喜怒哀楽【ブラッククローバー】

5種類の結果パターン

Joy Anger Sad Enjoy!!! - 2024年5月8日

Enemy________Fegoleon

フエゴレオンは恋をしていた。
自分は魔法騎士団団長で王族。まして相手は、只のしがない一般騎士である。自身は身分の差など気にはしないが、周りがそれを許さぬことなど一目瞭然だった。

コンコンコンと3度ノック音が聞こえ、入れと言葉を返すと、彼の想い人が姿を現した。

「任務の報告書を纏めたので、お持ちしました」

「ご苦労だったな。置いといてくれ」

自身の気持ちを悟られぬよう冷静に返す。短いながら綺麗な髪を靡かせるYOUにみとれる。

「…なんですか」

「いや…お前の入れる紅茶が何分美味いと聞いたのでな、私にも入れてくれるか？」

苦し紛れにそんなことを口に出すと、YOUは怪訝そうな顔をしてから、部屋を一旦あとにした。それから数分後また舞い戻り、紅茶をいれる。

「では、頂こう」

フエゴレオンはカップに口を付ける。YOUはそれを無表情で見つめていた。

「お味の方はどうでしょうか？」

YOUはフエゴレオンの顔色を伺う。しかし、その心配はいらない。

「うむ。噂通りの美味さだな」

そう笑いながらYOUの顔をしっかり見て言う。
しかし、楽しい時間もここで終わり。フエゴレオンにはもう一つ目的があった。

「時にYOU」

片付けをしているYOUにフエゴレオンが声を掛ける。YOUは顔を見ずに返事をした。そして、彼からはとんでもない言葉が出た。

「お前、白夜の魔眼を知っているな？」

ヒヤッと首筋に冷たいものが当たる。それが刃だと理解するのにYOUは時間はかからなかった。あくまでも冷静でいた。

「貴様の情報は前々から耳に入っていた。が、信じられなかった…信じたくもなかった」

YOUは背中越しでもわかった。刃が震えていることが。フエゴレオンはYOUを本当に敵ではないと信じていたかったのだという気持ちが。
そんなフエゴレオンの甘さにYOUは笑いが止まらなくなる。

「あんたは人に甘すぎる。その甘さが命取りになるだろうさ。覚えとくがいい…」

YOUは妖美に笑い、そのまま姿を消す。フエゴレオンは部屋に立ち尽くし、自身の無力さに打ちひしがれた。









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そして、時は過ぎ王都襲撃後。
片腕を失い、意識の戻らないフエゴレオンの枕元に一つの影が堕ちた。
その人物はフエゴレオンの顔を、頬を優しく愛おしく撫でる。


「だから言ったのに…」


その人物は触れるだけのキスを頬に落とし、暗闇へと姿を消した。









-哀-

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