【ＲＫＲＮ】口吸いを…【日替短編集】

37種類の結果パターン

今日は - 2024年5月13日

○ 七松小平太の場合(夢主目線)


「よーし、体育委員会、今日の活動は塹壕掘りだ！」

ひぇーっ……。今日こそ生きて帰れないかもしれない。
学園ではないため埋め戻さなくてもいいが、裏々山だからこそ体力も消耗が激しい。それに、三之助が迷子になったら探すのに苦労する。
ああ、七松小平太体育委員会委員長は鬼ではないのか。
というか七松先輩の字引は普通の人とは違う気がする。例えば「疲労」とか。

さて、とにかく腹を括って後輩達と一緒に先頭にくらいつく。
土の大部分は削られているので私達はあんまり掘らなくてもいいのだが、足場が悪い上に普通ではない速さだ。クナイを支えについていくのがやっとである。
そろそろ休憩が欲しい。私達は普通の人間なんだから。


「先輩、大変です！縄が切れて三之助が！」

「金吾もいなくなっちゃいました！」

なんとなく予想はしていた。していたが……、あ。

「七松先輩もいない……」

「困ったお人だ。後ろも気にかけて走ってくださればいいのに……」

まだ呼吸も整わないのに、ため息が出てくる。
でも、今から探さないと日が暮れる。

「とりあえずみんなを探そう、見つかったらこの木のところに集合ね」

木に傷をつけると、返事をして各々歩き出す。私も休憩になる速度でしばらく歩いていると、ものすごい速さで塹壕を掘りながらこちらへ向かっているのが見えた。

「七松先輩！止まって！」

急停止した安全な時に先輩の目の前に飛び降りて状況を説明する。

説明を終えて地上に出ようとした、瞬間、両頬を押さえられて口唇をついばみ、ぺろりとなめられる。

「甘いな」

先輩は一言言ったきり地上に飛び、

「さあ、皆を探しに行くぞ！」

と言って走り去った。

驚きで頭が回らない。

遠くで「いけどん」と声が聞こえる。

……はっ！しまった。

せっかく見つけたのに……！

慌てて七松先輩を追いかけた。

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