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雨、やまないですね。 - 2024年5月6日
Sou(シークレット)
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土砂降りの金曜日。
テレビで夕立の予報が出ていたものの、傘を忘れた馬鹿は急いで駆け込んだコンビニで足止めを食らってしまった。
憂鬱だ。そんなことを思いながら携帯を開くと、何処からともなく大声が聞こえてきた。
── いい加減にしろよ
怒声と、びしょ濡れになる男女。歩行者は彼女たちをチラチラと見ながらこそこそ陰口を叩く。僕はそんな光景を見て陰口を叩くことはできなかった。
その喧嘩をする人物。怒鳴られ肩を震わせるひと。
その人は、僕の大好きな……先生。心臓は嫌に早足で鳴り響く。雨の音がやけに大きく聞こえた気がして、寒気がした。
がくんと膝から力なく崩れ落ちる彼女を見て行かなくてはいけない気がして、傘を買えば真っ先に彼女の元へと駆け寄った。行かなくちゃ。行かなくちゃ、いけない。
「先生」
息を切らす僕と、恐る恐る顔を上げる先生。化粧も、洋服も、びしょびしょに濡れて崩れていて。涙が溜まった瞳でにっこりと微笑んで見せた。
「聞こえちゃったよね」
「……ごめん」
ふるふると首を振り、力の入らない足で立ち上がる。がくがくと震えた身体と、今にも泣いてしまいそうな表情が見ていられなくて、腕を引いて胸に抱き寄せた。
「爽太くん」
「今は生徒じゃないから」
加速する思いを止めることは出来なくて。
嗚咽を漏らし泣き叫ぶ先生の髪を撫でて、伝えてはいけない二文字を口走る。
「好きだよ、YOUさん」
唇を重ね合わせる。
時間が一度、止まったような気がした。
彼女は僕の胸を押し、頬を強く叩いて。
「最低」
…… それで、良い。
雨は激しく降り続いている。
シークレット . 叶わぬ思い
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作者名:ふらすこ | 作成日時:2016年8月23日 11時