溶けきった愛を。【鬼滅の刃】

7種類の結果パターン

今日の＿＿ - 2024年5月12日

宇髄天元:洗脳
危険度:3






視線。睨まれた。嗚呼また彼奴だと、周りから後ろ指を指され、こそこそと悪口ばかりを話していく。聞かないように、気にしないようにしていても自然と耳に入ってしまって、それでまた心に傷が出来る。


嗚呼、一体いつからこんな風になってしまったのだろう。前までは皆笑顔で接してくれて此処が私の居場所だと思っていたのに。すっかり様変わりして、今や私は皆の邪魔者。皆私の陰口ばっかり。ついつい泣きたくなってしまう。そんなことしたら、悲劇の主役気取り何て言われるだけだからそんなことは意地でもしないけど、けれどやっぱり辛いなぁ…。




「なぁに地味に縮こまってんだぁ?」
「え、あ、宇髄さん!!…任務お疲れ様でした」
「ん。それよりお前今日元気ねぇな?……嗚呼、もしかしてあれか」


ぽんと肩に手を置かれびく、と肩が思わず跳ねた。もしかして、と緊張が高まったが、それはいつも聞いている声で直ぐに無くなる。にぃ、と笑いながらひらひらと手を振って私の隣に並んだのは宇髄さんと言って私に唯一話し掛けてくれたり優しくしてくれる人だ。最初は疑いはしたものの今ではすっかり唯一の相談相手。彼が居るだけでも安心感は凄い。




「何かあったら相談に乗ってやる。だから溜め込むな、ド派手にぶちまけろ!」
「はい。ありがとうございます」




嗚呼、彼が居てくれて良かったな、何て。





＿＿＿




単純。周りにそれらしく噂を流してやればあっという間に流れて広まっていく。本当、嘘も本当かも分からないのにするすると広まるものだから笑えてきてしまう。これでも鬼を退治する組織だというのだから殊更。仲間内でそんなことしていたら斬れる物も斬れなくなるだろうに。とはいえ、出鱈目な噂を流したのは他でもない俺自身だが。


彼奴は計画通り孤立した。しかも精神に傷を負って。周りには助けてくれる奴は誰もいない。信頼していたのにくるりと掌返しのように周りから嫌われ、悪意のある陰口を何もした覚えが無いというのに其処ら中で話される。そんなときに、誰かが助けてくれたらどうなると思うか?




無意識に、そいつに依存しちまうんだよ。


助けが無いと思っていた中で助けてくれるっていうのはそれだけでも救われる。そしてもっと救われようと手を伸ばす。するとそいつにいつの間にか依存してしまう。







「早く俺の所まで堕ちてこい、ド派手に、なぁ?」





その方が、彼奴もきっと幸せ、だろ?

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