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シュラ＝ハイレント(男 貴族 27歳)
リオ＝ハイレント(男 貴族 21歳)
シャムナーラ(女 スラム生まれ 8歳)
メイド1(女 18歳)
メイド2(女 19歳)
【場所】朝 雨 街の路地裏
SE 雨音
シュラ「...雨が降ってきたな。屋敷に戻るか。」
メイド1「はい、今すぐ馬車の手配をしてきます。シュラ様はあちらの花屋で雨宿りしていてください。」
シュラ「ああ、わかった。頼む。」
シュラ「(リオは大人しく留守番をしているだろうか。まあ勝手に屋敷を出ていたらたっぷり過激なお仕置きをしてやろう。)」
SE 扉の開閉音
室内のため少し雨音が小さくなる
【場所】 とある店の中 明るい
シュラ「(...それにしても雨強くなってきたな。無事手配できたのか？)」
シャムナーラ「...ぅぅっ....。」(苦しそうに)
シュラ「っ？誰だ。」
シャムナーラ「...あ....う....。」
シュラ「(何だこの子供は...。スラムは遥か遠くにあるはず...しかしなぜこの子供がここにいるんだ。この街はスラムの人間を入れないはずなのだが...。)」
シャムナーラ「ぅ....ぁぁ....。」(助けを求めてる)
シュラ「成程、スラムの人間というのは言葉を話さないのか。学習不足だな。まあ勉強するための金などないだろうな。俺に一体何をしろというんだ？言ってみろ。」
シャムナーラ「...ぁ....ぅ.....。」
シュラ「はぁ...なんだ、言葉を知らないのか？まともに言葉を話せないなら俺に構うな。汚い、近寄るな。」
シャムナーラ「ぅぅぅ...っ」泣きそうになる
シュラ「っ、泣くな。ここで泣かれては困る。まるで俺が悪者みたいじゃないか。」
シャムナーラ「ーっ...うっ...うぇぇ...。」(泣く)
シュラ「お、おい、いい加減にしろ。悪かった。俺が悪かった。だから泣くな。」
シャムナーラ「ううっ...ひっく....ううっ...。」
泣くのをやめようとするが止まらない
シュラ「(面倒な餓鬼に会ってしまったな。これだからスラムの人間というのは。)」
SE 扉が開く音･靴音
メイド1「シュラ様、馬車の手配を完了しました。御準備を。」
シュラ「ご苦労。今向か...っ。｣
シャムナーラ、シュラの手を引っ張る。
シュラ「いい加減その汚い手を離せ！」
SE 突き飛ばす音＆倒れる音
シャムナーラ「うあっ！」(突き飛ばされる)
シュラ「言うことを聞かない餓鬼にはお仕置きが必要だろ。今のがそのお仕置きだと思え。」
シャムナーラ「うううっ...うえええぇぇぇん！！」(また泣き始める)
シュラ「ったく...耳障りだ。行くぞ。」
メイド「はい。」
SE 馬車の進む音
メイド1「シュラ様、先程の子供は一体...。」
シュラ「放っておけ。スラムのやつだ。まあ過去に何人か雇ってみたことがあるが、結局は邪魔になるだけだった。フッ、一体奴らの何がいいのやら...。」
メイド1「...お察しします。」
SE 馬車が止まる 馬の鳴き声
メイド1「到着しました。濡れますので傘を...。」
シュラ「わかってる。子供じゃあるまい。行くぞ。」
メイド1「はい。」
SE 雨音 二つの足音
【場所】 屋敷 中 玄関
SE 扉の開閉音
メイド2「おかえりなさいませ、シュラ様。」
リオ「おかえりー。結構早かったじゃん。」
シュラ「雨が降ってきたからな...強いな。」
リオ「ホントー。しばらく続くんじゃない？」
シュラ「そうか。じゃあ外にある洗濯を戻してくれ。」
メイド2「それに関しましては先程済ませました。」
シュラ「そうか、ご苦労だったな。下がれ。着替えは自分で出来る。｣
メイド1･メイド2「はっ」
