【日替わり】今日は誰に助けられる？【ダイヤのA】

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今日は誰に助けられるのでしょうか？ - 2024年4月26日

今日は、御幸一也に助けられます


「よっ！YOU、なんかふらふらしてね？」

渡り廊下を歩いていると、向かいから御幸先輩が手を挙げて近づいてくる

『あ、おはようございます。ふらふらしてるかは分からないですけど最近貧血気味で』

「貧血気味って、なんかあったのか？」

持っていた教科書をぐっと握り直す

『いえ、最近朝ごはんを抜いていて...』

これだけは言いたくなかった、先輩が卒業するまでに痩せて自信もつけて告白しようとしていたのだから

「朝飯はちゃんと食えよ、倒れたら大変だしな」

思わず顔をあげてしまった、真っ直ぐな目をした先輩の顔が近くにある

『は、はい。ありがとうございます、それでは』

なぜか居ても立ってもいられなくなり、急いでその場を後にする

怖い、怖い、そう心の中で反芻しながら、だんだんと早足になっていく

――頑張って痩せても先輩に振られたら、怖い

気づくと私は、廊下を走っていた

しかし、足が上手く回らない、絡み合う

『うわぁっ』

自分の足に突っかかる

私の身体は、そのまま床に叩きつけられるのだろう

しかし、その衝撃はいつまで経っても訪れなかった

代わりに、誰かに後ろから抱締められる形で支えられているようだ

『だ、だれ、ですか...？』

恥ずかしさのあまり、顔を上げられずにそう問うと、聞き覚えのある声が帰ってきた

「正義のヒーローです」

『先輩、ふざけないでください』

私は半分笑いながらそういった

「先輩ではありません」

『御幸先輩なの、分かってますよ』

恐る恐る振り返ると先輩は「ばれたかぁ」と笑っていた

それに『当たり前ですよ』と返す

「てかさぁ、お前細すぎ。ちゃんと飯食え、そのうち体痣だらけになんぞ」

『なりませんって、そんな大袈裟な』

「よーし。じゃあ、貧血なYOUちゃんを教室まで届けましょう」

『先輩、』

突然の提案に、断ろうとすると

「いいから、御幸先輩に任せなさい」

そういい、頭を撫でられてしまいもう何も言えなくなってしまった

『...次、理科室ですよ？』

「え、まじか。教室真逆じゃん、なんでこっち来たんだよ」

そう笑いながら先輩は教科書を拾い渡すと、ブレザーを私のお腹あたりに掛け、所謂お姫様抱っこというやつをした

私はされるがまま、中に来ていたカーディガンを引っ張り出し真っ赤になった顔を隠すしかなかった

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