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貴方に届け！この歌！ - 2024年5月11日

オロチと影オロチで 拝啓ドッペルゲンガー

☆★☆★

「我はお前の影の存在だ。
名は影オロチという。」

何かの冗談だったのかは知らないが、私は目を擦り、まじまじとそれを見た。

思えば、あんなことを思っていたから、コイツが生まれたのかもしれない。

私が《俺》という存在だったとき、私の心に宿ったもう1人の《俺》がいたらどうなるのかと、ずっと思っていた。

そんな奴ならば、《俺》がしてきたことを全て出来るはずだった。


私はもともと、闇の仕事……いや、アサシンのような職だったが、こんなチャンス滅多にない。

私の影はため息をついて言った。

「主が望むようであれば。」


影は私の何だったのかは、分からなかった。
お前はいったい何なのだ？

私の存在は《1つ》だったはずだ。
いつから私は……。


いつから私は、《影》になっていたのだろうか。


お前はいったい何なのだ？
答えは簡単だった。

お前と指したその存在そのものが《俺》だったのだ。

そうだったのか、私が《影》で、影が《私》。
言うなれば《奇跡》に近い存在。

私だけがすり替えられた世界。


これが正解の世の中。
狂っているなんて思いたくても思えない。

私の消えた間に、影が操作していたニューゲーム。
主人公は永遠に消えていた。

いったい私は何なのだ？
……《私》を返して欲しいのだ。

「もうお前にこの世界で生きていけなんて言わない。消されて欲しいが、我から返して欲しいなら、奪い返せばいいではないか。」

ああ、そうだった。
影は、《俺》の心に侵入してきた《私》だったのだ。

残念だが、この世界にいて欲しい《俺》はたった1人。

《俺》は一生帰らなかった。


《奇跡》なんて信じなかった。


………
私が、現実になったとき、《影》はなんて言っていたのだろうか。

もうどうだっていい。

そこに《奇跡》があり続ける限り、私は《影》を見ている。


☆★☆★

オロチ「つまり私は……？
もし良かったら評価を頼む。」

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