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まるで、この恋を文字で表すとしたら、複雑、なのかもしれない。
というか複雑よりももっと酷い、繁雑みたいな感じかな。いや同じような意味なんだけど。
これは本当にわずらわしい問題なのだ。聞いてくれなくても話そうとしよう。
……実は俺の彼氏は、女装男子なのだ。
いつも女物の可愛い服を見つけてはそれを買って、俺に見せびらかしている。
しかも彼は誰もが認める美形で、学生時代からモテまくりの人生である。
そんな彼の人生の転機のポイント、すなわち女装が趣味になった理由、それはきっと俺のせいである。
あのときは本当に謎だった。なんであんなイケメンに俺が告白されなければいけないのかなって。
いや本当に昔はただのイケメンだったんだぜ？男女の対応において全てが完璧で、文武両道で……とにかく語れるところはここでは言いきれないくらいたくさんあるのだ。
ちなみに告白されたのは中学2年生のときで、現在は高校2年生ね。ほら、こういうところで自分の話題を出してくるのもいいだろ？
……話に戻るけど……えーと、何だっけ？
まあ、普通はそんなイケメンだったら自分から告白とか滅多に無いじゃん。あ、でもベタなラブコメとかだったらよくあるよね、ほら超絶イケメンな幼なじみに告白される話とか。
でもなんかされてしまった訳なんだよな、しかも大勢の人がいる教室で。
しかもしかも！第一声と来たら『ぼ、ぼ、ぼ……僕と付き合ってくだひゃい！』だよ？大事な台詞で噛むとか可愛いなお前。
でも最初は抵抗あったぞ、なんでそんなイケメンが俺に告白するんだろうなーって。
だからすぐに思いついたんだよ！
きっとこれは何かのゲームの罰ゲームなんなんだろうなってさ。
だからすぐに『ああいいぜ』って言ってしまったんだよ！そしたらさ、その彼がなんて言ったと思う？！
『ありがとう。』
って爽やかにスマイルキメるもんだからちょっと笑っちゃったじゃねぇかよ！周りもなんか戦慄してたぞ！言葉おかしいけど！
だってそのときから罰ゲームだよなーって2ヶ月くらいまで信じてたからな！
んでその2ヶ月が過ぎた辺りから彼は本当におかしくなった。
なんか学校の制服を女物に変えてたし。そんでくるっくるの髪の……なんて言うんだっけあれ……ウィッグ？みたいなの付けてきてさ。
まあ彼の近くにいた男女諸君は一気に離れた訳だな。そりゃ引くよな、絶世のイケメンがなんか女装してくるとかドン引き不回避だろ。
まあ彼はそのあと生徒指導行きで何時間……っていうのは大げさで、何分かお説教を食らったあと、ジャージで教室に戻ってくるなり俺を見てにこやかに手ェ振るから鼻血出そうだったよ畜生。
彼がこんなことになった元凶は、すぐに俺だって疑われた。
なんかクラスの輩がみんな俺だって言うからきっとそうだろうなっていうね。酷すぎるだろそれェ！
まあそんで俺がハブられるとかそういう行動されることは無かったけど、今でも彼のファンの女子から痛い目で見られるときはある。
全力で無視することを心がけている。だって『何か用でも？』とかなんとか言ったら総叩き食らうの目に見えてるぞ？
……自慢じゃねぇけど、俺はギターが得意だ。だから高校も音楽の専門高に行きたいなーって親にねだって金も貯めたんだよ。
そのことを、その彼に話したらな、あいつ本当にヤバいやつだぜ？！
その年には推薦で受かることが決まって、もう用済み状態だった……。
そのときはブチ切れたぜ？『俺の努力が水の泡じゃねぇかよッ！』って。
言いがかりなのは分かっちゃいるけど、こんなの耐えきれなかった。
もう頭ん中空っぽで、何にも思えなくって……。
自然と涙が溢れる自分が情けなく思えて、気がつけば俺は彼の前から消えていた。
その夜は、本当にやばかったんだぞ。もうベッドから動きたくなくて、朝まで学校のジャージのままうつ伏せで寝ていた。
ふとしたとき、俺のケータイを見ると、なんか100件近くの受信があって……。
どれも同じやつからのメールだった。
1番最初のメールを開く。
何回もごめん、という言葉が使われている。
