【刀剣乱舞】ドキドキ、させないで下さい。【現パロ】

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ドキドキ、させてくれるのは……。 - 2024年4月26日

「っはぁあ……。
眠いよなぁ……」

机と仲良くしていた清光が、ぽそりとそう呟いた。

沈みかけた夕日が教室を照らす。
その中に残っているのは、私と、彼だけ。
少し長い彼の黒髪がキラキラと夕日色に染まる。
私は日誌を書く手を止めて少し見とれ、つい手を伸ばした。
するり、とした手触りが指先からすぐにほどけて逃げていく。

「なに?
俺撫でて楽しいの?」
「え、あ、ごめん」

じと、とした視線が刺さる。
私は慌てて手を引っ込めて、日誌を書くのを再開する。
そうだ、遊んでいる場合ではない。
日誌を書くのは日直の仕事でも、職員室に持っていくのは学級委員の仕事であって、彼には待ってもらっている状況なのだから。

私は、少し急ごうと思って書く手を速める。
その時、耳朶に少し骨張った指先が触れた。

「へ……」
「髪の毛。
ちょっと、可愛くなかったの」

可愛くなかった……の、だろうか。
彼は可愛いものを好むし、それが気に食わなかったのかもしれない。
不覚にも火照った頬を隠したくて、少しうつむく。
そして、日誌を書き進める。

「……ねえ、YOU」
「待って、もうすぐ……」
「ねえって」
「待ってって、」
「ねえってば!!」

突然頬を両手で挟まれて、顔を上に向けられる。
そこには、少し拗ねたように唇を尖らせた清光がこちらを見つめていた。
訳がわからなくて、目をぱちくりとさせる。

「き、きよ、みつ?」
「……もっと、顔を見せてよ」
「……は、い?」

清光は、むす、として私の頬から手を離して、額にデコピンをお見舞いさせてきた。
ぴし、と柔らかな痛みが走って、額を覆う。

「痛いよ!」
「……もっとこの時間が続けばいいのに、って」

清光は、寂しそうに顔を歪めて、そして、私の手を掴んだ。
じんわりと、その手に温もりが点る。
心臓が、早鐘を打っている。

「終わらせないでよ。書き終わらないで。
あんたの顔を見ていたい。
ずっと一緒にいたいの!!」
「……え、」

それ、って。

「……YOUが好きだよ」

……何、これ。
心臓の音が速いのは、なんで?





＿＿＿加州清光「夕日色の告白」

「リクエストありがとね、主!
遅くなって本当ごめん……!!
評価とかお気に入り、よろしくお願いしまっす。
リクエストも募集中だからね!」

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