【忍たま】貴方に送る、一つの言葉。

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君に、この言葉を送ろう。 - 2024年4月26日

今日は不破雷蔵です。


─＊─＊─＊─
不破視点





ヒラヒラと、薄紅色の花弁が舞う。


そんな今日は、忍術学園の卒業式。


あの人が、僕の前から去る日。









「YOU先輩。ご卒業おめでとうございます」


「雷蔵！ありがとう」









下級生に囲まれて笑顔で僕にそう言うのは、忍たまで唯一の女性のYOU先輩。


女性なのに勝ち気で男勝りで、だけど優しくて、まさに手本にすべき先輩だと思う。


いつしか僕は、そんな先輩に対して特別な想いを抱くようになっていた。


だけど、今日で先輩とは会えなくなるかもしれない。


僕達は忍者になるためにこの学園へと来たのだから。









「どうした？俯いたりして」









気付けば、YOU先輩の顔は目の前にあって。


言動こそ男らしいが、整った顔立ちに僕の顔は赤くなるばかり。


慌てて何でもない、と言うと先輩はおかしそうに笑った。


すると僕の手を引いて、突然歩き出した。


下級生の時とは逆だな、YOU先輩ってこんな小さかったっけ、なんて思ったり、手を繋いでいることに赤くなったり忙しいけれど、それは不意に消えた手の温もりで我に返る。


目の前には、満開の美しい桜の木。









「凄い、ですね…」


「だろう？先輩達には悪いが、去年よりも綺麗に咲いたと思うんだ」









此処まで見事なのは初めてかもしれない、と微笑むYOU先輩。


それに僕も笑っていると、先輩に名前を呼ばれた。


振り向くと、先程よりも美しい笑顔のYOU先輩。


それに固まっていると、先輩が口を動かした。









「＿＿＿桜が綺麗ですね」


「え…？」









キョトンとした顔しか返すことができない。


それに先輩はまた笑って、呟いた。









「意味は自分で調べてみろ。頑張れよ、次期図書委員長」









そう言って、校庭にいる六年生の元へと向かっていった。


僕はただ、花弁を舞い踊らせる桜の木を見つめることしか出来なかった。


─＊─＊─＊─


桜が綺麗ですね…私達はまた此処で逢おう


すず様、リクエストありがとうございました！

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