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どうも、あぅです。
お久しぶりです。最近リアルが忙しく、なかなか投稿できておらず申し訳ございません。
お詫びにすらならないとは思いますが、昨日とっさに思いついて衝動書きをした、楽屋招待でうらたさんとお話をするショートストーリーを投稿します。
何故か昨日の夜、突然誰かに甘やかされたくなったのです。
四人の中で、どろどろに甘やかしてくれるのはうらたさんかなと。
衝動書きのため粗があると思います。ご了承ください。
約10000字。
⚠注意。
1、あぅさんは楽屋招待に当たったことが無いため、完全に捏造です。お触り厳禁かもしれないのであくまで空想の中ということで。
2、うらたさんと夢主さんの距離がカレカノか！？と思うほど近いかもしれません。でも付き合ってないしオキニでもないしただの歌い手とリスナーという現実的な関係性です。どろあまが書きたかったので距離感バグってます。
3、夢主さんのお名前の表記は(名前)としておりますが、小説ではなくホムペなのでおそらく名前変換がされないのでは…と。ご了承ください。
【訂正】名前変換が行われていました、すみません🙇♀
4、ホムペでも小説同様nmmnです。検索エンジン避け済。
どうも、あぅです。お久しぶりです。最近リアルが忙しく、なかなか投稿できておらず申し訳ございません。
お詫びにすらならないとは思いますが、昨日とっさに思いついて衝動書きをした、楽屋招待でうらたさんとお話をするショートストーリーを投稿します。
何故か昨日の夜、突然誰かに甘やかされたくなったのです。
四人の中で、どろどろに甘やかしてくれるのはうらたさんかなと。
衝動書きのため粗があると思います。ご了承ください。
約10000字。
⚠注意。
1、あぅさんは楽屋招待に当たったことが無いため、完全に捏造です。お触り厳禁かもしれないのであくまで空想の中ということで。
2、うらたさんと夢主さんの距離がカレカノか！？と思うほど近いかもしれません。でも付き合ってないしオキニでもないしただの歌い手とリスナーという現実的な関係性です。どろあまが書きたかったので距離感バグってます。
3、夢主さんのお名前の表記は(名前)としておりますが、小説ではなくホムペなのでおそらく名前変換がされないのでは…と。ご了承ください。
【訂正】名前変換が行われていました、すみません🙇♀
4、ホムペでも小説同様nmmnです。検索エンジン避け済。
【urt】楽屋招待
○
○
○
【軽い設定】
YOU…浦島坂田船箱推しの女の子(年齢不詳)。純粋。
○
○
○
『わ、あ、やばい。どうしよう…』
“【大当たり】楽屋招待”と書かれた缶バッチを握りしめながら、ドアの前でソワソワしてしまう。
スタッフさんに会場内に通されてから、ずっとこの調子だ。
目の前には事務的な白いドア。
そのとなりには“浦島坂田船様”と書かれた札。
周りには、同じく楽招待に当選した4人のcrewさんが喜々とした表情でドアが開くのを今か今かと待っていた。
(みんな…可愛いな…)
自分ができる最限のお洒落をしたつもりではあるが、周りの子が可愛すぎてどんどん自信が喪失していく。
(うぅ…楽しみだけどなんだかちょっと怖いな…)
色々な意味でドキドキしながら一人唸っていると、ゆっくりと扉が開く。
扉の向こうでは、4人がニコリと笑いながら立っていた。
『ふぁ…本物…』
思わずそう呟いてしまう。
入室しなければならないとは思うものの、足が動かない。
(これ以上近づけるの…？)
はっとあたりを見渡すと、皆さんはすでにそれぞれ推しメンに話しかけていた。
(凄い行動力…！)
恐る恐る足を踏み入れる。
楽屋を見渡すと、志麻さんが一人と、坂田さんが二人と、センラさんが一人と話していた。
その時、パチリとうらたさんと目が合う。
(あ、もしかして今回、こたぬきさんがいない…？)
たしかに先程、緑を身に纏っているcrewさんはいなかった気がする。