多分この感じだと彼も事の重大さに気づいてくれたんだろう！……いや、案外ちっぽけなのかもしれないけど……いや俺から見てじゃなくて相手から見てだからな……。
ああ、笑っちまったよ。
お前が女装して学校来たときみたいにさ。
だから朝一番に学校行って、彼の背中を思いっきり叩いてやったぜ！
『ひゃっほう！いい気味だぜぇ！』ってな！
そんなこんなが俺と彼の喧嘩話だ。
おい、こらそこ、リア充爆ぜろとか言ってんじゃねぇぞ！
リアルで満喫出来てねぇから嫉妬するなんてどういう様だ！とりあえずカラオケ行って歌っとけ！
あ、そんで今の話に戻るけど……まだ話しても大丈夫かな？
中学を卒業してから彼は俺と同じ音楽系の高校に行った訳だが……彼はまた壊れたぜ。
その高校は服装の縛りとか無かったお陰なのか彼はまあた女装しだした。
んでまた周りの奴ら引いたからな。期待されてたのに残念だな。
そんで、彼は楽器はもちろん、合唱もお茶の子さいさいって感じで本当完璧にこなしていった。あの見た目でな。
彼は本当に出来るやつだよ。
高2になった今では、ちょっと連絡が途絶えてきちゃってるけど、まあだ恋人だと思う。
俺はそれが複雑でたまらないんだ。
……急にしんみりしてすまねぇな。
俺は好くことを好いていないんだ。
別れようって言ったら、多分それで終わっちゃう恋だと思う。
天才でイケメン、しかも何でも出来ちゃうけど……女装が趣味な彼。
それとは真逆的な俺……いや、あたし。
彼がなんであたしに告白したのかは分からないままだ。
そしてなんで女装しだしたのも分からない。
きっと夢でも見てるのかなって思うときは何度もあった。
それでも現実であって欲しいときは、何度も引き戻された。
とりあえず恋に答えは無いんだなって。なんてキザなこたぁ言えないけど、いろんな奴らに教えてあげたい。
……相手が女装男子でもな！
ここまで聞いてくれてありがとう。
なんか関係ないオチになっちまったようだな。
こんなこと聞いてくれるの、お前しかいねぇんだ。だって、自分の彼氏にこんなこと聞けねぇだろ？
これかもよろしくな！相棒！
というか複雑よりももっと酷い、繁雑みたいな感じかな。いや同じような意味なんだけど。
これは本当にわずらわしい問題なのだ。聞いてくれなくても話そうとしよう。
……実は俺の彼氏は、女装男子なのだ。
いつも女物の可愛い服を見つけてはそれを買って、俺に見せびらかしている。
しかも彼は誰もが認める美形で、学生時代からモテまくりの人生である。
そんな彼の人生の転機のポイント、すなわち女装が趣味になった理由、それはきっと俺のせいである。
あのときは本当に謎だった。なんであんなイケメンに俺が告白されなければいけないのかなって。
いや本当に昔はただのイケメンだったんだぜ？男女の対応において全てが完璧で、文武両道で……とにかく語れるところはここでは言いきれないくらいたくさんあるのだ。
ちなみに告白されたのは中学2年生のときで、現在は高校2年生ね。ほら、こういうところで自分の話題を出してくるのもいいだろ？
……話に戻るけど……えーと、何だっけ？
まあ、普通はそんなイケメンだったら自分から告白とか滅多に無いじゃん。あ、でもベタなラブコメとかだったらよくあるよね、ほら超絶イケメンな幼なじみに告白される話とか。
でもなんかされてしまった訳なんだよな、しかも大勢の人がいる教室で。
しかもしかも！第一声と来たら『ぼ、ぼ、ぼ……僕と付き合ってくだひゃい！』だよ？大事な台詞で噛むとか可愛いなお前。
でも最初は抵抗あったぞ、なんでそんなイケメンが俺に告白するんだろうなーって。
だからすぐに思いついたんだよ！
きっとこれは何かのゲームの罰ゲームなんなんだろうなってさ。
だからすぐに『ああいいぜ』って言ってしまったんだよ！そしたらさ、その彼がなんて言ったと思う？！
『ありがとう。』
って爽やかにスマイルキメるもんだからちょっと笑っちゃったじゃねぇかよ！周りもなんか戦慄してたぞ！言葉おかしいけど！
だってそのときから罰ゲームだよなーって2ヶ月くらいまで信じてたからな！
んでその2ヶ月が過ぎた辺りから彼は本当におかしくなった。