SE 二つの靴音
リオ「でさ兄さん、俺実は可愛い子を連れてきたんだー♪」
シュラ「...今度は一体どんな女を連れてきたんだ。」
リオ「幼い子なんだけど、金髪で青い目で、服がボロボロの女の子。可哀想だから入れてあげた。」
シュラ「なっ！！？」
シュラ「(金髪で青い目...ボロボロの服...。)」
シュラ「リオ、お前外出してたのか？」
リオ「ちょっとね。でも兄さんより早く帰ってきた時に、一緒についてきたんだ。寒そうだし、俺も寒いし、とりあえず入れてあげた。」
シュラ「(なんてことだ...まさか...。)」
シュラ「...どこにいる。」
リオ「兄さんの部屋。暖炉前で暖かくしてるよ。」
シュラ「なんで俺の部屋なんだ！！」
リオ「だ、だって兄さんの部屋の暖炉の方が一番あったかいし！俺の部屋片付いてないし！」
シュラ「っ！！」
SE 走る靴音 扉の開閉音
シャムナーラ「あっ...。」
シュラ「なっ...お前...あの時の。」
リオ「あれ？兄さん知ってる子なの？」
シュラ「この餓鬼をどうするつもりなんだ！？」
リオ「痛い痛い痛い！！や、雇うつもりだよ！！」
シュラ「雇うだと！？」
シャムナーラ「っ...ぁ....ぅ...。」
リオ「あ、どうしたの？なんか欲しいの？」
シュラ「リオ！」
シャムナーラ「.....。」
リオ「言葉が話せないのかな？」
シャムナーラ「...。」頷く
リオ「そっかー...。よし！じゃあお兄さんと一緒に勉強しようか！」
シャムナーラ「べ...ん...きょー？」
リオ「そう、勉強！」
シュラ「...チッ、勝手にしろ。」
【場所】 書斎
リオ「これは赤。あーか。」
シャムナーラ「あ...か。」
リオ「よしよしよし！次はこれ。あーお。」
シャムナーラ「あ...お。」
リオ「よーし！偉いぞー！」頭ワシワシ
シャムナーラ「ぁ...ぇ...ぇへへ...。」
シュラ「(アイツは普段勉強などしないくせに...スラムの人間相手に媚びてやがる。)」
リオ「あ、そういえば名前聞いてなかったね。あーでも言葉話せないし...。」
シャムナーラ「...シャム..ナーラ。」
リオ「へ？」
シュラ「...っ？」
シャムナーラ「...シャム..ナー...ラ。」
リオ「えっ...と、シャムナーラ？」
シャムナーラ「...。」頷く
シュラ「シャムナーラ...。」
シュラ「(聞いたことあるな...しかし思い出せない...。)」
リオ「(なーんか歴史の授業で聞いたような...。まいっか。)」
リオ「シャムナーラちゃんか、俺はリオ。こっちは兄のシュラ。シューラ。」
シャムナーラ「し....ら。」
リオ「惜しいなー！シューラ！」
シャムナーラ「シュ...ラ！」
リオ「よーし！よく出来ましたー！」
シュラ「っ、やめろ、恥ずかしい。」
リオ「いいじゃん別にー。もしかして兄さん名前呼ばれると興奮すんの？やらしーっ！！」
シュラ「ち、違う！そんなこと子供の前でいうな。」
リオ「あーそうだった。ごめんねーシャムナーラちゃん、シュラ兄さん怖い人なんだー。」
シュラ「違う！」
リオ「違くないじゃーん！怒鳴ってるしー。」
シャムナーラ「どなてでる...し？」
リオ「あっ...えっと...。」
シュラ「フンッ、勝手にしろ。」
SE 開閉音
リオ「ごめんねーシャムナーラちゃん。シュラ兄さん怖いねー(笑)」
シャムナーラ「ぁ...ぅ....ん....。」
【場所】廊下
SE 足音(走る)
シュラ「クソッ...クソッ...クソッ...！！」
シュラ「(なんで貧乏女を屋敷に入れるんだあのクソ弟は！しかも子供...っああ面倒くさい！！)」
メイド2「シュラ様...どうかされましたか？」
SE 足音止まる
シュラ「っ、ああ、何でもない。...いや、何でもある。」
