六兆年と一夜物語【替歌】

六兆年と一夜物語 替歌~いじめ~

平成時代の学校の
ごくごく普通の少年の
誰も知らない【おとぎばなし】
産まれ落ちたその日から
親戚の家をたらい回し
その身に余る【罰】を受けた
悲しいことは なにもないけど
夕焼け小焼け
手 を 引 か れ て さ
知らない、知らない、僕はなにも知らない
叱られた後の優しさも
雨上がりの手のぬくもりも
ただ本当は本当は本当は本当に寒いんだ
死ねない、死ねない、僕は何で死ねない？
夢のひとつも見れないくせに
誰も知らないおとぎばなしは
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった

吐き出すような暴力と
酷い暴言の毎日に
君はいつしか其処にたってた
話しかけちゃ駄目なのに
『君の名前が知りたいな』
ゴメンね、名前を言う
勇気も無いんだ。
僕の居場所は 何処にもないのに
『うちにおいでよ』
手 を 引 か れ て さ
知らない、知らない、僕はなにも知らない
君はもう子供じゃないことも
慣れない他人の手のぬくもりは
ただ本当に本当に本当に本当のことなんだ
やめない、やめない、君は何でやめない？
見つかれば虐められちゃうくせに
雨上がりに忌み子が二人
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった

日が暮れて夜が明けて
油断しきって捕まって
こんな世界君と僕以外
皆いなくなればいいのにな
皆、いなくなればいいのにな＿

知らない、知らない、声が聞こえてさ
僕と君以外の
全 人 類
抗う間もなく手を引かれてさ
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
知らない、知らない、僕はなにも知らない
これからのことも君の名も
今は、今は、これでいいんだと
ただ本当に本当に本当に本当に思うんだ
知らない、知らない、あの耳鳴りは＿
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった

【bad end】

解説
少年は学校で酷いいじめを受けていました。
少年の母親は、少年を産み落とした際に亡くなってしまい、父にも捨てられた少年は親戚の家をたらい回しにされていました。
その親戚にも虐待を受けていた少年には、夢も希望も、心も有りませんでした。
心を無くした少年に悲しいことはないけれど、
夕焼け小焼け、手を引かれる幼児が。
少年は何も知りません。
叱られた後の優しさも、雨上がりの手のぬくもりも。
ただ、本当は本当は本当は本当に寒いのです。
少年は死ねません。
夢のひとつも見れない癖に＿少年はそういって
また、手首を切るのです。

学校では吐き出すような暴力。
家庭では酷い暴言の毎日。
そこに、『君』はいつしか立っていました。
話しかけてはいけない。
少年が声なき声で抗議するにも関わらず、
『君の名前が知りたいな。』
しかし、少年には名前を言う勇気もありませんでした。
少年の居場所は、何処にもありません。
そのことを話すと、『君』は、
『うちにおいでよ！』
そういって、少年の手を引き＿
少年は何も知りません。
『君』がもう子供じゃないことも。
慣れない他人の手のぬくもりは、ただ、
本当に本当に本当に本当のことなのです。
『君』はやめません。
見つかれば、自分までいじめられれてしまうのに。
雨上がりに、忌み子が二人。
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった。

さくちゅです…スミマセンm(__)m