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少女「ママ、ママっ!!!」
少女は必死に呼び掛ける。ここ数日、病気で母は体調が悪い。まだ幼い少女にとっては辛いことだ。
ママ「ごめんねぇ……早く元気になるから………待ってて…?」
少女「っ…………うん!」ニコッ
作り笑顔に過ぎない、いつもいつも笑顔でいる少女には限界がきていた。
少女は「また来るね!」病室を出ると、パタパタと廊下を走っていく。
父もまた、1年前になくなっている。まだ小さいし、あまり記憶にはない…けれど……………
なにか、温かさが残っている。
少女「ママ………パパ…………」
親戚の家につくと、いつもこの調子だ。自然と涙が溢れてきてしまう。
親戚の人「ご飯よ〜!!!」
少女「っ……はーーーい!!」
誰にも気づかれず、誰にも心配をかけず…
・
そんなある日、少女はある本を病院で見つけた。少女は気になり本を開く。
«アンパンマン»……………
少女「パン………???」
読み進めていくと、困っている人を愛と勇気だけで助けているアンパンマンという人(?)がいた。
少女「…………っ!」
«正義のヒーロー アンパンマン!!»
少女「正義の……ヒーロー………?」
少女はキラキラと目を輝かせて、すぐにお母さんのもとへ飛んでいった。
少女「ママ!!!」
ママ「どうしたの……?」
少女「ママの病気、なおるよ!!!」
・
少女「うーん……どうすればいいのかなぁ。アンパンマン、飛んできてくれるかな?」
アンパンマンは架空の中のヒーロー。少女にはまだそんなことがわからない。
飛んでくるものだと、思っている。
少女「この中だと…名前を呼べば来てくれるんだ!!!よ、よーし……」
少女は思いっきり息を吸う。そして、今までにないくらい大きな声で呼んだ。
少女「アンパンマーーン!!!!」
?「…どうしたの?大丈夫??」
目の前に現れた。あの、アンパンマンが……。少女は目を見開き、喜んだ。
………展開が早すぎる。((
ア「僕はアンパンマン!」
少女「アンパンマン…本当に。あのね、お願いがあるの……」
ア「どうしたの???」
少女「アンパンマンは…困ってる人を助けてくれるんだよね?」
ア「うん!!!」
少女は一瞬だけためらい、重たい口をゆっくりと開いた。
少女「なら、ママを助けて……」
アンパンマンは思った。こんな幼い子の口から、そんな重い言葉が出るなんて。
少女「ママはね………病気なの。」
ア「そっか……だけどね…………」
ア「それは、無理だよ…………」
アンパンマンはためらいがちに答える。そうだ、いくらアンパンマンでも人の命を救うのは無理な話なのだ。
_たとえ、小さい子の夢を壊しても。
少女「な、なんで?!」
ア「まだ小さい君にわかるかどうかはわからないけど……人の命は重いんだ。」
少女「知ってるよ……?でもっ…」
ア「だから、無理なんだっ!!誰かがいきるには誰かが犠牲に…」
少女「っ…………」
少女は目から溢れる涙を止めることはできなかった。悔しかった。
ア「ごめんね………」
少女は何かをうつむいて考えていた。そして顔をぐるんと上に向けると笑顔でアンパンマンに言う。
少女「…………じゃあさ、私を犠牲にしてママを残したい。」
………アンパンマンは泣いてしまった。生まれてはじめて泣いた。こんな小さい子に泣かされた。
__こんな小さいこの愛は、とてつもなく大きいことを知った。
ア「………わかったよ。」
少女「!!!!!!!」
ア「僕が、どうにかして君のお母さんを生き残らせてあげるよ。」
少女は何か違和感を感じた。何か…何かがひっかかってしまう……。
でも、それよりも嬉しさがかってしまい「ありがとう!!」という。
ア「じゃあ、僕はもとのところに帰るね。」
少女「うん、バイバイ!!!」
アンパンマンは一瞬、悲しそうな嬉しそうな顔をしていなくなった。
・
次の日、幼稚園にいくとみんながアンパンマンの話をしていた。
こんなにみんな話してるのに、なんで気づかなかったんだろうと少女は思った。
少女「昨日、どうだったの?」
みんなが悲しそうに話してたから、ついつい聞いてしまった。
「あ、うん…アンパンマンがね……」
少女「アンパンマンが………?」
「……死んじゃったの…………。」
そういってその子は泣き出した。なんかよくわからない気持ちになった。
アンパンマンが………死んだ?
