オクタヴィネルに愛されて【ツイステ】

12種類の結果パターン

｢今日の占いの結果です。｣「今日は誰かな〜？」「ふふ、楽しみですね。」 - 2024年5月11日

【ポイントカードの使い道】 Azul Ashengrotto



「YOUさん、そろそろ閉店の時間ですよ？」


夜のモストロ・ラウンジ。

いつもだったらもっと早く寮に戻っているのだけれど、今日は目の前の彼、アズール先輩に大切な話があって、この時間まで残っていた。


「アズール先輩、お話があります。この後お時間宜しいですか？」

「…分かりました。すみませんが片付けが終わるまで待っていて下さい。」



数分後。


「お待たせしました。」

先輩は紅茶を持って戻ってきた。


「早かったですね。」

「寮生に任せてきました。YOUさんが珍しく深刻な悩みを抱えていらっしゃるようなので早くお話が聞きたくて。」


私は覚悟を決め、ポケットから「あるもの」を取り出し、テーブルに置いた。



「これは…」

「ポイントカード、50個貯まればどんな相談も受け付けて貰えるんですよね？」

「その通りです。それにしても、まさかこんな早く集めるなんて驚きです。」

「どうしても叶えて欲しいお願いがあります。」

「良いでしょう。貴方の願いはなんです？」



息を深く吸って、私は一息にこう言った。



「私、アズール先輩が好きです。私と付き合って下さい。」


しんと静まり返るラウンジ。


先程までキッチンの方からしていた話し声や物音も、今はもう聞こえない。


心臓が耳のすぐ横にあるのでは、と錯覚するほど鼓動がうるさい。



「…は？」

永遠にも思えた静寂を破ったのは、間の抜けたアズール先輩の声だった。


「いや、あの、え…？」

珍しく動揺している先輩。そりゃそうだよね。私だっていきなり付き合って下さいなんて言われたら驚く。


「…やっぱり、こういうお願いは叶えて貰えないですよね。」

諦め気味にそう呟く。


「いいえ。そうではないのですが。ただ、その…」

「何ですか？」

「 ポイントを使ってまで願うようなことではない、と思いまして…」

アズール先輩は顔を逸らして、眼鏡を上げる。



「え、じゃあ良いってことですか…？」

「…鈍い人ですね。」


先輩は立ち上がると、私の座っているソファまでやって来た。



「僕も好きだと言っているんですよ。」

「…！」

ほんの一瞬、唇に柔らかいものが触れた。


綺麗な青色の瞳と目が合って、その時やっと、自分がキスをされていることを認識した。



「これは、別の相談に使って下さい。」



再びポケットに戻されたポイントカードを見て、今度は何をお願いしようか、なんて考えた。

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