突撃！隣のマイルーム！ 【FEif】

29種類の結果パターン

もう我慢なんてできそうにないんだけど、いいよね？ - 2024年5月12日

「誰だ、こんな夜遅くに……ってYOU！？」

「リョウマ兄さん…ごめんなさい。迷惑だってことはわかってるんです」

でも、と己の腕を抱く。まだ震えの止まらぬ腕は、実の兄の目からはどう映っているのだろうか。

「どうしたんだ！？ とりあえず、入れ。夜風は身体に悪い」

「……ありがとうございます」

座るよう促され、じっとしていると、リョウマ兄さんが温かなお茶を差し出してくれた。

「ジョーカーのように、YOU好みの茶は淹れられんが、まあないよりはましだろう。飲んで落ち着け」

緑茶を口に含むと、独特の風味が冷たさをほぐし取り除いてくれるような錯覚を得る。きっと、それは、この緑茶が兄さんの手によって淹れられたものだからだろう。

「…だいぶ落ち着いたようだな。よかった」

「はい、ありがとうございます」

「それで……何があったか聞かせてもらってもいいか？ 言いたくないことなら無理に話さなくてもいいが、お前のことをちゃんと知りたいんだ」

私は頷く。兄が私のことを知りたい、と言ってくれて嬉しかった。心の底から来るような震えはもうほとんど止まっていた。

「恥ずかしい話なんですが、夢を見たんです。漠然としていて、闇の中でたったひとりでいる夢……それが、とても恐ろしくて、怖くて」

そのとき、リョウマ兄さんに抱き締められた。暗夜にはなかった、柔らかな白夜の香りが私を包む。

「…兄さんに会いたい、と思ったんです。兄さんに助けてもらいたいと。すみません、迷惑ですよね」

「迷惑だなんて、むしろ嬉しいぞ。YOUには俺が頼れる存在として映っているようで。俺たちはもう家族なんだ、きょうだいなんだ。遠慮なんてしなくてもいい」

ゆっくりと、ぎこちなく、私は大きなこの兄の背に手を回した。その感触が予想以上に温かく、頬から涙がつたうのがわかった。

「兄さんっ…！ リョウマ兄さんっ！」

「ああ、お前の…YOUの兄だ。いまだけは、YOUだけのリョウマだぞ。好きなだけ甘えろ。いままで会えなかった分まで、存分に」

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