Sprache der Blumen.【APH・日替わり】

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あなたは“花言葉”を知っていますか？ - 2024年5月15日

日本×ヤマザクラ
※両片想い設定。
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突然だけれど、大好きなあの人の笑顔が見てみたい。

大好きなあの人、とは言っても、然程親しい訳ではない。未ださん付け同士だし、会えば挨拶をして、時間があれば少し話す程度。そんな私が、必要以上に｢笑顔が見たい｣とは言えない。むしろ逆に相手に嫌な気分をさせてしまいそうで怖い。

｢でもなぁ……好き、だし…｣

｢誰がですか？｣

｢わぁっ！？…ぁ、き、菊さん。こんにちは｣

｢はい、こんにちはYOUさん｣

軽く頭を下げる菊さん。この人が、いや国だけれど、私の好きな人。親しいと言われれば親しいのかもしれないけれど、親しくないと言われればそうとも言える。何だか良く分からない。
で、問題なのは。

この人、本当に笑わないんです。

いや、少しも表情が変わらない、って訳じゃない。少し口元が緩んだりする事はあるし、苦笑いとかビジネススマイルとかだって全然出来る。と言うか良くしてる(アメリカさんに対して)。
それでも、やっぱり好きな人の笑顔は、苦笑いでもビジネススマイルでもなく、｢満面の笑み｣が見たいのだ。いや微笑むだけだって構わない。

でもこんな事……言えるわけねぇええ…

｢ところで、何方か好きな方が？｣

｢ごふっ、げほっ｣

｢わ、大丈夫ですか！？｣

突然の事にお茶を吹き出す。あぁ菊さん家のおこたが。

｢す、すみません。
…い、いやでもっ、す、好きな人なんて全然…っ｣

｢そうなんですか？
あぁ大丈夫ですよ、直ぐ乾きますし｣

うう。好きな人。好きな人。そんなの目の前に居ますよ…はぁ、言えたら苦労しないんだけどなぁ。

｢でも、もし好きな方が出来て、何か出来る事があれば、私に何でも言ってくださいね｣

｢…っ！｣

“もし好きな方が出来て”

もう好きな人は出来てるんだって。あ、でも出来る事があれば……って。…言っても、良いのかな。

｢…じゃあ、貴方の笑顔が、見たい｣

｢えっ｣

菊さんは目を見開いた。慌てて気にしないでください、と笑えば、いえ、と菊さんは呟いた。

｢笑えば…良いのですよね｣

｢え…あ、や、その、冗談だし…｣

｢冗談でも、嬉しかった｣

｢へ…｣

菊さんは、私を真っ直ぐ見つめて。

そのまま、口元を緩めて。

｢好きな女性に、笑顔が見たいと言われたのですから｣

──彼は初めて、私に微笑んだ。

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ヤマザクラの花言葉｢あなたにほほえむ｣

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