【殺戮の天使】さつてん日記【ザクレイ】

6種類の結果パターン

あなたの本日の占い結果です - 2024年5月9日

「ザックは……髪、切ったほうがいいと思う？」

私の地面に付きそうなくらい、長い髪を見ながら言った。さすがにはさみで、切ってみようかなと思っていた。

「あ“ぁ？ 髪？ んなもんどーでもいいに決まってんだろ」

……ザックなら、そう言うと思った。はぁ、とため息が出る。私のことなんて、きっとどうでもいい。じとっとザックの方を見つめていると、ザックから小突かれた。

「何見てんだよ」

やっぱりザックに聞かなきゃよかった。ザックは無視してもう髪を切ってしまおうか。はぁ、と二度目のため息をついてそっぽを向く。

しばらくお互いに何も話さず歩いていると、ふと、それまで黙っていたザックが、頭をガシガシ掻きながら、あー、と声を出した。

「……まー、確かに鬱陶しいな」

「何の話？」

「お前の髪の話だよ！ そっちが先に聞いてきたんだろーが!?」

首を横にこてんと傾げて、ザックに聞いたらまたしてもさっきのようにデコピンされた。「いたっ」といい頭を押さえると、「テメェが忘れてんのが悪ぃんだろ」と返された。理不尽……。

でも、まさかザックがさっきの話を答えてくれるとは思わなかった。嬉しくて顔がほころぶ。

「じゃあ……切ろうかな。 ザックの鎌で切ってくれる？」

「切るわけねぇだろ!! もしテメェを切ったらどーすんだよ!?」

「別に、いいけど……」

「いいわけねぇだろ!!!」

冗談で言った言葉に対して、般若のように怒ってくる。そんな事するわけないのに。

「切ってもいいけどよぉ……俺は長いまんまでいいと思うぜ？」

少し、声が暗くなったザックの、遠回しに切って欲しくないと言っている答えに面白くなって、思わず笑ってしまった。

「ふふっ」

「あ”ぁ？ んで笑ってんだよ！」

ザックが切ってほしくないと言うのなら、私には多分切れない。

「ごめん、……じゃあ、ザックがそう言うなら、切らないでおこうかな」

「そーかよ。まっ、俺はどっちでもいいけどな」

また、裏腹の答えを言うザックに、ふふふ、と、笑い声が漏れる。

「ったく、笑ってんじゃ、ねぇよ……ん」

私が笑っていると、不意にザックが私の髪に口付けた。顔がほんのり赤くなる。

「ザックって、そんなロマンチックなこと出来たんだ」

「あー……ダニーに聞いたんだよ、悪ぃかよ」

「ううん、ありがとう」

そう言って、また口付けた。

＿＿
髪へのキスの意味。

「親愛」

頼りがいのある男性と可憐な印象を持つ女性のカップルに多く見られるとか。

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