怪物と彼らと日常と。

5種類の結果パターン

今日も良い日になるさ。 - 2024年5月7日

鬱先生を驚かせてみた場合。
日向ぼっこをするのに最高の晴れの日。
部屋から出もせずにぐっすり寝てる鬱先生の側に近寄る。
本でも読んでいたのか、膝の上に本を乗せ椅子に座ったまま寝てる鬱先生の顔を覗きこみ、しっかり寝てるか確認をとる。

目を閉じ規則的な寝息をしている、確実に寝ているな。
額がつきそうな距離にまで接近できたら用意しておいたクラッカーをそっとポケットから出す。
後はこれを鳴らすだけで、寝起きドッキリは成功する。
クラッカーの紐を引こうとした時。

「なんや…キスかと思ったら違うんか」

と鬱先生の目が開いた。
ばっちり鬱先生と目が合い、更に手に持っていたクラッカーがバレた。
鬱先生はにこやかに笑ってから「これ没収な」とクラッカーを取られた。
きす、鱚か?

「流石に鱚は用意できていない」

鱚をどう使って驚かせればいいんだ、鬱先生の口にでもつけろと?鱚とキス…駄洒落になったがこれは言わないでおこう。

「いや…それ魚の方言うとるやろ」

うん?違うのか?と首をかしげた。
鬱先生は深く息を吐いてから、俺の頭をぽんぽんと軽く叩いてくる。

「ていうかこれ……なんや寝起きドッキリなん?」

頷くと鬱先生は、はぁぁぁと更に深く深く息を吐いた。
怒っているのか、これは……好奇心は猫を殺すというが……この場合は怪物を殺すだな。

「残念やったなナナ」

手をあげた鬱先生に怒られると思って目を閉じていたら頭を雑に撫でられた。
怒られると思っていたのにこれはちょっと驚いた。
いやまぁ怒ってないなら安心したが、なんだろう悔しいから次は絶対に成功させてやる。
その為にも驚かすコツを聞いてみるか。

「なぁ鬱先生」

「ん?」

「どうやったら驚く?」

えぇと渋い顔された。
そのあとに煙草をくわえながら、少し考えてる鬱先生は何か思いついたのか顔をあげた。

「これぐらいされたらびっくりするやろな」

と鬱先生は俺の腰に手を回して身を引き寄せた。
それで顔を近づけてきたので俺は驚いて思わず鬱先生を思い切りはねのけてしまった。
ベッドに座り込んだ鬱先生は、腹を抑えてくつくつ笑っている。
なんだろう凄くからかわれた気がするぞ。

「からかったな」

「うん、まぁせやな…ふふ…からかったからかった」

「…何しようとしたんだ?」

「んーとね、でこぴん」

「怒るぞ」

「なんでや」

くすくす二人で笑いながら部屋から出て任務に戻ることにした。
多分次はうまくいくだろう、さて次は何をしようかな。

この作品には5種類の結果があります

お気に入り登録で明日違う結果をチェックできます

占いを作る｜感想を書く
他の作品を探す

ブログに結果貼り付け：