アウトドア派な君【日替わり】【呪術廻戦】

8種類の結果パターン

今日貴方とアウトドアデートをするのは…？ - 2024年4月26日

▹釘崎野薔薇

『寒い…』
「当たり前よ、今日雪降ってるのよ」

　寒い寒いと言いながらと体を摩る。彼女と私は2人で念願の温泉旅行に来ていた。全身綺麗に洗った後に髪を結い上げてから外に出る。あまりの寒さに室内に戻ろうとすればガッチリと腕を掴まれた。そのまま腕を引かれる。露天風呂に入りに来たのに何故戻るんだと彼女が言う。その通りだがあまりに寒すぎるのだ。ガチガチと奥歯を鳴らしながらついて行くが、目の前の温泉に目を奪われ一瞬で寒さが吹き飛んだ。

『見て野薔薇！ヒヨコ浮いてる！』
「何言ってんのよ…それアヒルでしょ？」

　私は湯に浮かぶヒヨコ改めアヒルを指差す。呆れた表情でこちらを見てくる彼女の目にも楽しさが浮かんでいた。手を引いて2人で湯に浸かる。外気に晒されて冷えた体に湯が染み渡った。ふと目に付いたアヒルを1匹拾い上げる。彼女の肩を叩いてこう零した。

『野薔薇…これ松崎し〇る…』

　そう言えば彼女が吹き出す。手に持った1匹だけ真っ黒のアヒルを彼女の顔の前に近づければゲラゲラと笑い転げた。それは言っては駄目だと笑う彼女にこちらまでつられて笑い出す。腹が捩れる程笑った後、まだまだたくさんの種類がある露天風呂を見回す。胸が躍るような気分だった。

『他のところも回る？』
「当たり前！」

　豪快に立ち上がった彼女と私は辺りを見渡す。勿論周りに配慮して立ち上がったが、あまりの豪快さにお互い顔を見合わせて笑い合った。ずんずんと先を歩いていく彼女を見て頼もしい背中だとぼんやり考える。中々歩き出さない私を不思議に思ったのか彼女が振り返った。ごめんごめんと謝りながら駆け寄る。楽しそうに周りの露天風呂を選定する彼女を見て小さく笑った。

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