そんなことを思い出しながらそのままぼーっとうらたさんを見つめていると、カレがニコリと笑って手招きをする。
その仕草につられ、私はうらたさんの前に立った。
(すごい綺麗なお顔…)
思わずじーっと見ていると、うらたさんがぱちぱちと瞬きをした。
「こんばんは？」
『へっ、あっ、こんにち…じゃない、こんばんは…！』
突然声をかけられてびっくりしてしまう。
信じられないほどおかしな挨拶を返してしまった。
(そ、そうだよね…楽屋招待って話せるんだもんね…)
改めてそう実感して、顔が青くなりそうになる。
この美貌に当てられて、このイケボを浴びて、私は倒れずに済むだろうか。
(いやいや…！せっかく当たったんだから楽しまなきゃ！うらたさんにも迷惑をかけてしまうし…！)
「はじめまして。うらたぬきです。お名前を聞いても？」
『あ、はい…！YOUと申します…！』
「YOUちゃん、素敵な名前だね。よし、覚えた」
(推しに名前呼ばれた…！)
思わず感涙に咽びそうになり、慌てて口を覆う。
視界が歪みそうになり、必死に上を向いて涙が溢れないようにする。
「YOUちゃん？大丈夫？」
『ひゃ、はい…あの、心臓に、悪いなと思いましてですね…』
そういうと、目の前のうらたさんは喉を鳴らしてくつくつと笑った。
『へ…、あの？』
「ううん、YOUちゃん面白いなって思って」
そういってうらたさんはまたくくっと笑う。
うらたさんの笑い声につられてこちらを見た志麻さんとぱちっと目があった。
『う、うらたさん…！なんか恥ずかしいので笑うのやめてください…！』
あわあわとしながらそうお願いすると、はいはい、と言いながらやめてくれた。
「そういえば、YOUちゃんは誰推しなの？」
うらたさんが私の服装を見ながらそう質問した。
私の今の服装はノーマルで、可愛らしいながらも動きやすい服装である。
特別推し色をアピールしているわけでもないので、疑問に思われたのだろう。
『えっと…不快な思いをさせてしまったら申し訳ないんですけど、私、実は箱推しなんです…』
少しの勇気を振り絞りながらそういう。
私の中では、推しにもリスナーさんにも箱推しはあまり好かれているイメージがない。
移り気がある、と言われてしまえば何も言えないけれど、4人共素敵すぎて一人が選べないのだから仕方がない。
眉を下げながらそう言うと、うらたさんはキョトンとしたような表情を浮かべた。
「どうして謝るの？」
『え？だって、箱推しってあまり好かれている印象がないので…。浮気性とか、思われてしまうかもと…』
そう言うと、まるで意味がわからないとでもいうように告げた。
「箱推しって悪いことじゃないよ？だって俺ら、全員かっこいいし。選べなくても仕方ないよな？」
くくっと笑ううらたさんに、思わず私も笑ってしまう。
『自分で言ってしまうんですね。でも、本当にそうなんです。皆さんかっこよすぎて一人になんか絞れません…！』
「それに＿＿＿＿＿＿」
うらたさんが顔を近づけて、こそっと耳打ちをする。
「単推しの子と違って、いつでも俺の子に出来ちゃうからね」
『＿＿＿＿＿………！？！？！？』
思わぬ発言に口をはくはくと動かすことしか出来ない。
(え、わ、待って、え…！？)
目を白黒させる私に、うらたさんは追い打ちをかけるようにそういった。
「ね、俺の子にならない？絶対満足させてあげるよ」
ニコッと最大級の満面の笑みを向けられる。
『ふぁ…ぁ…、ごめんなさい…可愛いです…』
思わず倒れそうになるところを、慌てて踏ん張った。
『ひぅ…。うらたさんは自分の顔で人を殺せることをわかってないです…。はっ、し、心臓が止まりそうでした…』
「ふふ、ごめんごめん。意地悪しすぎたかな？」
『うぅ…もうそろそろヤバいです…倒れます…』
頬に手を当て、集まった熱を冷まそうとする。
「YOUちゃん、慣れてない感じ出過ぎ。可愛いなぁ」
『な…！？かわ！？』
ぶわっと顔が赤くなるのが掌越しにわかる。
頬の熱を冷ますどころか、余計に熱くなった気がする。
『そういうこと、簡単に言えちゃうからずるいです…』
