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星5サーヴァントが配布された事を記念です。皆さんは、誰を選びましたか??
ここは、無限にある平行世界のカルデアのうちの1つ。私だけの、マイカルデアだ。

今日もいつもと同じ朝。シンプルで物が少ない私の部屋はいつまで経ってもなれない。
カルデアにいた頃の自分の部屋は、実家から持ってきたお気に入りの縫いぐるみや、友達との写真が飾られていて、温かみに溢れていた。

けど、ここはシャドーボーダー。あの時の襲撃で思い出の物を全て置いてくるしかなかったのだった。

過去に縋りたくなる暗い気持ちがよぎって、りつかはハッとして首を振った。
勢いよくベットから起き上がり、黒い制服に着替えていると部屋をノックする人がいた。

コンコン
「入っていいよ〜」
開いたドアの先には、珍しくテンションが高めのマシュがいた。
「先輩!!朝からビックニュースがあります!」
「マシュ、おはよう〜.、元気だねぇ」
ふぁぁ、とあくびをしながら呑気な調子で返事をして、マシュの元に歩み寄る。
「それが、ダヴィンチちゃんが、召喚システムの画期的なグッズを作ってくれたんです!」

なんでも、そのシステムは特別召喚システムのキーアイテムと似たものだそうだ。
特別召喚は最強ランクの英霊を確実に呼び出せるとても画期的なシステムで、未だにその恩恵を
うけたことはなかった。

「嘘でしょ??今日一のハイライトだよ…」
私がニコニコしているマシュの前で呆然と固まっているとドアの向こうから聞きなれた声がした。

「マジも大マジさ!」
えっへん!と得意げにしているのは、ダヴィンチちゃんだ。
「いいかい?最強ランクの英霊を呼べるといっても、選び放題な訳じゃあない。
候補はこの中からだ!じっくり見てくれたまえ☆」

ダヴィンチちゃんが、キラキラした瞳のまま私の前にズイッと差し出してきたのは、
候補の英霊一覧が描かれたパネルだった。

私は差し出されたパネルに勢いよく、かぶりついてガン見して、素早く全体に目を通した。

「先輩、いくつか候補はありますか?」
マシュが腰をかがめて横からそっと覗き込む。

私がまずはじめに目が止まったのは、インドの英霊であるカルナさんだった。
彼の事は、ずっと前から気になっていた。

なんでも、ここの世界と別次元にあるマスターのサーヴァントの力を借りる時によくお世話になっていたのが、彼、カルナだったのだ。

余計な事は一切話さず、自分のマスターの指示ではなくとも、快く指示を受け取ってくれる。
太陽神と繋がりがあるだけあって、二つの鋭い眼差しと立ち姿が神々しい。

興味はあるけど、気安く話しかける事が出来なかった。北米では一緒に戦ってくれたけど、それは別のカルナさんだし。

頭の中がカルナさんでいっぱいになりながらも、私は、ほかの英霊にも目を向けた。

あ、エルキドゥ…!

そこにはマイカルデアにいる二人の王の唯一の友達であるエルキドゥもいた。

確実にエルキドゥが来る、こんな手段はこの先、また現れるか分かったものではない。

王様も何食わぬ顔をしながらも、実は、待っているはずだ。彼?彼女?まぁ、いいや。
エルキドゥを。

…いや、もっとよく、目を通すんだ!

うちには、攻撃系の宝具を所持した英霊が多い。
宝具解放を支援する英霊がとことん少ないのだ。

前までは、力任せで戦えばまかり通ると思っていたが、だんだんと強くなる敵を前にして
最近は考えも変わってきた。

英霊、諸葛孔明は宝具解放の支援に適しているともっぱらの定評がある。
彼に来てもらうのもアリだ。

それなら…!

