貴方と安吾さんが唯話すだけ【文豪ストレイドッグス】

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本日の安吾さん - 2024年5月3日

小さなバーと安吾さん


「安吾さん、偶には呑みに行きましょう」

「素晴らしい575ですね、行きますか」

何時もより少し早めに終わった残業
寛ぐ時間をとるのも大事だと思う

「何処かいいところ知ってます？」

そう言うと、一瞬黙った彼はすぐ元通りになり「いえ、どうします？」と尋ねた

「あ、だったら久しぶりに家で呑みましょうよ。その方がかえってのんびりできます」

「ではそうしましょうか」

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「私の家でいいですか？呑んでから歩くの面倒」

「構いませんよ。とても阿呆らしい理由ですね」

というやりとりをしながら窓の外の走る景色に目をやる
季節外れのイルミネーションがちらほらあった

そういえば彼処のバー行ってないな、と思い、話しかける

「あのあの、行き先変更です。何年か前に一度行ったバーあるじゃないですか。其処にしましょ」

「今言いますか其れ」

盛大に顔を顰められた

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店に入ると、扉につけてある鈴が音を立てた
落ち着いた雰囲気の女性が一人、カウンターに立っていた

女性に、久し振りねェと声をかけられ驚く

「覚えているのですか？私のこと」

「此処はお客さんが少ないから。勿論後ろの彼も」優雅に笑い乍ら言う

「光栄です」



「では呑みましょうか。梅酒あります？」

「ええ。砂糖入れとくわね」

「有難う御座います！」

笑顔で礼を言うと、横でそんな事迄覚えているのですか……と呟く安吾さん。そんな事とは何か。

「僕は……ウイスキーで」

「はーい。お砂糖入れる？」

「要りません」

即答。彼女は冗談よ、と笑い乍ら言っていた
砂糖が嫌いならば今度砂糖抜きクッキーを渡そう、と心に決めた


暫くすると頼んだものが出てきた
有難う御座います、と礼を言い受け取る
他愛もない話に入っていった

「安吾さんは綾辻先生とか長官……あと護衛ちゃんとか？と、呑んだり出掛けたりしないのです？」

「あまりないですね。なんだかんだで一緒にいるのは貴方ですし」

「ぼっち仲間ってやつですか」

「そうですね」

自分で言って悲しくなる
仮に若し他に誰かいたとしても仕事に追われていればこうなるのだ。此の位が丁度いいのである

「そういえば。組合の情報、纏めきりました」

「助かります」

「後で渡します」

「貴方達こんな処迄来て仕事？大変ね」顔を顰め言う

「今に始まった事では……」二人でぼやいた

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「では、仕事は無しにしてのんびり呑みましょ」

「そうしましょうか」

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