ヤンデレの王子様に死ぬほど愛されて12時の鐘が鳴っても帰れない【日替わり】

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あなたの本日の王子様です - 2024年4月28日

あなたはアリス。白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込んだあなたは、ハートの王の怒りを買い、裁判にかけられてしまいました。
・・・・・・

「YOU、貴女は王の国から在ろう事か逃げ出そうとしました。よって、判決は……無期禁固刑！」

高らかに告げられ絶望する。
反論する間も無くトランプの兵隊が現れ、引きずられるように証言台を後にした。
これからどこに連れて行かれるのだろう…。私は帰りたかっただけなのに。


長い階段を登ってたどり着いたのは豪奢な部屋だった。
しかしせっかくの大きな窓には鉄格子がはめられ、とても居心地が良さそうには思えない。悪趣味な部屋だ。

「…来たな。おい、お前達はもう戻っていいぞ」
おもむろに現れたのは私をおかしな罪で起訴した張本人、ハートの王だった。
思わず目を見開いて驚く。


「やっと…2人きりだなあ」
語尾にハートがつきそうなくらい、甘い声。
暗い瞳には情念の炎が燃え、唇はいびつに三日月を描いている。
思えばこの人は初めて会った時からおかしかった。
2人でクロケーをしたりしている時は蕩けるような笑顔を見せるのに、私が他の誰かと話していれば相手をすぐに死刑にした。
だんだんと拘束されていく行動と向けられるどろりとした思いに耐えられなくなり、私は帰る方法がないかチェシャ猫に相談したのだ。するとそれを知った彼は激昂し、裁判で私を…

コツリコツリ、ゆっくりと王が近づいて来る。
トランプ兵達は立ち去っていった。
部屋にいるのは私と王だけ。
咄嗟に後ずさるが、背中には硬いドアの感触。手には手錠がかけられておりとても扉を開けそうにはない。

「まだ逃げ出そうとするのか？はは、いけないやつだ。お前は」

勢いよく腕を掴まれ、ベッドに放り出された。その上にさも当然のように王が覆いかぶさって来る。

「お前は今日からこの部屋で暮らすんだ。俺と2人きりで。こうやって枷と首輪を嵌めて…ふふ、もう城の外に出ることはないように。永遠に」
キスの雨の中恐ろしい呪いの言葉を囁かれる。
涙と共に口をついたのはーどうして、

彼はニヤリと微笑み呟いた。
「俺から離れようとしたのがお前の罪だ」

絶望の中、赤いシーツの海に沈む。


・・・・・・

こうして、アリスは永遠に不思議の国から帰りませんでした。
めでたしめでたし。

☆
禁固刑という名のカン禁(^｡^)
嫉妬深いハートの王様でした。

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