ふぅ、とうるさい心臓を落ち着かせるように息を吐く。
「んふふ、本当に思ってるよ？」
追撃に気を失いそうになりながらも、なんとか持ちこたえる。
楽屋招待で失神しました、なんて彼らにもスタッフさんにも迷惑をかけてしまう。
「そうだ。今日のライブはどうだった？」
『もう、とってもとっても最高でした…！』
数十分前の夢のような時間を思い出し、思わず頬が蕩ける。
そんな私を見て、うらたさんはくすっと笑いながらも、“楽しんでもらえてよかった”と言った。
『今回、座席があまり良くなくて、落ち込んでしまっていたりしたんですけど…。一度ライブが始まってしまえば、そんなことを思わせないくらい引き込まれて。座席なんて関係ないって思えるくらい楽しませてもらいました！』
「ペンラは何色振ってたの？」
『…？それぞれ4色で4本持ってました』
そう言うと、目の前のうらたさんは頬をぷくっと膨らませながら「ふぅん…」と呟いた。
じとーっとした視線が注がれて、なんだか居心地が悪くなる。
すると突然、左手を掴まれて手を握られた。
『＿＿＿＿＿＿………！？！？！？』
本日二度目の声にならない悲鳴を上げる。
推しに触れられていっぱいいっぱいな私をよそに、うらたさんはさらに甘い声でこう言った。
「じゃ、次のライブは緑ね」
細いけれどゴツゴツした男らしい指で小指を絡め取られる。
触れられた部分が熱い。
『は、はい……』
思わず肯定の意を述べた私を見て、うらたさんは満足そうに笑った。
その時、楽屋の扉がコンコンっと2回ノックされた後、ゆっくりと開く。
「そろそろ終了です」
スタッフさんの言葉にこくりと喉を鳴らす。
(もう終わっちゃうのか…寂しいな…)
思わず目を伏せ俯いてしまった私を見て気を利かせてくれたのか、うらたさんが声をかけてくれる。
「なにか、紙とか持ってる？良かったらサイン、書いてあげるよ」
『あ…』
一瞬高揚した気持ちは、瞬く間に下がっていく。
『何も持ってきてません…。ペンすら持ってきてないです…。まさか当たると思っていなかったので』
とても落ち込むが、迷惑をかけまいと、慌てて乾いた笑顔で取り繕う。
『で、でも！うらたさんと話せただけでとても幸せでした。今日はありがとうございました…！』
頭を下げて、目線を上げると、うらたさんはすっと目を細め、無言で私の前から去って何処かへ行ってしまう。
『…？』
疑問に浮かべながらも待っていると、近くのテーブルからマッキーを持ってきてくれたうらたさんは手を差し出した。
「当たりの缶バッチ、持ってる？YOUちゃんが良ければそこに書くよ」
はっと思い出して、慌てて鞄の中をあさると、缶バッチを見つける。
『お願いします…！』
「ん」
ふわりと微笑んで、慣れたように缶バッチにペンの先を走らせる。
あっという間に可愛らしく“うらたぬき”と書かれたサインが出来上がる。
『す、凄い…！』
「どうぞ〜」
『あ、ありがとうございます…！家宝にします！』
「家宝って」
再び喉を鳴らして笑いだしたうらたさんに構わず、ぎゅっと缶バッチを握りしめる。
(それにしても、うらたさんは本当に凄いな…。とっさに神対応が出来てしまうなんて…)
胸にじぃんと広がる暖かさが心地よくて、しばらく目を閉じていると、再びぎぃっと扉が開く音がした。
「終了です」
はっとする。終わってしまう。
思わず周りを見渡すと、志麻リスさんと坂田家さんがそれぞれ志麻さんと坂田さんに頭を撫でられていた。センラーさんはセンラさんと握手をしていた。
少し羨ましいな、とは思うものの、流石に願い過ぎだと思いニコっと笑う。
『今日はありがとうございました。色々不安なところもありましたが、うらたさんのおかげで素敵な時間を過ごせました』
「こちらこそ、来てくれてありがとう。また待ってるね」
爽やかな笑みでそう告げるうらたさん。
退出しようと思った時、突然手首を掴まれる。
『えっ』
次の瞬間、ぎゅっと誰かに抱きしめられる。
もちろん、そこまで強い抱擁ではなく、そっと触れるようなハグだ。
誰か…なんて一人しかいない。