メイド2「それは...どういうことでしょうか？」
シュラ「あの子供だが...どんな手を使ってもいいから追い出せ。」
メイド2「どんな手を使っても...ですか？」
シュラ「ああ、どんな手を使ってもだ。」
メイド2「...かしこまりました。」
SE 足音 遠ざかる
シュラ「...はあ、疲れた。」
【場所】 書斎
SE 扉の開閉音
メイド2「弟様、シュラ様が...あ、あれ、いない。」
【場所】 外 庭
リオ「おー、晴れたねー。じゃあ俺と庭を探検しようか！おーっ！」
シャムナーラ「...おー。」
SE 足音(二人 歩き)
リオ「これは、バーラ！」
シャムナーラ「ば、ら。」
リオ「よしよしよーし。あ、ちなみにこれは、何色でしょうか？」
シャムナーラ「ぁ...う....あか。」
リオ「おおー！よしよしよし！よく出来ましたー！じゃあじゃあ、このバラは何色？」
シャムナーラ「...しろ！」
リオ「せいかーい！大変よくできましたー！」
シャムナーラ「あ...えへへへ....。」
リオ「よーし、次はこっち行こ！」
シャムナーラ「うん！」
SE 足音(走る) 遠ざかる
メイド1「弟様！弟様ー！！お兄様がその子を手放しなさいと仰ってましたよー！」
リオ「うおっ、兄さんこの子を追い出すつもりだな...。よし、あっちに逃げるぞ！！」
シャムナーラ「う、うん！」
メイド1「お、お待ちください！！弟様！！...あー、給料減らされるー！ま、待ってくださーい！！」
SE 足音(走る)
【場所】 寝室(リオの部屋)
メイド2「弟様！隠れていないで出てきてください！シュラ様がお怒りです！」
リオ「(今俺とシャムナーラちゃんは...狭いようで広い...いや広いようで狭いベッドの下にいまーす...。)」
リオ「...シャムナーラちゃん...しーっ、だよ...。(小声)」
シャムナーラ「...しーっ...。」
メイド2「くぅぅっ...！こうなったら片っ端から探すしか！あっ...そういえば弟様は確か官能小説を隠していたと私だけに教えていた気が...何処に隠しているんだ...？」
リオ「えっ...！？お、俺教えたっけ...。」
シャムナーラ「か...のー？」
リオ「あーシャムちゃんしーっ！！(小声)」
シャムナーラ「しーっ...。」
メイド2「あったぁぁぁぁ！！！」
リオ「ええぇっ！！？」
メイド2「弟様！これをシュラ様にずっと隠していたのならば、シュラ様に見せびらかしますよ！！」
リオ「ちょちょちょ！！そ、それ何巻！？3巻なの！？まままっ！」
SE ドンッ！！(ぶつける音)
リオ「いっでぇぇぇ！」
メイド2「あっ、見つけましたよー！弟様！そこにいたんですねー！？」
リオ「うっ...す、すみませんでした...。」
シャムナーラ「...？」
シュラ(あれから数時間、俺はリオに説教をし続けた。しかしリオは言うことを聞いてくれず、シャムナーラは涙目になりかけていた。
仕方なく俺はしばらくこの女の子...シャムナーラを預けることになった。)
【場所】 食卓
リオ「ナイフの持ち方は...こういう風に...そうそうそう。」
シャムナーラ「...ぁ....。」
リオ「そしてフォークは...よーしよしよし。よく出来ましたー！」
シャムナーラ「えへへ....。」
シュラ「...フン。」
メイド1「うぅ...給料減らされるぅ...。」
メイド2「はあ...ホント弟様は勝手すぎ...両親が子育てに苦戦したことがよくわかる...。」
シュラ「まあ...仕方がない。勝手にさせろ。」
シュラ「(しかし..."シャムナーラ"か。やはり何処かで聴いたような...歴史の授業...教科書...そこにあったような...。
あのシャムナーラという子供、普通ではないな...警戒すべきだな...。)」
つづく
