貴方。【狼ゲーム】

9種類の結果パターン

… - 2024年5月9日

「…あ、ミサキ姉ちゃんっ」
ミサキ『わっ、危ないよ〜？』



僕はミサキ姉ちゃんとリンタロウ兄ちゃんの弟。
優しい姉ちゃん達はいつも笑ってくれる。

ミサキ『どうしたの？』
リンタロウ『ほら。おいで』
「うん、姉ちゃん、兄ちゃん！」





でも、ある日のことだった。




「母ちゃん、あれ…？父ちゃんも、起きてよぉ」
姉ちゃん達は僕が惨めだから目をそらした。
そりゃそうだ、死体に縋る弟なんて僕だったら吐き気がする程にも見たくない。
「冷たい…とっても、冷たいなぁ」




家に帰って数週間後の事だった。
リンタロウ『………復讐をする』
「…リンタロウ兄ちゃん、それ本気？」
リンタロウ『僕の中ではもう決めた事だから』
ミサキ『本気なの⁉リンタロウ！』

「兄ちゃんも、あの人殺しになるの？」
兄ちゃんがユウヤになっちゃうの？




リンタロウ『うるさいっ！養子のくせに___
僕に口答えをするな！家族面をするなよ！』
ようし？容姿、用紙、養子…
「え？僕、養子…姉ちゃん達、じゃ、ぁ」




あれは、夢だったの？


ミサキ『っリンタロウ！』
破裂した様な音が鳴った。
姉ちゃんが…ミサキが、リンタロウに平手打ちをしたのだ。


ミサキ『何言ってるの！私達は家族なのに！』
そっか。
僕も、気づいてたんだろう。

「ごめんね、リンタロウ。僕、君の気持ちがわかってなかったみたい。」
僕は台所に駆け出した。


二人は僕を追いかけた。
僕は震える手で包丁を喉元に置いた。
「近寄るな！僕に…この俺に！」

脅した。
俺が俺を人質に。
ミサキ『また、家族が壊れてくの…？』

絶望した表情のミサキ。
「お前らが悪い！」
何に怒っているのかも分からなかった。



「お前らが俺の命を無価値だと証明したんだ！これはお前らの望む世界、望む終わりだ！」
思い切り喉に包丁を刺した。

「いっしょ、う。後悔し続け、ろ」
か細い声なのに部屋にはよく響いた。





へたり込むリンタロウの姿。
そして俺を抱くミサキの姿。




ミサキ『………………………』
リンタロウ『………………あ』






優しい姉ちゃん達は居ない。
それは架空の存在だった。
今では憎たらしい二人の男女。


それでも、やっぱり。
姉ちゃんの笑顔が浮かんだ。
兄ちゃんの声を思い出した。

もう少しだけ生きていたかった。



ミサキ、リンタロウ→偽家族

偽物の家族だったけど。
愛は本物同然だった。

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