『うらたさっ…！？』
遠くで他のcrewさんが息を呑む音が聞こえる。
そして志麻さんの「やっばぁ」と笑い声を含んだ声が聞こえた気がした。
心臓は張り裂けそうに脈打つ。
目の前が彼の服でいっぱいだ。
『ぁ…ぅ…』
声すらろくに出せない状況で、うらたさんは私の右耳に向かって囁いた。
「さっき、他の三人見て羨ましいなって思ったでしょ」
『へ、ぁ…ば、バレました…？』
「YOUは顔に出過ぎ。そんなところも可愛いけどね」
突然の名前呼びと、可愛いという言葉に再び心臓がうるさく跳ねる。
『う、うらたさん…』
「なぁに」
配信では絶対聞けないような恋人を甘やかすような優しい声色に、勘違いしてしまいそうになる。
『は、恥ずかしくて死んでしまいそうです…っ』
耐えきれなくて、視界が潤んできた。
恥ずかしさで泣くなんて、子供みたいと呆れられてしまうだろうか。
「かーわいい」
そっと包まれていたぬくもりが無くなる。
それがなんだか少し寂しい。
「今日はありがとう。YOUと話せて楽しかった。＿＿＿＿またね」
その言葉にこくっと息を呑む。
『＿＿＿＿はい、また…！』
そうして私は、溢れかけた涙を人差し指で軽く拭って楽屋をあとにする。
(まだ、当日販売やってるかな…？)
その後、私の部屋にはその日に買ったうらたさんのアクスタが、ひっそりと飾ってあるのだった。
○
○
○
「今の子めっちゃ可愛くない！？」
楽屋招待が終わった直後、即座にまーしーに声をかけられる。
「それな！？」
「てかうらたん、ハグってサービスし過ぎちゃう？俺もセンラーにチラって見られたんやけど」
「あの子ってこたぬきなん？」
「服装的には誰推しでもおかしくはないと思うんやけど」
三人からの質問攻撃にげんなりしながらも無視をする。
「なーぁー！うらさん！あの子箱推しなん？」
(……うるさい)
答えるまで逃さないと行ったように坂田が近づいてくる。
そんな坂田に、俺は勝ち誇ったような笑みを浮かべてこう答えた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿「残念だけど、俺の子だよ」
○
○
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【軽い設定】
YOU…浦島坂田船箱推しの女の子(年齢不詳)。純粋。
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『わ、あ、やばい。どうしよう…』
“【大当たり】楽屋招待”と書かれた缶バッチを握りしめながら、ドアの前でソワソワしてしまう。
スタッフさんに会場内に通されてから、ずっとこの調子だ。
目の前には事務的な白いドア。
そのとなりには“浦島坂田船様”と書かれた札。
周りには、同じく楽招待に当選した4人のcrewさんが喜々とした表情でドアが開くのを今か今かと待っていた。
(みんな…可愛いな…)
自分ができる最限のお洒落をしたつもりではあるが、周りの子が可愛すぎてどんどん自信が喪失していく。
(うぅ…楽しみだけどなんだかちょっと怖いな…)
色々な意味でドキドキしながら一人唸っていると、ゆっくりと扉が開く。
扉の向こうでは、4人がニコリと笑いながら立っていた。
『ふぁ…本物…』
思わずそう呟いてしまう。
入室しなければならないとは思うものの、足が動かない。
(これ以上近づけるの…？)
はっとあたりを見渡すと、皆さんはすでにそれぞれ推しメンに話しかけていた。
(凄い行動力…！)
恐る恐る足を踏み入れる。
楽屋を見渡すと、志麻さんが一人と、坂田さんが二人と、センラさんが一人と話していた。
その時、パチリとうらたさんと目が合う。
(あ、もしかして今回、こたぬきさんがいない…？)
たしかに先程、緑を身に纏っているcrewさんはいなかった気がする。
そんなことを思い出しながらそのままぼーっとうらたさんを見つめていると、カレがニコリと笑って手招きをする。
その仕草につられ、私はうらたさんの前に立った。