リオ＝ハイレント(男 貴族 21歳)
シャムナーラ(女 スラム生まれ 8歳)
メイド1(女 18歳)
メイド2(女 19歳)
【場所】朝 雨 街の路地裏
SE 雨音
シュラ「...雨が降ってきたな。屋敷に戻るか。」
メイド1「はい、今すぐ馬車の手配をしてきます。シュラ様はあちらの花屋で雨宿りしていてください。」
シュラ「ああ、わかった。頼む。」
シュラ「(リオは大人しく留守番をしているだろうか。まあ勝手に屋敷を出ていたらたっぷり過激なお仕置きをしてやろう。)」
SE 扉の開閉音
室内のため少し雨音が小さくなる
【場所】 とある店の中 明るい
シュラ「(...それにしても雨強くなってきたな。無事手配できたのか？)」
シャムナーラ「...ぅぅっ....。」(苦しそうに)
シュラ「っ？誰だ。」
シャムナーラ「...あ....う....。」
シュラ「(何だこの子供は...。スラムは遥か遠くにあるはず...しかしなぜこの子供がここにいるんだ。この街はスラムの人間を入れないはずなのだが...。)」
シャムナーラ「ぅ....ぁぁ....。」(助けを求めてる)
シュラ「成程、スラムの人間というのは言葉を話さないのか。学習不足だな。まあ勉強するための金などないだろうな。俺に一体何をしろというんだ？言ってみろ。」
シャムナーラ「...ぁ....ぅ.....。」
シュラ「はぁ...なんだ、言葉を知らないのか？まともに言葉を話せないなら俺に構うな。汚い、近寄るな。」
シャムナーラ「ぅぅぅ...っ」泣きそうになる
シュラ「っ、泣くな。ここで泣かれては困る。まるで俺が悪者みたいじゃないか。」
シャムナーラ「ーっ...うっ...うぇぇ...。」(泣く)
シュラ「お、おい、いい加減にしろ。悪かった。俺が悪かった。だから泣くな。」
シャムナーラ「ううっ...ひっく....ううっ...。」
泣くのをやめようとするが止まらない
シュラ「(面倒な餓鬼に会ってしまったな。これだからスラムの人間というのは。)」
SE 扉が開く音･靴音
メイド1「シュラ様、馬車の手配を完了しました。御準備を。」
シュラ「ご苦労。今向か...っ。｣
シャムナーラ、シュラの手を引っ張る。
シュラ「いい加減その汚い手を離せ！」
SE 突き飛ばす音＆倒れる音
シャムナーラ「うあっ！」(突き飛ばされる)
シュラ「言うことを聞かない餓鬼にはお仕置きが必要だろ。今のがそのお仕置きだと思え。」
シャムナーラ「うううっ...うえええぇぇぇん！！」(また泣き始める)
シュラ「ったく...耳障りだ。行くぞ。」
メイド「はい。」
SE 馬車の進む音
メイド1「シュラ様、先程の子供は一体...。」
シュラ「放っておけ。スラムのやつだ。まあ過去に何人か雇ってみたことがあるが、結局は邪魔になるだけだった。フッ、一体奴らの何がいいのやら...。」
メイド1「...お察しします。」
SE 馬車が止まる 馬の鳴き声
メイド1「到着しました。濡れますので傘を...。」
シュラ「わかってる。子供じゃあるまい。行くぞ。」
メイド1「はい。」
SE 雨音 二つの足音
【場所】 屋敷 中 玄関
SE 扉の開閉音
メイド2「おかえりなさいませ、シュラ様。」
リオ「おかえりー。結構早かったじゃん。」
シュラ「雨が降ってきたからな...強いな。」
リオ「ホントー。しばらく続くんじゃない？」
シュラ「そうか。じゃあ外にある洗濯を戻してくれ。」
メイド2「それに関しましては先程済ませました。」
シュラ「そうか、ご苦労だったな。下がれ。着替えは自分で出来る。｣
メイド1･メイド2「はっ」
SE 二つの靴音
リオ「でさ兄さん、俺実は可愛い子を連れてきたんだー♪」
シュラ「...今度は一体どんな女を連れてきたんだ。」
