生きてるだけで褒めてくれ【文スト】【日替わり】

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今日を生きるだなんて、凄いよ！…お疲れ様。 - 2024年4月27日

芥川龍之介:死ぬこと


「何故 死を拒む。」


女は逃げる。

恐怖を感じ故に、無様な様で逃げ惑う。


「死にたく…ないからよ」

「人は孰れ死ぬ。其れを早めただけの事。」

「そうね、ッ…でも、死は不幸よ」


死は不幸だと？

甘えたことを…。
何れだけ、僕が生きることに惨めさを感じて生きてきたか…。
生は倖せか？否、断じて否。


「ならば、貴様。
貴様は、今倖せか？
僕に殺されそうになった今でも、生きている今が倖せであるとそう云えるのか？」



死とは救いだ。

あの人が、望む様に。



「ッええ！倖せよ！
だって、生きているのだもの！
痛み 感情 会話 総て生きていなければ、感じられないものよ！
それがわからないなんて、可哀想ね」



女は、威勢の良い声から突然、哀れむ様な声に変えた。
何が可哀想だ。全く理解できぬ。

自身がわからない事に、何故か苛立ちが生まれる。



「貴方、きょうだいとかいないの？
いたら分かるわよ。
頼りにされる事で、自身が必要とされてる。
それは、生きていなきゃ分からない感情よ！」

「黙れ！！
元より、貴様を殺しに来たのだ。
何故、そんな事を貴様に教わらなければならない！！」



そうだ、此奴の話なぞ聞かなくて良いのだ。
此奴を消せばそれで良い話。

何故こんなにも、耳を傾ける必要があるのか。
何故こんなにも、聞いてしまっていたのか。



「__羅生門＿」


僕の黒獣が女の身体を貫いた。
最初から、こうしておけば良かったものを…。


「グッ…あぁぁぁッ！！！」


女はばたりと倒れた。
軟弱者の癖に、こんなにも時間がかかってしまった。


「生き…てるぃみ…みつ…け…なきゃしぁわ…せ…じ…なぃ…」




か細い声は、何故か耳にすんなりと入って来た。
そして、頭を何かで抉られる様な感じがした。



それが何かは分からなかった。


だが、今日はどうしても銀に会いたい様な気がした。




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「生きているから、感じるものもある。
死ぬのはいつでも出来る。
でも、生きていくのは、難しい。

だからこそ、その時その時の倖せを見つけて欲しい。

…あの真っ黒な人に伝わったら良いけど…。」







(変更可能性あり)

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