先生「……………?」
少女「あ、先生……………」
先生「アンパンマンってなぁに?」
少女「っ!!!!!」
先生はアンパンマンを忘れていた。みんなもだんだん忘れていっている。
それどころか、«バイキンマン»というアニメのタイトルに変わっていた。
少女「アンパンマン…………」
先生「そうだ、お母さんを元気になったみたいだよ!よかったね!!!」
少女「お母さんが?!」
少女はアンパンマンが消えたことなど忘れ、ただ純粋によろこんだ。
・
ア「なぁ…バイキンマン………」
バ「ん?どうしたんだ??」
ア「これから、君が主役だ。」
バ「はぁ?何をいって………」
ア「僕はね、たとえみんなに忘れられても小さいこの夢を壊しちゃいけない。」
バ「…………。」
ア「だから、あとは頼んだ!お願いは2つある。1つ目は僕を消してくれないか?」
バ「っ……………!!」
バイキンマンの目には涙がたまっていく。
ア「そしてもう1つ…………」
__君だけでも僕のことを、忘れないで。
一番苦しくなるときはみんなに忘れられたときだろう。そんなの、知ってる。
だからこそ、君には覚えておいてほしいんだ。
・
少女「ねーねー、ママ!!」
少女は元気になったママと初めてお買い物をした。その帰り………
ママ「どうしたの?」
少女「パパって……どんな人だったの?」
あまり覚えていないパパ。
なぜか温かいと思うパパ。
また会いたいと思うパパ。
ママ「パパかぁ…。
パパはね、正義感があって、
困ってる人をすぐ助けてくれてねぇ…
とっても優しかったのよ。
仲のいい親友さんもいて、
その親友さんをとっても信頼してたなぁ。」
そういってお母さんはクスクスと思いだすかのように笑った。
__少女の目から、自然と涙が溢れた。
END
少女は必死に呼び掛ける。ここ数日、病気で母は体調が悪い。まだ幼い少女にとっては辛いことだ。
ママ「ごめんねぇ……早く元気になるから………待ってて…?」
少女「っ…………うん!」ニコッ
作り笑顔に過ぎない、いつもいつも笑顔でいる少女には限界がきていた。
少女は「また来るね!」病室を出ると、パタパタと廊下を走っていく。
父もまた、1年前になくなっている。まだ小さいし、あまり記憶にはない…けれど……………
なにか、温かさが残っている。
少女「ママ………パパ…………」
親戚の家につくと、いつもこの調子だ。自然と涙が溢れてきてしまう。
親戚の人「ご飯よ〜!!!」
少女「っ……はーーーい!!」
誰にも気づかれず、誰にも心配をかけず…
・
そんなある日、少女はある本を病院で見つけた。少女は気になり本を開く。
«アンパンマン»……………
少女「パン………???」
読み進めていくと、困っている人を愛と勇気だけで助けているアンパンマンという人(?)がいた。
少女「…………っ!」
«正義のヒーロー アンパンマン!!»
少女「正義の……ヒーロー………?」
少女はキラキラと目を輝かせて、すぐにお母さんのもとへ飛んでいった。
少女「ママ!!!」
ママ「どうしたの……?」
少女「ママの病気、なおるよ!!!」
・
少女「うーん……どうすればいいのかなぁ。アンパンマン、飛んできてくれるかな?」
アンパンマンは架空の中のヒーロー。少女にはまだそんなことがわからない。
飛んでくるものだと、思っている。
少女「この中だと…名前を呼べば来てくれるんだ!!!よ、よーし……」
少女は思いっきり息を吸う。そして、今までにないくらい大きな声で呼んだ。
少女「アンパンマーーン!!!!」
?「…どうしたの?大丈夫??」
目の前に現れた。あの、アンパンマンが……。少女は目を見開き、喜んだ。
………展開が早すぎる。((
ア「僕はアンパンマン!」
少女「アンパンマン…本当に。あのね、お願いがあるの……」
ア「どうしたの???」
少女「アンパンマンは…困ってる人を助けてくれるんだよね?」
ア「うん!!!」
少女は一瞬だけためらい、重たい口をゆっくりと開いた。
少女「なら、ママを助けて……」
アンパンマンは思った。こんな幼い子の口から、そんな重い言葉が出るなんて。
少女「ママはね………病気なの。」
ア「そっか……だけどね…………」
ア「それは、無理だよ…………」
アンパンマンはためらいがちに答える。そうだ、いくらアンパンマンでも人の命を救うのは無理な話なのだ。
_たとえ、小さい子の夢を壊しても。
少女「な、なんで?!」
ア「まだ小さい君にわかるかどうかはわからないけど……人の命は重いんだ。」
少女「知ってるよ……?でもっ…」
