ruishu

ある日。

一人の少年は

綺麗という形容よりも

可愛いという形容のほうが

おどろくほど似合う

少女に

出逢いました。


少女は

元気いっぱいで

みんなに好かれていて

柔らかい雰囲気でした。

たくさん

おしゃべりを楽しんで

たくさん

距離が縮まって

たくさん

触れあって

時には

唇を重ねました


少年は

その時間が

楽しかった

幸せだった

いつまでも

続いて欲しいと思った

いつまでも

続いて欲しいと願った


でも

不幸は

別れは

突然やってくる


少年は少女を傷付けました

少女は

無言で

笑顔を張り付けていたけれど

辛い顔をしていました

きっと

偽りの笑顔の下で

頬を濡らしていました


少年の心が痛みます

針で貫かれたように

毒に溶かされたように

グシャグシャに潰されたように


あぁ

またやってしまった

後悔しても

遅かった

後の祭りだった

優しい言葉さえ

掛けてあげられなかった



少年は

腹を括りました

心を決めました

＿ありがとね　　

また会える日まで

　　　お元気で＿


その言葉を残して

逃げるように

姿を消しました