検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:6,957 hit
日替わりです。

恋愛ものだったり違ったり、色々混ざっています。

長さ、視点、書き方、かなりばらつくと思います。

纏まらないので読みにくいかも知れません。


それでも良い方はどうぞ↓

10種類の結果パターン

今日のお話 - 2024年5月8日

「おはよう。また来たよ」
「......」

檻の中の彼女が足を引きずって近づいて来る。
「またなんか打たれたの?」と声をかければこくりと頷いた。


誰もいないかもう一度確認して、檻の隙間から片腕を入れる。
頬を撫でると、彼女は嬉しそうに目を細めた。

生きているのかどうか疑いたくなる程、真っ白な肌。
同じように色素の抜け落ちた、洗ってもらえずに汚れた髪。
年はもう六十になるはず。しかし発育の止まった身体は、幼い子供にしか見えない。

「...明日、ね」
「......」
「YOU、ここから出れるんだよ」

声が出なくなったのはいつだろう。彼女は感嘆の声を上げることなく、口をはくはくと動かした。
まるで猫のように、掌に彼女が頬擦りをする。その整った顔をただじっと見つめていた。



出られるなど、抽象的にも程がある。確かに彼女はある意味解放されるが、そのあとは無い。


彼女は、研究のための実験台だった。
身寄りの無い子供など、当時は溢れかえっていたから。研究者の気まぐれで彼女は選ばれた。
あの時にのたれ死んでいた方が、彼女が苦しむことは無かったのかも知れない。

長く使えるようにと、国である自分が近づいた。そして彼女は今も実験台として、生き続けている。
人体実験など人に知れたら大騒ぎになる。だから彼女はこんな地下に数十年も幽閉されているのだ。


そして昨日、実験の抹消が決まった。
書類は全て燃やされ、関わった人間は一部以外全員消される。

彼女も勿論。


「......YOU」
「......」
「明日じゃなくて、今日にしようか」


微笑みかけると、彼女はまた笑った。

まずは風呂に入れさせて、身体中洗ってあげよう。髪も綺麗にして、リボンで結って__
そして一緒にご飯を食べよう。美味しいのを、沢山。




利用されて棄てられるなんて、あんまりだろう。

この作品には10種類の結果があります

お気に入り登録で明日違う結果をチェックできます


占いを作る感想を書く
他の作品を探す

ブログに結果貼り付け:

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (27 票)

この作品をお気に入り追加 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:APヘタリア
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような占いを簡単に作れます → 作成
この占いのブログパーツ

作者名:こも | 作成日時:2015年2月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。