ア「だから、無理なんだっ!!誰かがいきるには誰かが犠牲に…」
少女「っ…………」
少女は目から溢れる涙を止めることはできなかった。悔しかった。
ア「ごめんね………」
少女は何かをうつむいて考えていた。そして顔をぐるんと上に向けると笑顔でアンパンマンに言う。
少女「…………じゃあさ、私を犠牲にしてママを残したい。」
………アンパンマンは泣いてしまった。生まれてはじめて泣いた。こんな小さい子に泣かされた。
__こんな小さいこの愛は、とてつもなく大きいことを知った。
ア「………わかったよ。」
少女「!!!!!!!」
ア「僕が、どうにかして君のお母さんを生き残らせてあげるよ。」
少女は何か違和感を感じた。何か…何かがひっかかってしまう……。
でも、それよりも嬉しさがかってしまい「ありがとう!!」という。
ア「じゃあ、僕はもとのところに帰るね。」
少女「うん、バイバイ!!!」
アンパンマンは一瞬、悲しそうな嬉しそうな顔をしていなくなった。
・
次の日、幼稚園にいくとみんながアンパンマンの話をしていた。
こんなにみんな話してるのに、なんで気づかなかったんだろうと少女は思った。
少女「昨日、どうだったの?」
みんなが悲しそうに話してたから、ついつい聞いてしまった。
「あ、うん…アンパンマンがね……」
少女「アンパンマンが………?」
「……死んじゃったの…………。」
そういってその子は泣き出した。なんかよくわからない気持ちになった。
アンパンマンが………死んだ?
先生「……………?」
少女「あ、先生……………」
先生「アンパンマンってなぁに?」
少女「っ!!!!!」
先生はアンパンマンを忘れていた。みんなもだんだん忘れていっている。
それどころか、«バイキンマン»というアニメのタイトルに変わっていた。
少女「アンパンマン…………」
先生「そうだ、お母さんを元気になったみたいだよ!よかったね!!!」
少女「お母さんが?!」
少女はアンパンマンが消えたことなど忘れ、ただ純粋によろこんだ。
・
ア「なぁ…バイキンマン………」
バ「ん?どうしたんだ??」
ア「これから、君が主役だ。」
バ「はぁ?何をいって………」
ア「僕はね、たとえみんなに忘れられても小さいこの夢を壊しちゃいけない。」
バ「…………。」
ア「だから、あとは頼んだ!お願いは2つある。1つ目は僕を消してくれないか?」
バ「っ……………!!」
バイキンマンの目には涙がたまっていく。
ア「そしてもう1つ…………」
__君だけでも僕のことを、忘れないで。
一番苦しくなるときはみんなに忘れられたときだろう。そんなの、知ってる。
だからこそ、君には覚えておいてほしいんだ。
・
少女「ねーねー、ママ!!」
少女は元気になったママと初めてお買い物をした。その帰り………
ママ「どうしたの?」
少女「パパって……どんな人だったの?」
あまり覚えていないパパ。
なぜか温かいと思うパパ。
また会いたいと思うパパ。
ママ「パパかぁ…。
パパはね、正義感があって、
困ってる人をすぐ助けてくれてねぇ…
とっても優しかったのよ。
仲のいい親友さんもいて、
その親友さんをとっても信頼してたなぁ。」
そういってお母さんはクスクスと思いだすかのように笑った。
__少女の目から、自然と涙が溢れた。
END

3人がお気に入り

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さきちん - 父ちゃ――――ん!!!! (2018年7月4日 14時) (レス) id: e99bfcca08 (このIDを非表示/違反報告)
アルトホルン - 涙腺必須!! (2017年11月11日 10時) (レス) id: 7515f0728f (このIDを非表示/違反報告)
さら(本名)笑 - 初めて泣きました。映画にしたら絶対売れますよ? (2017年9月30日 11時) (レス) id: 9d3820be16 (このIDを非表示/違反報告)
ザザ - http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8u9i/ (2016年12月16日 14時) (レス) id: e9b01e486f (このIDを非表示/違反報告)
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同じような占いを簡単に作れます → 作成
作者名:*全松ガール* | 作成日時:2016年12月7日 22時