と下に目を通す。

フランスで共に戦ったジャンヌも例外ではない。
味方を攻撃から守る技に優れている。

あと、うちにはルルハワで一緒に同人活動した仲であるジャンヌオルタがいる。

こっちのジャンヌとも仲良くなってみたい。

「わー!!!!決められないよぉ〜」

私はパネルから顔を離し、両手で頭を抱えた。

「…せ、先輩!? 大丈夫ですか!」
マシュがあわあわと、私が落っことしたパネルを拾い上げる。

「だめだぁ、あたまがパンクしそう!!」
心のどこかでは、既に決まってるはずだけど、
戦力が、乏しい今のカルデアの事を思い、
軽率に決めることができなかった。

そんな私をみかねて、マシュが助け舟を出した。

「取り敢えず、ブランチにしませんか??ゆっくり考えましょう! 先輩」

ブランチという言葉を聞いて思わず、無機質な部屋の時計に目をやると、もう10時半だった。
どうやら、昨日の周回のし過ぎが招いた、朝の大寝坊だったようだ。

「うん、そういえばお腹空いちゃったよ。あれ、マシュはもう食べたの?」

急に空腹感を覚え始めたお腹をさすりながら、マシュに尋ねる。

「いえ!私もまだです。今日はゴルドルフ所長特製のパンケーキらしいですよ」

ゴルドルフ所長は、現カルデアの指揮官で料理が実はできる人なのだ。
その腕前は、その料理で英霊を従わせるほどとか

ふわふわのクロワッサン…、あれは凄かった。

「おー、いいね!いこ、マシュ」

私はテンションが一気に上がって、マシュの手を取って部屋を出て食堂まで一直線に駆け出した。

食堂に着くと、人はそこまで多くないものの、朝があまり得意ではないであろうメンツが
ずらりと揃っていた。

「とても眠いわ、夜更かしし過ぎたかしら」
若干不機嫌そうにひとりごちながら、できたてホヤホヤのパンケーキにナイフを入れているのは、
クラスがバーサーカーである、ジャンヌだ。
そして、彼女はオルタである。