なんか学校の制服を女物に変えてたし。そんでくるっくるの髪の……なんて言うんだっけあれ……ウィッグ？みたいなの付けてきてさ。
まあ彼の近くにいた男女諸君は一気に離れた訳だな。そりゃ引くよな、絶世のイケメンがなんか女装してくるとかドン引き不回避だろ。
まあ彼はそのあと生徒指導行きで何時間……っていうのは大げさで、何分かお説教を食らったあと、ジャージで教室に戻ってくるなり俺を見てにこやかに手ェ振るから鼻血出そうだったよ畜生。
彼がこんなことになった元凶は、すぐに俺だって疑われた。
なんかクラスの輩がみんな俺だって言うからきっとそうだろうなっていうね。酷すぎるだろそれェ！
まあそんで俺がハブられるとかそういう行動されることは無かったけど、今でも彼のファンの女子から痛い目で見られるときはある。
全力で無視することを心がけている。だって『何か用でも？』とかなんとか言ったら総叩き食らうの目に見えてるぞ？
……自慢じゃねぇけど、俺はギターが得意だ。だから高校も音楽の専門高に行きたいなーって親にねだって金も貯めたんだよ。
そのことを、その彼に話したらな、あいつ本当にヤバいやつだぜ？！
その年には推薦で受かることが決まって、もう用済み状態だった……。
そのときはブチ切れたぜ？『俺の努力が水の泡じゃねぇかよッ！』って。
言いがかりなのは分かっちゃいるけど、こんなの耐えきれなかった。
もう頭ん中空っぽで、何にも思えなくって……。
自然と涙が溢れる自分が情けなく思えて、気がつけば俺は彼の前から消えていた。
その夜は、本当にやばかったんだぞ。もうベッドから動きたくなくて、朝まで学校のジャージのままうつ伏せで寝ていた。
ふとしたとき、俺のケータイを見ると、なんか100件近くの受信があって……。
どれも同じやつからのメールだった。
1番最初のメールを開く。
何回もごめん、という言葉が使われている。
多分この感じだと彼も事の重大さに気づいてくれたんだろう！……いや、案外ちっぽけなのかもしれないけど……いや俺から見てじゃなくて相手から見てだからな……。
ああ、笑っちまったよ。
お前が女装して学校来たときみたいにさ。
だから朝一番に学校行って、彼の背中を思いっきり叩いてやったぜ！
『ひゃっほう！いい気味だぜぇ！』ってな！
そんなこんなが俺と彼の喧嘩話だ。
おい、こらそこ、リア充爆ぜろとか言ってんじゃねぇぞ！
リアルで満喫出来てねぇから嫉妬するなんてどういう様だ！とりあえずカラオケ行って歌っとけ！
あ、そんで今の話に戻るけど……まだ話しても大丈夫かな？
中学を卒業してから彼は俺と同じ音楽系の高校に行った訳だが……彼はまた壊れたぜ。
その高校は服装の縛りとか無かったお陰なのか彼はまあた女装しだした。
んでまた周りの奴ら引いたからな。期待されてたのに残念だな。
そんで、彼は楽器はもちろん、合唱もお茶の子さいさいって感じで本当完璧にこなしていった。あの見た目でな。
彼は本当に出来るやつだよ。
高2になった今では、ちょっと連絡が途絶えてきちゃってるけど、まあだ恋人だと思う。
俺はそれが複雑でたまらないんだ。
……急にしんみりしてすまねぇな。
俺は好くことを好いていないんだ。
別れようって言ったら、多分それで終わっちゃう恋だと思う。
天才でイケメン、しかも何でも出来ちゃうけど……女装が趣味な彼。
それとは真逆的な俺……いや、あたし。
彼がなんであたしに告白したのかは分からないままだ。
そしてなんで女装しだしたのも分からない。
きっと夢でも見てるのかなって思うときは何度もあった。
それでも現実であって欲しいときは、何度も引き戻された。
とりあえず恋に答えは無いんだなって。なんてキザなこたぁ言えないけど、いろんな奴らに教えてあげたい。
……相手が女装男子でもな！
ここまで聞いてくれてありがとう。
なんか関係ないオチになっちまったようだな。
こんなこと聞いてくれるの、お前しかいねぇんだ。だって、自分の彼氏にこんなこと聞けねぇだろ？
これかもよろしくな！相棒！
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作成日時：2018年5月21日 2時
