ピンチ！！！

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本日はこの人。 - 2025年5月16日

河井ゆずる




それは突然に起こった。



『痛っ…！』



休日。

今日はゆずの家で2人で1日中ゆっくり過ごす予定だった。

自分の家を出発しようとした朝9:00。

突然腹痛に襲われた。



『え…なに、なんでこんな痛いん…？』



崩れ落ちた勢いで横になってお腹を抑える。

他のことを考えるといいと誰かに教わった気がするが、そんな余裕なんてない。


せめてゆずに連絡を…。


その場に落ちているカバンを漁り、スマホを取り出す。

何とかゆずを見つけ出し電話をかけた。



「もしもし？なんかあったん？」


『ゆず、っあのな、私、ぃ、た…』



説明がしたいのに痛すぎてまともに話せない。



「YOUっ？大丈夫か？」


『ゅず、いっ…！』


「痛い…？どっか痛いんか？今どこや」


『ぃ、え』


「分かった。ほな今から行くからちょっと待っとき」


『…わかった』


電話が切られた。

それにしても痛すぎる。



『ほんまﾀﾋにそう…』



約15分後、合鍵で扉を開けたゆずが中に入ってきた。

私の状態は電話した時と変わらず、背中を丸めて床に寝転んでいる。



「っはぁ、はぁ、大丈夫、か？」


『ゆずぅぅぅ…』



ゆずは私の傍に寄ると背中をさすった。



「どこが痛いん？」


『おなか、痛い…』


「そうか。…よぉ俺に電話できたな」



そう言うとゆずは私の頭を撫でる。



「立てる？トイレとか行くか？」


『…いく』


「ほな俺に捕まり。中には入れへんけど一緒には行ったるから」


『ありがと』



ゆずに捕まりいつもより長く感じる廊下を歩く。

やっとの思いでトイレにたどり着いた。

トイレに入りズボンを下ろす。



『あー…』








トイレの扉を開けると心配そうな顔のゆずと目が合った。



「…大丈夫か？」


『…ごめん、生理やった。ゆずに電話する前にわかってれば



そこまで言ったところでゆずは私を抱きしめた。



「謝らんでええ。原因がわかって良かったから」


『ゆず…』



そしてそのまま私をお姫様抱っこのように抱える。



『ちょ、』


「俺が運んだるから大人しくしとき」



ゆずは一旦私をソファに寝かし、リビングに布団を敷くとその上に私を下ろした。



「ここで寝とき。俺そばにいたるから」



そう言いながらゆずは隣に座る。



『…ありがと、ゆず。ほんま大好き』


「ははっ、俺もやで」



私の頭を撫でる手が冷たくて気持ちいい。

結局今日はゆずが1日中私の介抱をしてくれた。

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