居た。
関係はと問われれば、ただの友達。
いつまでも、友達止まりの関係。
その人だけが、僕の作った音楽を楽しんでくれた。
その度に、彼女はああ言ったのだ。
そしてまた、その度に僕は言う。
『じゃあ…一緒にやろうよ』
一人でなんて、とてもじゃないけど勇気が無かった。
だけど、彼女は決まって首を横に振る。
『ううん。私が君となんて、夢のまた夢だよ。』
『夢』という言葉を、彼女はよく使っていた。
そこに何の意味があるのか、どういう意図が隠れているのかは分からないままだったけれど
『またね』
これが最期に交わした言葉になった。
また逢えることを期待させておいて、もう逢えなくなってしまった。
彼女はその夜に、死んでいたから。
自ら命を絶っていた。
『なんで』っていう言葉が浮かんだ。
僕はその夜も働いていた。
バイトのシフトが入っていたのだ。
事実を知ったのは、少し経ってからだった。
それから僕は、彼女に理由を求めた。
『なんで先に逝っちゃうの。』
『またねの意味は、なんだったの。』
『あの日の言葉は、嘘だったの…。』
彼女が死んだ次の夜、やっぱり眠ることなんて出来なくて、家を出た。
行くあても目的地もなく、お金やら携帯なんてものも持っていない。
何かを連れて行きたくなかったのも理由の一つだけど、大きな理由としては、空っぽになっていたかったからかも。
ただただ、何処かへ行きたかった。
此処じゃない何処かへ、消えてしまいたかったんだ。
だから、歩き続けた。
ずっと何を考える訳でもなく、疲れるまで歩いた。
そしてある時、足を止めた。
喉が渇いた気もするし、疲労感が僕を包んでいた。
それでも、そんなことはどうでもいいと思えた。
『またね』だけを重ね続けた結果、あの子との距離は無限になったんだ。
僕が今から死んだところで、逢うことなんて出来やしない。
そうだとしても、もう一度…。
もう一度だけでも、君の声が、聴きたいよ。
コロコロと変わる、あの表情だって、ずっと見ていたかった。
当たり前になっていたあの会話も
何気なく隣に居た時間も
そこにあるだけでよかったのに。
もう二度と、取り返すなんて出来ないじゃん。
君が居ない世界じゃ、何をしても無駄だ。
それならもういっそ、この世界から消えてしまえたら……
『私は、君の歌声も曲も、ずっと好きだよ。』
彼女の声が聴こえた。
涙が溢れた。
初めてだった。
これだけ泣いたのも、彼女の事を考え続けたのも。
なんで彼女は、『死』を選んだんだろう。
いくら考えても解らなかった。
僕には、何も出来なかったのかな。
もし結末が変わらないものだとしても、あの時以上に何かを、出来なかったのだろうか。
この終わりを知っていたのなら、僕はもっと歌っていた。
もっと、彼女を笑顔にしようと努めていた。
後悔なんて、今更したところで遅すぎる。
僕の声を届けたい相手は、この世に居ないんだ。
『私はずっと好きだよ。』
微笑む彼女の言葉が、頭の中で反響する。
僕は、その言葉を信じていいだろうか。
自分の単純さは一番分かっている。
現に今、最も呆れているのは僕自身だろう。
それでもやっぱり
『僕は歌い続けたい』
君が好きだと言ってくれたものを、続けていきたい。
君の声も言葉も、いつかは忘れてしまうだろう。
それでも、君という存在を忘れないためにも。
どれ程遠くに離れていても、君に届くように。
これが、僕の歌い続ける理由。
.
.