リオ「幼い子なんだけど、金髪で青い目で、服がボロボロの女の子。可哀想だから入れてあげた。」
シュラ「なっ！！？」
シュラ「(金髪で青い目...ボロボロの服...。)」
シュラ「リオ、お前外出してたのか？」
リオ「ちょっとね。でも兄さんより早く帰ってきた時に、一緒についてきたんだ。寒そうだし、俺も寒いし、とりあえず入れてあげた。」
シュラ「(なんてことだ...まさか...。)」
シュラ「...どこにいる。」
リオ「兄さんの部屋。暖炉前で暖かくしてるよ。」
シュラ「なんで俺の部屋なんだ！！」
リオ「だ、だって兄さんの部屋の暖炉の方が一番あったかいし！俺の部屋片付いてないし！」
シュラ「っ！！」
SE 走る靴音 扉の開閉音
シャムナーラ「あっ...。」
シュラ「なっ...お前...あの時の。」
リオ「あれ？兄さん知ってる子なの？」
シュラ「この餓鬼をどうするつもりなんだ！？」
リオ「痛い痛い痛い！！や、雇うつもりだよ！！」
シュラ「雇うだと！？」
シャムナーラ「っ...ぁ....ぅ...。」
リオ「あ、どうしたの？なんか欲しいの？」
シュラ「リオ！」
シャムナーラ「.....。」
リオ「言葉が話せないのかな？」
シャムナーラ「...。」頷く
リオ「そっかー...。よし！じゃあお兄さんと一緒に勉強しようか！」
シャムナーラ「べ...ん...きょー？」
リオ「そう、勉強！」
シュラ「...チッ、勝手にしろ。」
【場所】 書斎
リオ「これは赤。あーか。」
シャムナーラ「あ...か。」
リオ「よしよしよし！次はこれ。あーお。」
シャムナーラ「あ...お。」
リオ「よーし！偉いぞー！」頭ワシワシ
シャムナーラ「ぁ...ぇ...ぇへへ...。」
シュラ「(アイツは普段勉強などしないくせに...スラムの人間相手に媚びてやがる。)」
リオ「あ、そういえば名前聞いてなかったね。あーでも言葉話せないし...。」
シャムナーラ「...シャム..ナーラ。」
リオ「へ？」
シュラ「...っ？」
シャムナーラ「...シャム..ナー...ラ。」
リオ「えっ...と、シャムナーラ？」
シャムナーラ「...。」頷く
シュラ「シャムナーラ...。」
シュラ「(聞いたことあるな...しかし思い出せない...。)」
リオ「(なーんか歴史の授業で聞いたような...。まいっか。)」
リオ「シャムナーラちゃんか、俺はリオ。こっちは兄のシュラ。シューラ。」
シャムナーラ「し....ら。」
リオ「惜しいなー！シューラ！」
シャムナーラ「シュ...ラ！」
リオ「よーし！よく出来ましたー！」
シュラ「っ、やめろ、恥ずかしい。」
リオ「いいじゃん別にー。もしかして兄さん名前呼ばれると興奮すんの？やらしーっ！！」
シュラ「ち、違う！そんなこと子供の前でいうな。」
リオ「あーそうだった。ごめんねーシャムナーラちゃん、シュラ兄さん怖い人なんだー。」
シュラ「違う！」
リオ「違くないじゃーん！怒鳴ってるしー。」
シャムナーラ「どなてでる...し？」
リオ「あっ...えっと...。」
シュラ「フンッ、勝手にしろ。」
SE 開閉音
リオ「ごめんねーシャムナーラちゃん。シュラ兄さん怖いねー(笑)」
シャムナーラ「ぁ...ぅ....ん....。」
【場所】廊下
SE 足音(走る)
シュラ「クソッ...クソッ...クソッ...！！」
シュラ「(なんで貧乏女を屋敷に入れるんだあのクソ弟は！しかも子供...っああ面倒くさい！！)」
メイド2「シュラ様...どうかされましたか？」
SE 足音止まる
シュラ「っ、ああ、何でもない。...いや、何でもある。」
メイド2「それは...どういうことでしょうか？」
シュラ「あの子供だが...どんな手を使ってもいいから追い出せ。」
メイド2「どんな手を使っても...ですか？」
