好奇心は全てを暴く【短編】

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ほんの気まぐれ。

短編作るのホムペしかない…。

コツ、コツ…と、革靴がコンクリートの地面を叩く。

薄暗い路地裏を、コートを着込んだ男が歩いていた。

その男の名は、猫宮春樹。
日々事件を追い、そして事件に追われるどこにでもいる刑事だ。

そんな彼を幾人かの男が囲む。

その手には、持ち歩きが法律によって禁止されているはずの拳銃が握られていた。

しかし、猫宮は動じない。

「銃刀法違反。刑事の前でそんなモン持ち歩くなんて、正気かい？」

「問題ないさ。お前は今日から『行方不明』になる予定だからな」

リーダー格らしき男がカチリとハンマーを起こしながら、お決まりの台詞を口にする。

「お別れだな、猫宮」

いよいよ撃たれる、そんな絶体絶命の状況で猫宮は呑気にあくびをした。

「三下丸出しかよ…。もうそういうの聞き飽きたんだよなァ」

その言葉に、態度に、周りの男もリーダー格の男も激昂する。

「貴様ァァァ！ふざけるな！」

「その二度とそんな口をきけなくしてやる！」

「くたばれ！」

リーダー格の男が銃口を猫宮の方へ向け、叫ぶ。

「好奇心か何か知らんが、好奇心は猫をも殺す。ぬかったな、猫宮！！」

その言葉に、猫宮はニヤリと笑う。それと同時に男へ向けて跳躍した。

「じゃあ、教えてくれよ。こんなにも好奇心旺盛な俺が生きている理由はなんだ？」

勢いのまま、膝蹴りで男を倒す。

倒れる男を見向きもせず、猫宮は尚も襲いかかる男たちの攻撃をさばき、避け、カウンターを繰り出した。

こんな状況にも関わらず、その瞳はキラキラと輝いている。

数秒後、路地裏は地獄絵図と化した。

「全員、銃刀法違反とその他諸々で逮捕な」

「ぐ、うぅぅぅ…！」

猫宮に返り討ちにされた男たちが地面に転がり、呻き、泣きわめいている。

それも当然。

彼らは今まで暴力により他人を支配してきた輩だ。

他人の痛みなど知ったこっちゃないし、痛みや苦しみを味わったことがない。

それが、こうも簡単に蹂躙されてしまったのだ。

リーダー格の男が顔を歪めながら問う。

「貴様、何者だ…？」

猫宮はそんな男をつまらないと言わんばかりに見下ろした。

「そんなとこまでテンプレかい？…俺は猫宮春樹。ただのお巡りさんだ」

それだけ言い残し、猫宮は踵を返した。

赤いランプが彼の後ろ姿を照らす。

彼の名は猫宮春樹。

好奇心旺盛な刑事でもあり、全ての真相を暴く者。

旺盛な好奇心とそれに伴うスリルは彼の生き甲斐であり、勝利の女神はいつも彼に味方する。

そんな彼は今日も、どこかで気の向くままに事件を解決している。

「猫宮さん！また危険な目にあったんですか！」

「うるさいなァ…。俺は眠いから、始末書よろしくな」

「え、ちょ、猫宮さん！！……マジかー…」

一人の、頼りない相棒を携えて。

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