家に帰ると必ず死んだふりをしているスケルトンの夫は骨なので人間の私から見てリアルに死んでいると言う風にとらえていいのでしょうか

9種類の結果パターン

お待たせ致しました…本日の日替わりです - 2024年5月13日

スッ

音を極力たてずに開いた扉の先には
…そう、マンボウがいた

私以外のひとがもしこの光景を見たのなら、軽く気絶してしまうかも知れない

地に付した、湿りテカっている地味にクオリティの高いそれに身を包んだ我が夫は
このような事を毎日続けているのだった

今日は
【生存競争に生き残ったにも関わらず
　呆気なく死んでしまったマンボウ】
…と言ったところか。

『可哀想に…
　折角何万もの兄弟達に託された思いを
　抱いて生きてきたのだろうにね』

お決まりとして、この行為にはしっかりノって演技をしなければならない

まぁずっと継続するわけにもいかないが

少しヌメっとするマンボウの胴体を抱き寄せて
次は平和に生を満喫できる生き物に生まれ変われますように…と呟くと、気がすんだのか夫が話しかけてきた

「流石オイラの自慢の奥さん、
　マンボウにも優しいな」

ニヤニヤと笑みを浮かべるスケルトンは、精巧な着ぐるみを脱ぎながら話を続けた

「今日はどうだった
　ガキんちょは会議についていけてたか？」

ここで言うガキんちょとは
彼等を地下から出してくれたフリスクさんを指す

因みに私は親善大使サマを手助けする補佐的な立場で働いている

『あの子は凄いよ、
　まだ子供だっていうのに
　進行も出来るし皆の話を親身に聞ける…
　将来が有望だなぁ』

「hehheh…そうか
　でもそれもお前さんの協力あってこそだ。
　感謝してる、ありがとうな」

いつものパーカーに着替え終わった彼は、優しく言いながらウインクをした

『これからはフリスクさんのおかげもあって、
　モンスターと人間は
　もっと対等な立場に立てると思う。
　一緒に頑張ろうね』

出勤用の重いスーツを洗濯機に突っ込む

「そうだな。
　きっとお疲れさんだろうと思ったから
　晩飯は作っといたぜ」

『何を作ったの？』

またニヤつきながら夫は答えた

「麻婆豆腐(マンボウと麻婆をかけたジョーク)」

ﾂｸﾃｰﾝと何処かから聞こえる効果音と共に笑った


一緒だったらなんでも成し遂げられる気がする。

ずっと君の隣にいたいな、
ケチャップ

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