貴方とめくる、今日の一冊。

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港湾都市・・・また、その無法地帯を指し〝魔都〟とも呼ばれる街、ヨコハマ。

そのヨコハマにある、不思議な書店。

そこの書店には、本が大好きな店員が１人いるだけ。

そして、その書店には毎日変わった文豪が訪れると言う。

本日、貴方を訪れるのはどの文豪・・・？

名前・・・三上(名前)
年齢・・・20歳
職業・・・書店店長兼、情報屋
特記・・・異能持ち。中立。

注意書
⚠ねつ造が入ります！
⚠キャラ崩壊します！
⚠時折適当です！
⚠小説自己解釈強めです！

以下、素人作品であるため、許容できる方のみご覧ください

7種類の結果パターン

今日の来客は、どなた？ - 2024年5月11日

太宰治・・・【ヴィヨンの妻】

小さな書店で店番をしながら、私はいつも本を読む

そんな私を悩ませるのが、彼だ。

太「私がいるのに本に没頭かい？」

彼の名前は太宰治。
武装探偵社の調査員であり情報屋という私を知る人物でもある。

太「私と心中してくれれば良いのに。そんなに本が大事かい？」

困ったことに、彼はここ最近私を心中に誘ってくるのだ。

『今日の本ね、太宰さんみたいな人が出てくるの』

太「へぇ。それは興味深いね」

『〝ヴィヨンの妻〟というのよ』

主人公は、遊び人で酒好きの夫と2歳児をもつ女性。

太「ねぇまさかとは思うけど、私みたいな人ってその夫じゃないよね？」

家に帰らない夫の帰りを待つ生活をしていたものの、ある夜夫婦が家に乗り込んでくる。

夫は夫婦が営む中野の小料理屋で、迷惑行為をした挙句に大金を強奪したという。
翌日妻は夫婦の小料理屋へ行き、残りのつけ払いのため店で働く。

居場所ができた妻の生活は充実していくが、働く中で妻はどうしようもなさをこの世に感じた。
そんな妻も若い男と一夜を共にしてしまう。
その翌日、自分を非難した内容の新聞記事を見て言い訳をした夫に対して、こう言った。

「私たちは、生きていさえすればいいのよ」と。

『太宰さんにぴったりでしょう』

太「私に？」

『妻は生きることに価値を見出していないからこそ、強く生きることができたんですよ』

太「生きる価値がないから・・・か」

いつもと違いフッと優しい顔つきになる。

『私も、こんな女性になりたいですね』

作中の妻は、したたかで強い。

太「もう、充分だろう」

『へ・・・え？』

彼は私の顔の横に手をついて、グイッと顔を近づける。

『・・・んッ』

突然口づけをされ、それが次第に深くなっていく。

ようやく離れると、繋がった銀の糸がプツリと切れた。

『・・・何のつもりですか？』

太「そのままの意味だよ」

そして更に耳元で囁く。

太「居場所を持つことで人は変わっていく。私の居場所に・・・なってくれないかい？」

彼の性格を知っていて本のあらすじを教えた私は、ずるい。

それを見抜いた上で私に告白する彼は、もっとずるい。

私は〝夫〟に似通った彼に惹かれて仕方ないのだ。

『したたかな女でも良いのなら』

私たちは、再び口づけをした。

本来の彼が罪人でも、私が裏社会の情報屋でも、関係ない。

確かに私たちは
「生きていさえすればいい」のだから。