シュラ「ああ、どんな手を使ってもだ。」
メイド2「...かしこまりました。」
SE 足音 遠ざかる
シュラ「...はあ、疲れた。」
【場所】 書斎
SE 扉の開閉音
メイド2「弟様、シュラ様が...あ、あれ、いない。」
【場所】 外 庭
リオ「おー、晴れたねー。じゃあ俺と庭を探検しようか！おーっ！」
シャムナーラ「...おー。」
SE 足音(二人 歩き)
リオ「これは、バーラ！」
シャムナーラ「ば、ら。」
リオ「よしよしよーし。あ、ちなみにこれは、何色でしょうか？」
シャムナーラ「ぁ...う....あか。」
リオ「おおー！よしよしよし！よく出来ましたー！じゃあじゃあ、このバラは何色？」
シャムナーラ「...しろ！」
リオ「せいかーい！大変よくできましたー！」
シャムナーラ「あ...えへへへ....。」
リオ「よーし、次はこっち行こ！」
シャムナーラ「うん！」
SE 足音(走る) 遠ざかる
メイド1「弟様！弟様ー！！お兄様がその子を手放しなさいと仰ってましたよー！」
リオ「うおっ、兄さんこの子を追い出すつもりだな...。よし、あっちに逃げるぞ！！」
シャムナーラ「う、うん！」
メイド1「お、お待ちください！！弟様！！...あー、給料減らされるー！ま、待ってくださーい！！」
SE 足音(走る)
【場所】 寝室(リオの部屋)
メイド2「弟様！隠れていないで出てきてください！シュラ様がお怒りです！」
リオ「(今俺とシャムナーラちゃんは...狭いようで広い...いや広いようで狭いベッドの下にいまーす...。)」
リオ「...シャムナーラちゃん...しーっ、だよ...。(小声)」
シャムナーラ「...しーっ...。」
メイド2「くぅぅっ...！こうなったら片っ端から探すしか！あっ...そういえば弟様は確か官能小説を隠していたと私だけに教えていた気が...何処に隠しているんだ...？」
リオ「えっ...！？お、俺教えたっけ...。」
シャムナーラ「か...のー？」
リオ「あーシャムちゃんしーっ！！(小声)」
シャムナーラ「しーっ...。」
メイド2「あったぁぁぁぁ！！！」
リオ「ええぇっ！！？」
メイド2「弟様！これをシュラ様にずっと隠していたのならば、シュラ様に見せびらかしますよ！！」
リオ「ちょちょちょ！！そ、それ何巻！？3巻なの！？まままっ！」
SE ドンッ！！(ぶつける音)
リオ「いっでぇぇぇ！」
メイド2「あっ、見つけましたよー！弟様！そこにいたんですねー！？」
リオ「うっ...す、すみませんでした...。」
シャムナーラ「...？」
シュラ(あれから数時間、俺はリオに説教をし続けた。しかしリオは言うことを聞いてくれず、シャムナーラは涙目になりかけていた。
仕方なく俺はしばらくこの女の子...シャムナーラを預けることになった。)
【場所】 食卓
リオ「ナイフの持ち方は...こういう風に...そうそうそう。」
シャムナーラ「...ぁ....。」
リオ「そしてフォークは...よーしよしよし。よく出来ましたー！」
シャムナーラ「えへへ....。」
シュラ「...フン。」
メイド1「うぅ...給料減らされるぅ...。」
メイド2「はあ...ホント弟様は勝手すぎ...両親が子育てに苦戦したことがよくわかる...。」
シュラ「まあ...仕方がない。勝手にさせろ。」
シュラ「(しかし..."シャムナーラ"か。やはり何処かで聴いたような...歴史の授業...教科書...そこにあったような...。
あのシャムナーラという子供、普通ではないな...警戒すべきだな...。)」
つづく
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作者名：神楽小夜 | 作成日時：2018年4月8日 16時
