●メンバー
ルフィ『好きな人ならそれはデート』
ゾロ『ちょっと重いですお兄さん』
サンジ『苦くて甘い大人の味』
ロー『得を呼んだ私のミス』
エース『もう少しだけ待っていて』
サボ『あなたがくれた最初の思い出』
シャンクス『今宵の酒はどんな味』
マルコ『その優しさご注意ください』
イゾウ『望で跳ねる兎』𝑵𝑬𝑾
ルッチ『残虐に染まれば』𝑵𝑬𝑾
※この作品は二次創作であり原作には一切関係ございません
※無意味な低評価、パクリはお止め下さい
10種類の結果パターン
閲覧頂きありがとうございます。リクエストは随時受付中です - 2024年4月28日
もう少しだけ待っていて
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今、私は壁に追い詰められている。その人物は、オレンジ色のテンガロンハットを被ったこの船の末っ子。
「YOU、なんか隠し事してるだろ」
「…なにも？」
全くの嘘である。全然している。思わず逸らした目を彼に戻すと、渋々解放してくれた。
「…なら、いいけどよ」
(信じちゃうんだ…普通嘘だって分かるよ！？)
まるで野良猫のように警戒心を見せていたあの頃の君はどこに行った。そう簡単に信用するもんじゃないよ？お姉ちゃん心配。
マルコに仕事をしろと引きずられていった彼の姿を尻目に私はある部屋に急いだ。
「オヤジ、今大丈夫？」
「グララララ、今日も持ってきたか」
「うん。…………どう？」
「だいぶ美味くなったじゃねェか。そろそろ渡してやったらどうだ？」
「あー…ちょっとまだ勇気が出なくて」
オヤジに食べてもらっているのはカップケーキ。何度も何度も練習をして、それなりには上達した。
ちなみにこのことはオヤジしか知らない。作る時も渡す時も、他の人に気付かれないように注意していたから。
オヤジの体のことも考慮して、それとなくマルコに食事についても聞いたから抜かりは無い。
「マルコもエースが全然集中しねェと愚痴ってた。あいつのことも考えて早く渡してやれ」
「そうだよね。そうなんだけどさ〜………」
「おれの娘はそんなに意気地無しか？」
「行く…行きます！分かったから！」
ここまで言われて動かない私ではない。そもそも私は考えるよりも先に行動するタイプの人間だ。
それが、恋煩いを理由にうじうじと考えに考えてしまっている。まさか初恋を拗らせているとは誰にも言えないけれど。
「エース、入るよ」
部屋に入ると、彼は机に突っ伏していた。大方、さっきオヤジが言ったように集中できてないんだと思う。私のせいらしいので申し訳ない。
「YOUか……」
「さっき、仕事が溜まってるって聞いたから⋯これ！」
「え？」
「甘い物でもどうかな……？」
「もらう！食いたい！」
渡せばガツガツと美味しそうに手を止めることなく食べてくれる。こんなに喜ぶならもっと早く渡せば良かった。
「これ美味いな！また作ってくれよ！」
その笑顔があれば、選んだお菓子の意味なんて今はどうでもいいから。
fin.
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作者名：さてら | 作成日時：2023年6月3日 22時