マンガを遅くまで読んでたのかな?とか考えて
りつかはクスリと笑った。

それに気づいたのか、ジャンヌは手招きをする。

「アンタ達も大概ねぼすけね。もう、食べ始めちゃったじゃない。」

一緒に朝ごはんを食べたいと思ってくれてたんだなぁ〜、ルルハワで同人活動をしてから
ずいぶん距離が縮まって、よく話すようになった

「ごめん、ジャンヌ!疲れて寝すぎちゃった笑笑」
マシュもすまなさそうに、

「私は、ジャンヌさんの貸して下さった漫画が面白くてつい夜更かしを…」

と、たくさん漫画の入った袋をジャンヌに両手で
差し出した。

「あら、もう読んだの。早いじゃない。」
ジャンヌはニヤリと笑ってそれを受け取った。

で、どうだったのかしら?と聞くジャンヌに
マシュは内容を思い出したのか、顔を真っ赤にして、

「とっても、素敵でした…」

とだけ、ポソっとつぶやいた。

「え、ジャンヌ!いったい、どんな漫画をマシュに渡したの」

私がジトーっと疑いの目をジャンヌにむける。

「失礼ね、そんなに疑うならアンタにも貸してあげるわよ。いい勉強になるんだから」

ジャンヌはやはりニヤリと笑い、私にズズっと漫画を押し付けた。チラッとその時に表紙がみえる。

イラストの表紙には、とても美しい男子と元気はつらつのヒロインがいて、手を取り合っている。

「そういえば、恋愛系で盛り上がったのって、学校に行ってた時以来だなぁ」

私がポソっとつぶやいたのをジャンヌとマシュは聞き逃さなかった。

「ちょっと、アンタ好きな人とかいたの??」
「先輩!好きな人がいるなんて初耳です」

マシュとジャンヌの声がほぼ同時に響き渡った。
「うん…、好きな人といっても片思いだったけど。
あ、今は憧れてる人ならいる…かな」

わたしには学校に通ってる頃、好きな人がいた。
周りに人がたくさん居て、全然近づけなかった。
それでも、勇気を出して連絡もきいて

話せるようになって。二回だけだけど、一緒にでかけたのも楽しかった。
その後、また勇気を出して告白したんだ。
でも、振られてしまった。

遊びに誘ってくれたのも、特に意味はなかったみたい。

そこまで、内容を黙って聞いて、ジャンヌが真っ先に口を開いた。

「ハァ?何よ!そいつ。とんだ、思わせぶりね。」

「うん笑笑、本当になんだったんだろうね。けど、勇気出して良かったよ。」

わたしは、あはははと頭なんか搔いちやって、思い出した情けない気持ちを誤魔化した。

「先輩…、もっと先輩を大切にしてくれる人を見つけましょう!」

マシュったら、私の事なのに私より悲しい顔をしている。
みんな、本当に優しい。

「ありがと、ジャンヌ。マシュ。」

と、そこでその話は終わるように思えた。

「ところで………」
「ん??」

「その憧れの人とやらは、誰なのかしら笑笑」
ジャンヌが不敵な笑みを浮かべている。
コレは実にまずい。

こうなったら、いつも、言うまで離してくれない

「先輩!私も気になります」

しょうがないかぁ〜、
私は半ば観念して口を開く。

「北米とかでお世話になった英霊、いるじゃない?」

すると、マシュはぅーんと、考え始める。
「アルジュナさんですか??」
惜しい、惜しいよマシュ。

そんな中、ジャンヌだけが確信めいた笑いをたたえている。

「もしかして、ははーん。アンタが憧れてるのってインドの英霊、カルナでしょ?」

私はすごく驚いた。なんで知ってるのだろう。
一度も話したことないのに。

「私の心、読んだの??」
私がポカーンとしてると、ジャンヌはクスッと笑う。

「あんな分かりやすい態度だったら、勘づくに決まってるじゃない」

あんな態度??…………、あ!
思い出した!!

戦闘でサポートできてもらったときのことだ。
毎回、話してみたいと思いながら、
チラ見してはやめる、を繰り返してた。

「そんなので、わかっちゃうんだ笑笑」
私はフッと笑う。やっぱり、ジャンヌには敵わない

「当たり前じゃない笑笑、」
マシュがハッと思い出したように
「先輩!!、そういえば、英霊は誰を呼ぶんですか?、やっぱりカルナさんですか」

さっきまでの、話を聞いていたマシュの瞳は
これから起こるであろうイベント?に
キラキラとしていた。

「そんな理由で呼んでいいのかな…、うちは、保守の役割少ないし、諸葛孔明とかジャンヌかなと思ってたよ。呼ぶとしたらね。」

私がハァとため息をつく中で、横でプルプルと肩を震わせている人がいた。

「な、な、な、….なんですって!?アイツを呼ぼうと思ってたの?アンタ。」

ジャンヌは別側面の自分に対して、否定的だ。
聖女時代の品行方正な自分をみると、吐き気がするらしい。

それでも、私はもう人側面のジャンヌも知りたいと思う。

「いや、まだ仮定の話だよ」
マシュも、
「先輩は、カルナさんを呼びたいとも思ってるみたいですよ」
とジャンヌをなだめた。

「もう一人のアタシをよんだら承知しないわよ!」
とジャンヌは凄んだ。

こ、こわい 汗

そんなこんなで考えた結果、呼ぶ英霊は、カルナさんに決定した。

朝食が終わり、私達は召喚部屋に到着した。

「準備は、いいかい??本当にこの英霊でいいんだね?取り替えは効かないよ?」

ダヴィンチちゃんは、これでもか、というように念入りに確認してくる。

「そんなに確認しなくても大丈夫だよ笑笑」

「じゃあ、先輩、準備ができました。」
マシュは、召喚部屋の真ん中に触媒となる盾を
そっと置く。
さらに、その上に特別アイテムが置かれた。

しばらくして、いつもと同じまばゆい光が部屋に溢れる。光の柱が三本横に並んで、
そして、中央から人影が現れた。

艶やかな白髪の髪。鋭い双方の瞳。真っ赤に燃えるような胸飾り。
まぎれもなくそこにいたのは、カルナさんだった。

「真名カルナ。召喚に応じ参上した。」

彼はそれだけの言葉を発し、そして、その目を私に向けた。

私はただ、その空気に飲まれてしまってしばらく、喋れなかった。
ハッ、と気付いてようやく紡いだ言葉が、
「私はマスターの藤丸立花です。よろしく…」
だった。

その場が固まってしまうような自己紹介が終わるとダヴィンチちゃんが真っ先に口を開いた。

「言っていなかった事だが、彼はただでうちのカルデアなら来てくれるわけじゃないんだよ。マスターくん。」

え、そんなの聞いてない!え?どゆこと??

とても疑問ずくめの、表情が顔に出てたのだろう。
ダヴィンチちゃんは説明を続けた。

「条件は3つ!1つ目は冬木の特異点を修正済みであること。2つ目は最低一回は再臨させること。
3つ目はある程度まで仲良くなることだ。」

…、なんか、大変そう!

つづく

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作者名:umi moko | 作成日時:2020年5月1日 23時

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