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これは、孤高のマグロの短い短いお話。



思いつきのギャグ話です。




これはフィクションです。実際の人物や団体には、一切関係ありません。
俺の名前は「マグ郎」


群れから離れて(はぐれて)生活している、海の一匹(マグロ)だ!



俺が何故群れから離れて(はぐれて)生活しているか、というと



エサを他のマグロに食われる心配が無いからだッ!!



しかし、一匹(マグロ)として生きていくのは、本当に至難の技だ



と、言う事で。俺は子分を見つけようと思う!



何故かって?子分がいた方が、なんとなくカッコいいだろ?しかも、いざというときになんか子分にカッコいいセリフを吐き捨てる事だってできる!!



しかも子分はこのつよーいマグ郎様の子分になる事で、その恩恵を受けることができる!!




双方に徳がある、なんともいい案だ。






しかし、問題点は子分を見つける難しさにある。




実は3日ほど前からずっと子分を探し続けているのだが、なっかなか見つからない。




何故なら、俺がマグロだから。




マグロは人間の世界ではとっても脂が乗ってて、炙っても刺身にしても美味しいらしいが、それは人間がマグロを捕まえるほどの技術と力を持っているからだ。




マグロの足元にも及ばない、小魚達は、感覚が非常に優れているので、「マグロ」という大型の魚が来ただけで、一目散に逃げていく。




それ故に、子分探しは難航しているのだ。




そんな時だった。俺の目の前に、人間がよく俺たちを陸へ連行するのに使う「糸」のようなモノに引っ張られ、グングンと海上の方に行く、イワシが居たのだ。




かつての仲間は、昔、このようにして陸へ連行されてしまった。




人間が、生きていく為に、俺たちはを喰らうのだ。




「弱者は強者に食われる」という、抗えない事実があるのだから、しょうがない。





そこは十分理解している。




しかし。目の前で陸へと連行されようとしている、弱者(イワシ)を、俺は見放せなかった。






ブチ。





自慢の歯で、イワシを連行しようとしていた糸をガッと噛みちぎった。





すると、ちぎられた糸はヒューっと陸上に上がっていき、イワシが糸の先端に着いていた「針」を噛み締めながら、俺に泣きついて来た。








このイワシは、群れで移動している最中に、自身よりも小さなエサが上から降ってきて、自分は警戒していたが、群れの中で一番偉いイワシの命令で、そのエサ自分がを口にしたのだという。




イワシがエサを食べた瞬間、口の中に鋭い痛みが走り、それと同時に群れの仲間達は全員自分を置いて泳いでいってしまったのだ。





エサには針のような(とが)ったモノが含まれていたらしく、その尖ったものが刺さった場所が、ズキズキと痛む。





その尖ったモノを外そうとした。その時だった。





クンッと体全体が上に引っ張られ、何事がと脳がパニックになる。




口の中がズキズキと痛み、口から赤い赤い液体が溢れ出す。




しかし、自身の体はグングンと上に引っ張られていくのだ。




ここでイワシは察したのだ。




自身は人間に連行されるのだ。と。




魚界では、人間について幼い頃にしっかり勉強する。




しかし、勉強したことさえも今は役に立たない。




もう手遅れだ。




イワシがそう思っていた時、俺が糸を噛みちぎったのだ。





そりゃあ泣いてもおかしく無いだろう……。うぅ、グスッ。





俺まで泣けてきたぞっ……ズビッ





群れに見放され、人間に陸へ連行されかけ……





イワシはそんな絶望的な状況の中で現れた救世主()の事を、勝手に「親分」と呼んで慕った。





俺は歓喜した。








魚生初の、子分ができた!と。










しかし。そんな俺の魚生は長くなかった。








ある日の事だ。





イワシと一緒に海を散歩していたら、上からエサが降ってきたのだ。




イワシと、コレは人間の罠だ!と話していたら、口の中にエサが入り、エサに紛れていた針が、俺の口の中に深く、深く刺さったのだ。




イワシはエサと人間をつなぐ糸を噛みちぎろうと、必死に糸に食いつく。




俺はというと、自慢の尾ひれを使って、高速スピードで糸を引きちぎろうとしていた。






しかし。そんな俺たちの努力は一瞬にして無に返される。






上から、糸沿いに黒い輪っかが降ってきて、イワシに当たった。




すると、その黒い輪っかから強力な電力が放たれ、イワシは糸から口を離さざるをえなかった。




イワシが退いたなら、その輪っかが次に当たるのは…………………………俺。




ビリビリッ‼︎



今までに経験したことのない、全身を鈍器で殴られたような痛みが、身体中を駆け巡る。




抵抗する力を失い、身体の至る所から力がスゥっと抜けていくのが感じられた。






俺の体は「糸」に引っ張られ、グングンと上に上がっていく。





その時、イワシが叫んだ。










「すし○んまいか、ス○ロー!親分はどっちに行くんですか‼︎」









ハハッ。






こんな時によくボケをかませるな。







俺は最後の力を全て振り絞って、イワシにこう告げた。







「多分、俺が行くのはく○寿司だ。」






と。











______マグロのマグ郎・2022年1月16日死亡

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作者名:一枚板 | 作成日時:2022年1月16日 22時

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