【あんスタ】保健室の先生は佐賀美先生以外にもいるようです。

6種類の結果パターン

『今日の生徒は誰だろうな…』 - 2024年4月27日

備品を倉庫から出して廊下を歩いていると


ﾀﾞﾝｯ！！ﾊﾞﾗﾗﾗ！！


「んあ〜！あかん！やってもうたっ！」

『影片君？…ん、飴が落ちてる」

「先生！飴ちゃん拾うの手伝ってくれへん？」

『うん』


色とりどりの飴を拾う。剥き出しの飴は宝石みたい。集めた飴を困った様子の影片君に持っていった。


『どうして落としちゃったの？』

「転んだんよ…お師さんにおつかい頼まれて浮かれとってん…」

『そっかぁ。ちょっと膝見せてね』


ズボンをまくって膝を見せてもらうと赤くなっていた。これは痣になるやつだなあ。とりあえず患部を圧迫して血管を抑える。そして袋に氷と水を入れて彼に渡した。


『これでうんと冷やしてね』

「うん…」


浮かない顔の影片君。やっぱり痛むのだろうか。彼の視線の先には割れた飴達。


「飴ちゃんも割れてもうたし……膝に痣が残ったらお師さんに怒られるなあ……俺、お師さんの人形失格や…」


『…』


やっぱり彼が一番気にするポイントはそこなのだろう。Valkyrieは、斎宮君は彼の居場所であり影片みかの形を作っているものなのだ。ちょっとの事でもそれを失う可能性があるなら辛い。


……でも。


『大丈夫。ちゃんと冷やせば跡は残らないよ。それに……失格なんかじゃ、ないよ。斎宮君は影片君を見捨てたりしないから。絶対』


色違いの双眼を丸くして私を見ている。彼の烏の濡れ羽色の髪を撫でた。


「！？ちょっ、わっ、やめてえな！」

『あっ、ごめんなさい！！』


生徒の頭を撫でるなんて何やってんの私！？


『こ、これはっ、えっと』


あっ、そういえばポケットに佐賀美先生から貰ったアレがあるかも！！
取り出して影片君に押し付けた。


『これっ！苺味の棒付きキャンディ！さっきはごめんなさい！！』


全力で頭を下げた。すると上から「ふっ」っと吹き出す声が聞こえた。


「ふふふ、あははっ！！先生なんでそんな焦ってるん？ふふっ」

『えぇ〜…』


楽しそうに目に涙を溜めて笑う影片君。え、そんな笑わなくても良くない！？


「ふふっ……先生には、貰ってばかりやなあ」


潤った碧と黄色の目。はにかみ笑顔が彼にとても合っている。思わず惚けて開いた口に何かを入れられた。…レモン飴？


「落ちなかった唯一の飴ちゃんや。先生にあげる」


『あ、ありがとう』


「お師さんが待ってるからもう行くわ」




「先生、さっきの言葉も撫でるのも……嫌じゃなかったんよ。元気出た。おおきに。」

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