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私はきっと世界一幸せな恋をしたのでした。





始まり統一小説コンテスト様に参加している作品です。
目が覚めたら私の隣に、あの人がいた。





──なんて、そんな日はきっと一生来ない。



土砂降りの夜。
私はおろしたての制服を着て、葬儀会館のロビーへと入った。広々としたそこの一角は今日、お通夜の主役たる人の使っていた品々を展示するためのコーナーになっていて、見れば見るほど懐かしく感じるものたちで溢れている。



運動会で貰った金ピカメダルや黄色の反射シールが擦り切れているボロボロのランドセル。図画工作で作った似顔絵や版画絵なんかも飾られていて、懐かしいなって思わずクスッと笑った。


「まだ、若かったのにねぇ……」


喪服を着たおばさんたちは、ケースの中に丁寧に飾られたランドセルや教科書を見てながら、涙声でひそひそと話している。それを聞くと、本当に死んじゃったんだと改めて思い知らされる。


「メッセージなんて書く?……アタシ、書きたいこと多すぎてまとまらないよ」


すぐ近くで声がした。
少しぼんやりしていた私はすぐに反応できなくて、まごまごしているうちに彼女は別の子の所へと小走りで向かって行く。


「やっちゃった……」


そう呟いて、私もメッセージを書こうかなとみんなお揃いの制服に身を包んだ彼女らのところへと走っていく。
壁にかけられた小さめのコルクボードに貼り付けられた、長方形の小さなメッセージカードに書かれた文字は様々で。
中には『生まれ変わっても友達ダゾ!』なんてものある。



──生まれ変わりって、本当にあるのかな。



そういうものを信じていない私には、ピンと来ない話だ。けれど、このメッセージを書いた人は本気でその人のことを友達だと思ってたんだろうと思うと、なんだか少しやるせない気持ちになった。


メッセージを書くために用意された机の前から人がはけるのを待って、私も一言だけ贈ることにした。
なんて書けばいいか分からなくて、ブナンな言葉しか出てこなかったけれど……きっとあなたには届いているだろう。


もしかしたら、笑われてしまうかもしれない。


もしかしたら、あのヤローなんて言われるかもしれない。




「ふふ」



でも、あなたの記憶に残るなら。






.








.






「お時間です、こちらへ」



後ろから声をかけられ、振り返るとそこに黒い髪をきっちり七対三に分けた、黒服の男が立っていた。彼は人好きしそうな笑みを張りつけ、下腹部のところで手を重ねている。




「今、いきます」




残された時間はもうほとんどない。
最期にあなたの姿を見てからいきたかったけれど、姿を見たらきっと私は現世(ここ)に未練を残してしまうから。





あなたに向けて、メッセージを残していきます。







『一緒にいてくれてありがとう。』
『あなたのことが大好きでした。』

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さっくさく。(プロフ) - れにさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。 (4月15日 20時) (レス) id: 268527d70a (このIDを非表示/違反報告)
れに - ご参加ありがとうございます!普通に感動できる話です。 (4月15日 20時) (レス) id: 9b35e12516 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さっくさく。 | 作成日時:2020年4月15日 16時

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