貴女を想うのは 【dcst】

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今日は誰なんだよ！ - 2024年4月28日

〈学生〉〈石神千空〉

YOU目線

私の片思い相手であり幼馴染みの石神千空は今日もまた、何かに悩んでいるようだ。

YOU『千空、今日はなんで悩んでるの。』
千空「あ”？悩んでねぇ。」
YOU『いや、どう見ても悩んでるでしょ。ぼーっと窓の外眺めてるし、シャーペン、逆に持ってるよ？』

千空は私に指摘されて、シャーペンの上下を戻した。


千空「…」
YOU『どーせまた科学でしょ。
私は千空ほど分かんないけど、相談くらいなら聞くよ？』
千空「……なんか、特定の奴に会うとこう…心拍数が上がる。」

千空の言ったことを反芻する。
それって……恋…かな。

千空「……っぱ、忘れ」
YOU『おめでとうー！！！』

千空の言葉にほぼ重ねて。

YOU『え、だれだれ！？千空と同じクラスの子？
いやー、心配してたんだよー、千空がそういう感情を一生持つことないのかなぁって！』
千空「余計なお世話だ。…あと、忘れろ…！」

千空は大きく溜め息をした後、試験管に液体を少しずつ注いでいく。

YOU『からかってごめんって！
じゃあ私は数学してるから、なんかあったら言ってね。』

私はそう言って、いつも通り椅子に座った。
勉強でもしてないと、泣きそうになるから。
はーあ、何が『おめでとう』だ。
そんなこと思ってもないくせに。


やだなぁ、こうやって2人で実験するのも、なくなるのかもしれないんだよね。
溜め息が出そうになるのを堪えて、ペンを走らす。
その時、ガシャンと音がした。

千空「やべ。」
YOU『千空、大丈夫？』
千空「ああ、平気だ。試験管も空だったしな。」

私も試験管の破片拾おう…
ぼーっと考えながら破片を拾っていると、視界に赤が映った。


YOU『っ！？』
千空「？……あ。」
YOU『ちょ、千空！指、指出して！絆創膏貼らなきゃ、あ、違う、消毒からだ！消毒液ってどこ〜！』

科学室は応急処置が出来るようにって棚に救急箱があったはず…

YOU『千空、あったあったよ！』
千空「おー、良かったなー」

千空の冷めた返事に、私のテンションが異様なことに気付き、顔に熱が集まる。

YOU『んんっ、ごほんっ。千空、自分の体は大事にしてね。』
千空「…好きだ。」
YOU『…んえっ！？！？！？』
千空「…えっ？」

千空も私もぽかんとする。
そして、数秒後に2人ともかっと赤くなる。

千空「……返事。」
YOU『よ、よろしくお願いしますｯ！』

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