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日替わりでダークな短編物語をお届け。

ハッピーエンドなんてものはありません。作者の性癖に刺さるダークな世界観の物語たちです。(気分でハッピーエンド的な物語を追加するかもしれませんが、確定ではありません)

バッドエンドまでは行かないものでも、後味が悪い終わり方、悲しくなる終わり方をします。



時々更新します。





※現時点でエブリスタには掲載する予定のないものです
※血などの表現が含まれます

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今日のものがたり - 2024年4月30日

「ここはどこなんですか?」

少年は彷徨っていた。

「誰か助けてください!」

勇気を振り絞って、少年は必死に周囲の人々に訴えかける。

けれど、誰もその言葉に耳を貸さない。

「誰か助けて・・・頼むから・・・」

頬を涙で濡らしながら、少年はその場にへたり込む。恐怖からか、頭がくらくらとするのを感じた。

どうしてこうなってしまったのか、彼には分からなかった。

つい先程まで、少年は家でゲームをして遊んでいたのだ。それなのに今は、わけのわからない場所で迷子になっている。

眩い光を放つ、変な文字が表示された電光掲示板に、全ての窓に明かりの灯ったビル。それらの間を、見たこともない機械が恐ろしい速さで通過していく。

「どこだよ・・・ここ、どこだよ!」

枯れた声で少年は叫ぶが、やはり見向きする者はいない。

一体俺が何をしたっていうんだ、と少年は思案する。

宿題か?夏休みの宿題をサボってゲームばかりしていたから、こんな場所に連れてこられたのか?

いや、それにしては罰が重すぎる。

「何なんだよ、まじで・・・!」

少年はつるつるとした地面を拳で叩いた。アスファルトが恋しい、そんなことを、次第に働かなくなっていく頭で考えた。




「あちゃー、やっちゃったなぁ」

とあるビルの屋上で、人影が動いた。

「文献の内容の正確さを確認するために、ちょっと戻っただけなのにな」

声の主は、やれやれといった様子で頭を掻く。

「うーん・・・これ大丈夫か?いや、大丈夫じゃないか・・・」

はあ、失敗したな。研究所に戻って調整し直してもらわないと。声の主は、面倒そうに言って少年に背を向けた。


2792年、人類が地球上から姿を消してからの世界。

とある天才的な頭脳を持った研究者が開発したアンドロイドが地球を支配するようになった。

地球環境が破壊され、生物が長時間存在できなくなった地球で、新たな機械を発明し、新たな動力を開発した彼らは今日も蠢いている。


「それにしてもあれ、人間だよね?ここにいたらそのうち機能停止しちゃうだろうし・・・考古生物学だと死って言うんだっけ。ともかく専門の研究施設に送ったほうがいいのかな?それとも戻してあげる?・・・ま、いいか。施設に行くのも戻すために申請入れるのも面倒だし」

アンドロイドは、ひとりごちながら「研究所」へと足を進めた。




story 1 : 未来都市

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作者名:速水累 | 作成日時:2024年4月13日 11時

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