〈テニプリ〉甘えてもいいんだよ。

25種類の結果パターン

風邪を引くなどたるんどる！ - 2025年5月23日

本日のお相手、日吉若。


・





『あー。さむ……………っ』






身体中の震えが止まらない。髪から滴る水滴は座り込む私の周りに水たまりを作っている。寒いどころか凍えてしまいそうな風に身を屈めた。


こうも惨めな気分にあうのは、ここ最近。原因は幼馴染である日吉若。氷帝学園に入学してテニス部に入った途端、急激にモテ始め「下剋上王子」だとかなんとか、女子は騒いでいる。



くそ、若のやつ。私があんたのせいでこうなっているとも知らずに。


そもそも、ことの発端は違うクラスの若ファンにプレゼントを渡してほしいと手渡されたが『こんなのアイツ興味ないと思うよ』とメルヘンチックなプレゼントを返還した所、「何様のつもり？！」と本日、敵討ちにあった。



アイツは昔っから悩みの種。私が嫌いだと知っててワザと怪談話してきたりキノコのくせして最近妙に大人びて見えて。


なんか心がモヤモヤする。



若なんて、と思っている分、若のことしか考えられなくなって。






『……はぁ。』





心も体も寒さに蝕まれていく。









「……、お前。なんだよその格好」





『へ、…！？わ、若？！』





「ふっ間抜け面がもっと間抜けになったな。」




授業中。誰も来ないと屋上に逃げていたが、私の目の前には何故か若がやってきて、憎たらしくふふっと笑った。




あんたのせいでこうなった、と難癖つけてやろうかと思ったけれど。





「…風邪引くぞ」





着ているブレザーを私に掛けたりするから、言おうにも言えなくなった。若のくせに、そんな優しさ見せないでよ。








『あ、…ありがと』






だけど本音は。嬉しくてめちゃくちゃ嬉しくて。悟られたくないがためにブスッと見せる。


素直じゃない。素直になれない。








「…、悪かったな」




『！』





「…何驚いてるんだよ」




『若が謝った、から』




「は？なんだよそれ。謝るんじゃなかった」



こうなった経緯を知っていたこと。真面目人間、若が授業を抜け出してまで私の傍に来てくれたなんて。


拗ねてる若を前にして身体中が紅潮していく。






「？！おい、お前やっぱ熱上がってる」



『ちょっ、ちょっ若！』



「煩い。このままで。…このままで居させろ」





心臓がドクン。大きく跳ねて身体中、大好きな若の香りに包まれた。





やっぱり私。



若が好き。





・


(…いつかお前を下剋上してみ(頭痛いから静かにしてて！)

(…強敵だ)

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