【終焉の序章】エルヒネグロ寮

【寮名】
エルヒネグロ寮

エレヒア(Herejia)ー異教
ネグロ(negro)ー黒
オグロ(ogro)ー悪魔


【精神】
異次元からの来訪者の忍耐の精神に基づく寮

【モチーフ】
怪奇ゾーングラビティフォールズ/ビル・サイファー

【寮カラー】
オリーブ色

【寮服】
寮服として正式に着用が義務付けられているのは、寮カラーであるオリーブ色をしたマントのみ。入寮時に夏用と冬用が二枚ずつと、銀製のブローチが支給される。留め具であるブローチには三角形と目を組み合わせたモチーフ、いわゆるプロビデンスの目の意匠が施されている。ブローチの素材は寮長が金、副寮長が白金、一般寮生は銀製となっている。これはいずれ来る終末に備え貴金属を保持しておくようにという意味を持つのだそう。

マントの下の衣服について規定はないがスーツを着用するのが慣わし。寮が決まったばかりの新入生が上級生に連れられスーツを仕立てに行くのがエルヒネグロ寮の年中行事となっている。
寮則では服装自由のためパーカーやジーパンにマントを羽織っても規則違反にはならないが、寮生たちから白い目で見られるのは必至。


【寮外観】
どことなく陰鬱な雰囲気をした谷の奥地に寮本館を構えている。周辺は何故か曇天であることが多く、周囲の植物もまた暗い色合いで不吉さを演出している。寮周辺では野生動物にそれなりの頻度で出会えるが、危険な魔法生物も生息しておりあまり気軽にうろつくべきではない。

寮本館はいかにも廃洋館というのが相応しいような、古びた豪邸を思わせる外見をしている。蔦に覆われた壁面をよくよく見れば、古代魔術の術式や魔方陣、そして不用意に近づく者への警告文が記されている。
こんな外見だが内装はかなり清潔で現代的。怪しげな古文書やドリームキャッチャー、その他多種多様なオカルト系アイテムが各所に配置されていることに抵抗がないのであれば一般的なマンション程度には快適に暮らせる。
寮長も一年生も皆自室の広さや設備は同じ。UFOの模型を置くもよし、ビーズクッションを置いて快適環境にするもよし。

とある儀式を行うことで、ピラミッド型の巨大遺跡に変貌するという噂がある。
学園三大七不思議のひとつ。(尚、学園三大七不思議はエルヒネグロ生が勝手に制定している)


【特徴、性質】
エルヒネグロ寮の寮生に選ばれる者は知的好奇心旺盛な者、やや常識外れな者、その他怪奇現象やオカルト的事象に造詣が深い、あるいは興味を持っている者が多い。寮生の出身地は様々。「地元での顔なじみ」が居ないことが多いが、むしろ全く新しい人間関係を作れることに喜ぶ生徒が多いようだ。寮内での結束が強い反面、少々排他的な部分もあるが何代か前の寮長から積極的に他寮と交流するようになっている。
授業で扱うような魔法だけでなく、異教の魔法や土着信仰的な呪術、はたまたトンデモ魔術に分類されるような類いのものなどを各々が独自に学習、習得しているのも特色。新入生には先輩達が優しく丁寧にオカルトへの道を案内してくれる。

不定期ではあるが、おおむね週一程度の頻度で交霊会が開かれる。
交霊会、とはいうものの参加自由の寮内独自の校友会活動のようなものになっており、実際に交霊会を行う日もあれば、ただの映画鑑賞会やパジャマパーティ、闇鍋会に三角形の悪魔の召喚を試みたりと内容は毎回思いつきで変わる。試験前は勉強会になるのがお約束。
交霊会をしたい、と寮長または副寮長に申請すれば原状復帰を条件に空き部屋や談話室を借りることが出来る。また、他寮生徒であっても申し出れば参加オッケーだそうな。

陰謀論やスピリチュアル的なことにも寛容な寮風故に思想信条の違いでけんかが起こることもある。大抵悪乗りした生徒達が「宗教戦争だ！」だの「怪獣大決戦！」だのと茶化して大騒ぎするのでうやむやになりがち。

モットーは「他人の思想を笑わぬこと」「未知をとことん追い求めること」そして「オカルトをあくまでオカルトとして楽しむこと」。嘘を嘘として楽しみ、あまり信じ込みすぎないこと。さもなくば異界より非実体の支配者が再び舞い降りるであろう。