〜あとがき〜
どうも皆さん、雨音です
今回は読み切り短編ということで、このような形にさせていただきました。
この作品は、『理由』をテーマの中心としています。
歌い続ける理由だけではなく、色んなところに理由が存在しているのです。
彼女が彼に音楽を続けてほしかった理由。
それを断った理由。
彼女が『死』を選んだ理由。
彼らが友達のままでいた理由。
そして、『歌い続ける』ことを選んだ理由。
探せば、まだまだ出てくると思います。
今回は淡々とした口調で書いてみたため、どうかな…とビクビクしながら書いていました。
どうだったでしょうか…
感想を聞くのは怖い気もしますが、自分的には感情を剥き出しにした方が書きやすいかな…と思ってる最中です
今回、読んでくださりありがとうございました。
あれを言ってしまった以上、長編を書くのは達成してからかな…と我慢していますが、色んな事情で短編はちょこちょこと書いていこうかなと思ってます。
たぶん長編が出来る頃にはおばあちゃんになってますね()
とりとめもないのでこの辺で終わりましょうか。
それでは、また何処かで。
by雨音
『音楽を仕事になんて、出来るわけないよ。』
これが僕の口癖だった。
『絶対出来るよ。だからまだ、諦めないでよ。』
そう言った人が居た。
関係はと問われれば、ただの友達。
いつまでも、友達止まりの関係。
その人だけが、僕の作った音楽を楽しんでくれた。
その度に、彼女はああ言ったのだ。
そしてまた、その度に僕は言う。
『じゃあ…一緒にやろうよ』
一人でなんて、とてもじゃないけど勇気が無かった。
だけど、彼女は決まって首を横に振る。
『ううん。私が君となんて、夢のまた夢だよ。』
『夢』という言葉を、彼女はよく使っていた。
そこに何の意味があるのか、どういう意図が隠れているのかは分からないままだったけれど
『またね』
これが最期に交わした言葉になった。
また逢えることを期待させておいて、もう逢えなくなってしまった。
彼女はその夜に、死んでいたから。
自ら命を絶っていた。
『なんで』っていう言葉が浮かんだ。
僕はその夜も働いていた。
バイトのシフトが入っていたのだ。
事実を知ったのは、少し経ってからだった。
それから僕は、彼女に理由を求めた。
『なんで先に逝っちゃうの。』
『またねの意味は、なんだったの。』
『あの日の言葉は、嘘だったの…。』
彼女が死んだ次の夜、やっぱり眠ることなんて出来なくて、家を出た。
行くあても目的地もなく、お金やら携帯なんてものも持っていない。
何かを連れて行きたくなかったのも理由の一つだけど、大きな理由としては、空っぽになっていたかったからかも。
ただただ、何処かへ行きたかった。
此処じゃない何処かへ、消えてしまいたかったんだ。
だから、歩き続けた。
ずっと何を考える訳でもなく、疲れるまで歩いた。
そしてある時、足を止めた。
喉が渇いた気もするし、疲労感が僕を包んでいた。
それでも、そんなことはどうでもいいと思えた。
『またね』だけを重ね続けた結果、あの子との距離は無限になったんだ。
僕が今から死んだところで、逢うことなんて出来やしない。
そうだとしても、もう一度…。
もう一度だけでも、君の声が、聴きたいよ。
コロコロと変わる、あの表情だって、ずっと見ていたかった。
当たり前になっていたあの会話も
何気なく隣に居た時間も
そこにあるだけでよかったのに。
もう二度と、取り返すなんて出来ないじゃん。
君が居ない世界じゃ、何をしても無駄だ。
それならもういっそ、この世界から消えてしまえたら……
『私は、君の歌声も曲も、ずっと好きだよ。』
彼女の声が聴こえた。
涙が溢れた。
初めてだった。
これだけ泣いたのも、彼女の事を考え続けたのも。
なんで彼女は、『死』を選んだんだろう。
いくら考えても解らなかった。
僕には、何も出来なかったのかな。
もし結末が変わらないものだとしても、あの時以上に何かを、出来なかったのだろうか。
この終わりを知っていたのなら、僕はもっと歌っていた。
もっと、彼女を笑顔にしようと努めていた。
後悔なんて、今更したところで遅すぎる。
僕の声を届けたい相手は、この世に居ないんだ。
『私はずっと好きだよ。』
微笑む彼女の言葉が、頭の中で反響する。
僕は、その言葉を信じていいだろうか。
自分の単純さは一番分かっている。
現に今、最も呆れているのは僕自身だろう。
それでもやっぱり
『僕は歌い続けたい』
君が好きだと言ってくれたものを、続けていきたい。
君の声も言葉も、いつかは忘れてしまうだろう。
それでも、君という存在を忘れないためにも。
どれ程遠くに離れていても、君に届くように。
これが、僕の歌い続ける理由。
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〜あとがき〜
どうも皆さん、雨音です
今回は読み切り短編ということで、このような形にさせていただきました。
この作品は、『理由』をテーマの中心としています。
歌い続ける理由だけではなく、色んなところに理由が存在しているのです。
彼女が彼に音楽を続けてほしかった理由。
それを断った理由。
彼女が『死』を選んだ理由。
彼らが友達のままでいた理由。
そして、『歌い続ける』ことを選んだ理由。
探せば、まだまだ出てくると思います。
今回は淡々とした口調で書いてみたため、どうかな…とビクビクしながら書いていました。
どうだったでしょうか…
感想を聞くのは怖い気もしますが、自分的には感情を剥き出しにした方が書きやすいかな…と思ってる最中です
今回、読んでくださりありがとうございました。
あれを言ってしまった以上、長編を書くのは達成してからかな…と我慢していますが、色んな事情で短編はちょこちょこと書いていこうかなと思ってます。
たぶん長編が出来る頃にはおばあちゃんになってますね()
とりとめもないのでこの辺で終わりましょうか。
それでは、また何処かで。
by雨音
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作者名：雨音 | 作成日時：2018年2月17日 0時