(すごい綺麗なお顔…)
思わずじーっと見ていると、うらたさんがぱちぱちと瞬きをした。
「こんばんは？」
『へっ、あっ、こんにち…じゃない、こんばんは…！』
突然声をかけられてびっくりしてしまう。
信じられないほどおかしな挨拶を返してしまった。
(そ、そうだよね…楽屋招待って話せるんだもんね…)
改めてそう実感して、顔が青くなりそうになる。
この美貌に当てられて、このイケボを浴びて、私は倒れずに済むだろうか。
(いやいや…！せっかく当たったんだから楽しまなきゃ！うらたさんにも迷惑をかけてしまうし…！)
「はじめまして。うらたぬきです。お名前を聞いても？」
『あ、はい…！YOUと申します…！』
「YOUちゃん、素敵な名前だね。よし、覚えた」
(推しに名前呼ばれた…！)
思わず感涙に咽びそうになり、慌てて口を覆う。
視界が歪みそうになり、必死に上を向いて涙が溢れないようにする。
「YOUちゃん？大丈夫？」
『ひゃ、はい…あの、心臓に、悪いなと思いましてですね…』
そういうと、目の前のうらたさんは喉を鳴らしてくつくつと笑った。
『へ…、あの？』
「ううん、YOUちゃん面白いなって思って」
そういってうらたさんはまたくくっと笑う。
うらたさんの笑い声につられてこちらを見た志麻さんとぱちっと目があった。
『う、うらたさん…！なんか恥ずかしいので笑うのやめてください…！』
あわあわとしながらそうお願いすると、はいはい、と言いながらやめてくれた。
「そういえば、YOUちゃんは誰推しなの？」
うらたさんが私の服装を見ながらそう質問した。
私の今の服装はノーマルで、可愛らしいながらも動きやすい服装である。
特別推し色をアピールしているわけでもないので、疑問に思われたのだろう。
『えっと…不快な思いをさせてしまったら申し訳ないんですけど、私、実は箱推しなんです…』
少しの勇気を振り絞りながらそういう。
私の中では、推しにもリスナーさんにも箱推しはあまり好かれているイメージがない。
移り気がある、と言われてしまえば何も言えないけれど、4人共素敵すぎて一人が選べないのだから仕方がない。
眉を下げながらそう言うと、うらたさんはキョトンとしたような表情を浮かべた。
「どうして謝るの？」
『え？だって、箱推しってあまり好かれている印象がないので…。浮気性とか、思われてしまうかもと…』
そう言うと、まるで意味がわからないとでもいうように告げた。
「箱推しって悪いことじゃないよ？だって俺ら、全員かっこいいし。選べなくても仕方ないよな？」
くくっと笑ううらたさんに、思わず私も笑ってしまう。
『自分で言ってしまうんですね。でも、本当にそうなんです。皆さんかっこよすぎて一人になんか絞れません…！』
「それに＿＿＿＿＿＿」
うらたさんが顔を近づけて、こそっと耳打ちをする。
「単推しの子と違って、いつでも俺の子に出来ちゃうからね」
『＿＿＿＿＿………！？！？！？』
思わぬ発言に口をはくはくと動かすことしか出来ない。
(え、わ、待って、え…！？)
目を白黒させる私に、うらたさんは追い打ちをかけるようにそういった。
「ね、俺の子にならない？絶対満足させてあげるよ」
ニコッと最大級の満面の笑みを向けられる。
『ふぁ…ぁ…、ごめんなさい…可愛いです…』
思わず倒れそうになるところを、慌てて踏ん張った。
『ひぅ…。うらたさんは自分の顔で人を殺せることをわかってないです…。はっ、し、心臓が止まりそうでした…』
「ふふ、ごめんごめん。意地悪しすぎたかな？」
『うぅ…もうそろそろヤバいです…倒れます…』
頬に手を当て、集まった熱を冷まそうとする。
「YOUちゃん、慣れてない感じ出過ぎ。可愛いなぁ」
『な…！？かわ！？』
ぶわっと顔が赤くなるのが掌越しにわかる。
頬の熱を冷ますどころか、余計に熱くなった気がする。
『そういうこと、簡単に言えちゃうからずるいです…』
ふぅ、とうるさい心臓を落ち着かせるように息を吐く。
「んふふ、本当に思ってるよ？」
追撃に気を失いそうになりながらも、なんとか持ちこたえる。
