【文スト】炬燵の上には蜜柑と焼き芋【日替わり】

5種類の結果パターン

あなたの本日の占い結果です - 2024年5月3日

国木田独歩




「国木田さんやっほー」






「何故お前がここにいるんだ」







溜まっていた仕事を片付け、家に着いたのが午前1時。





そして玄関にいたのはポートマフィアの螢火茜。






疲れ切った体に鞭を打って帰ってきたと言うのに、まだ疲れなければいけないのか。






「ほらほら、なんで入り口で止まってんのさ。
国木田さんのためにわざわざ炬燵を持ってきてあげたんだから！」






「待て。
俺の部屋でなにをしているんだ」






「くつろげる部屋づくり」






悪びれもせずに言い放った螢火は俺の背中を押して炬燵の中に入れた。





「おい、俺はお前に構っている暇はない」






「炬燵で寝ればオールオッケー！」






「良いわけないだろう！」







連れ込まれた炬燵はそこまで温かくはなく、体温に近い温度だった。






「……なんでこんなに温度を下げたんだ？」







なんの違和感もなく隣に座った螢火はんー？と首を傾げる。








「暑すぎるとなんか体調が悪くなるって本に書いてあったから！
ぬるいんだったらくっつけば良いんだしね！」







そう言って炬燵の中で足を絡ませてくる螢火。






「やめろ！」







思い切り引き離そうとするが、さすがはマフィアの戦闘員。






力が並の男よりも強い。






「そんなこと言わないでよ。
だって最近全然会ってくれないんだもん」








少し寂しそうに俺を見上げる彼女を見て、俺は言葉に詰まる。







いくら仕事が忙しかったからとは言え、流石に1週間も会わないのはやり過ぎだったのだろう。








いかにも不満がある、と言う顔をした螢火の頭を優しく撫でて抱きよせる。







「はぁ。
なら明日は休みだからなんでも言う事を聞いてやる。
だから機嫌を直してくれ、茜」







「ホント！？
今更無しって言っても聞かないからね！」








嬉しそうにやりたい事を数えていく茜。







そんなに出来るのか？と心配になるが、ドンドンと折られていく指を見つめ、俺と一緒にやりたい、と思ってくれていることに嬉しさを感じた。









しょうがない。







明日は丸一日潰れるな。









他人に理想を崩されるのは嫌いだが、こいつにならいいかもしれない。









子どものように笑う茜。








感情を感じさせない瞳で人を燃やした螢火。









そのどちらでも俺は愛そう。








彼女を抱く腕に力を込め、ただ1人、そう誓った。

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