楽屋招待で失神しました、なんて彼らにもスタッフさんにも迷惑をかけてしまう。
「そうだ。今日のライブはどうだった？」
『もう、とってもとっても最高でした…！』
数十分前の夢のような時間を思い出し、思わず頬が蕩ける。
そんな私を見て、うらたさんはくすっと笑いながらも、“楽しんでもらえてよかった”と言った。
『今回、座席があまり良くなくて、落ち込んでしまっていたりしたんですけど…。一度ライブが始まってしまえば、そんなことを思わせないくらい引き込まれて。座席なんて関係ないって思えるくらい楽しませてもらいました！』
「ペンラは何色振ってたの？」
『…？それぞれ4色で4本持ってました』
そう言うと、目の前のうらたさんは頬をぷくっと膨らませながら「ふぅん…」と呟いた。
じとーっとした視線が注がれて、なんだか居心地が悪くなる。
すると突然、左手を掴まれて手を握られた。
『＿＿＿＿＿＿………！？！？！？』
本日二度目の声にならない悲鳴を上げる。
推しに触れられていっぱいいっぱいな私をよそに、うらたさんはさらに甘い声でこう言った。
「じゃ、次のライブは緑ね」
細いけれどゴツゴツした男らしい指で小指を絡め取られる。
触れられた部分が熱い。
『は、はい……』
思わず肯定の意を述べた私を見て、うらたさんは満足そうに笑った。
その時、楽屋の扉がコンコンっと2回ノックされた後、ゆっくりと開く。
「そろそろ終了です」
スタッフさんの言葉にこくりと喉を鳴らす。
(もう終わっちゃうのか…寂しいな…)
思わず目を伏せ俯いてしまった私を見て気を利かせてくれたのか、うらたさんが声をかけてくれる。
「なにか、紙とか持ってる？良かったらサイン、書いてあげるよ」
『あ…』
一瞬高揚した気持ちは、瞬く間に下がっていく。
『何も持ってきてません…。ペンすら持ってきてないです…。まさか当たると思っていなかったので』
とても落ち込むが、迷惑をかけまいと、慌てて乾いた笑顔で取り繕う。
『で、でも！うらたさんと話せただけでとても幸せでした。今日はありがとうございました…！』
頭を下げて、目線を上げると、うらたさんはすっと目を細め、無言で私の前から去って何処かへ行ってしまう。
『…？』
疑問に浮かべながらも待っていると、近くのテーブルからマッキーを持ってきてくれたうらたさんは手を差し出した。
「当たりの缶バッチ、持ってる？YOUちゃんが良ければそこに書くよ」
はっと思い出して、慌てて鞄の中をあさると、缶バッチを見つける。
『お願いします…！』
「ん」
ふわりと微笑んで、慣れたように缶バッチにペンの先を走らせる。
あっという間に可愛らしく“うらたぬき”と書かれたサインが出来上がる。
『す、凄い…！』
「どうぞ〜」
『あ、ありがとうございます…！家宝にします！』
「家宝って」
再び喉を鳴らして笑いだしたうらたさんに構わず、ぎゅっと缶バッチを握りしめる。
(それにしても、うらたさんは本当に凄いな…。とっさに神対応が出来てしまうなんて…)
胸にじぃんと広がる暖かさが心地よくて、しばらく目を閉じていると、再びぎぃっと扉が開く音がした。
「終了です」
はっとする。終わってしまう。
思わず周りを見渡すと、志麻リスさんと坂田家さんがそれぞれ志麻さんと坂田さんに頭を撫でられていた。センラーさんはセンラさんと握手をしていた。
少し羨ましいな、とは思うものの、流石に願い過ぎだと思いニコっと笑う。
『今日はありがとうございました。色々不安なところもありましたが、うらたさんのおかげで素敵な時間を過ごせました』
「こちらこそ、来てくれてありがとう。また待ってるね」
爽やかな笑みでそう告げるうらたさん。
退出しようと思った時、突然手首を掴まれる。
『えっ』
次の瞬間、ぎゅっと誰かに抱きしめられる。
もちろん、そこまで強い抱擁ではなく、そっと触れるようなハグだ。
誰か…なんて一人しかいない。
『うらたさっ…！？』
遠くで他のcrewさんが息を呑む音が聞こえる。
そして志麻さんの「やっばぁ」と笑い声を含んだ声が聞こえた気がした。
心臓は張り裂けそうに脈打つ。
目の前が彼の服でいっぱいだ。
『ぁ…ぅ…』
声すらろくに出せない状況で、うらたさんは私の右耳に向かって囁いた。
「さっき、他の三人見て羨ましいなって思ったでしょ」
『へ、ぁ…ば、バレました…？』
「YOUは顔に出過ぎ。そんなところも可愛いけどね」
突然の名前呼びと、可愛いという言葉に再び心臓がうるさく跳ねる。
『う、うらたさん…』
「なぁに」
配信では絶対聞けないような恋人を甘やかすような優しい声色に、勘違いしてしまいそうになる。
『は、恥ずかしくて死んでしまいそうです…っ』
耐えきれなくて、視界が潤んできた。
恥ずかしさで泣くなんて、子供みたいと呆れられてしまうだろうか。
「かーわいい」
そっと包まれていたぬくもりが無くなる。
それがなんだか少し寂しい。
「今日はありがとう。YOUと話せて楽しかった。＿＿＿＿またね」
その言葉にこくっと息を呑む。
『＿＿＿＿はい、また…！』
そうして私は、溢れかけた涙を人差し指で軽く拭って楽屋をあとにする。
(まだ、当日販売やってるかな…？)
その後、私の部屋にはその日に買ったうらたさんのアクスタが、ひっそりと飾ってあるのだった。
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「今の子めっちゃ可愛くない！？」
楽屋招待が終わった直後、即座にまーしーに声をかけられる。
「それな！？」
「てかうらたん、ハグってサービスし過ぎちゃう？俺もセンラーにチラって見られたんやけど」
「あの子ってこたぬきなん？」
「服装的には誰推しでもおかしくはないと思うんやけど」
三人からの質問攻撃にげんなりしながらも無視をする。
「なーぁー！うらさん！あの子箱推しなん？」
(……うるさい)
答えるまで逃さないと行ったように坂田が近づいてくる。
そんな坂田に、俺は勝ち誇ったような笑みを浮かべてこう答えた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿「残念だけど、俺の子だよ」
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あぅ(プロフ) - 月の光さん» 勿体ないお言葉ありがとうございます🙇♀他作品ともどもありがとうございます(*´ω｀*)書き方や設定、お褒めいただき光栄に存じます。楽しんでいただけて何よりです。今後とも宜しくお願い致します。 (2022年11月15日 19時) (
レス) id: 935db546a7 (このIDを非表示/違反報告)
あぅ(プロフ) - あるる。さん» 勿体ないお言葉ありがとうございます🙇♀こんな拙い文章でも“幸せ”を届けられたのなら作者冥利に尽きます、こちらこそ、素敵な作品溢れる中こちらの作品を読んでくださってありがとうございました。 (2022年11月15日 19時) (レス) id: 935db546a7 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - なんかこう、ぐわってなりました！！！自分待ち合わせときもオヂ見てるんですけど文の書き方とか物語の設定とか大好きです！！！推し変させちゃうの流石、、いやっ！！僕は絶対王政を守るんだっ！！！ (2022年11月5日 21時) (レス) id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
あるる。 - コメント失礼しますっ！えと、読んでる時すごい幸せでした！なんか、こう、とにかく幸せでした！こたぬきにとってはたまらない作品でした！素敵な作品ありがとうございました！(長文ですみませんっっ) (2022年11月5日 10時) (レス) id: 0d3043faf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぅ | 作成日時：2022年11月4日 17時
