[ ツキウタ。 ]君への恋を。

13種類の結果パターン

この曲に乗せて。 - 2024年4月28日

アイシクル 霜月隼

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誰かが心を込めて容れてくれたコーヒー。





「今日から、お世話係になったYOUです。よろしくお願いします、」

無表情で愛想の全くない彼女は、どうやら今日から僕のお世話係になったらしい。

「よろしくね、YOU。じゃあ、早速だけど、コーヒーを頼んでもいいかな？」
「かしこまりました」

数分後。僕のカップを持ってきた彼女。危なっかしい手つきでテーブルの上にカップを置く。

「ありがとう。それじゃぁ………って、。あれ？これは？」
「コーヒーです」

彼女から出てきた言葉は、先程僕が頼んだ品の名前で何も間違っていないはずなのに、カップの中には透明の液の中に黒い豆が三つほど入っている。


「えっと、YOU？コーヒーの作り方は知っているのかい？」
「お湯に豆を入れて……、あ、角砂糖入りますか」
「そこじゃなくてね。豆を引いて」
「???」


ダメだ。伝わらない。

これまで関わってきた人達は僕のことを心配することがほとんどだったため、何もしなくていいと勝手に決めつけていたが、世の中そう甘くは無いらしい。

「………、作り直してきます」


そう言い残して、扉から出ていく彼女。

……ものすごく心配だ。

ソファーに座って待っているのは落ちつかないので部屋をぐるぐると意味も無くまわる。


「お待たせしました…。コーヒーです」

あれから30分後。ようやく彼女が戻ってきた。今度はちゃんと豆を引いているようだ。

「ありがとう。それじゃあ、頂くね」
「………どうですか」
「うーん。まだ練習が必要かな、」
「………スイマセン」
「なんで謝るのさ。
ちゃんと言われた事は出来てるんだから、これから上手になるよ。次、期待して待ってるよ」
「…はい」


あれから月日は過ぎて、僕が何回目かのコーヒーを頼む。

「お待たせしました。コーヒーです」
「ありがとう。YOU」

カップの置き方も、コーヒーの作り方も、言葉遣いも、初めの時より上達している。


「どうでしょうか…」
「うん。とっても美味しいよ」





そのコーヒーは、どのコーヒーよりも美味しい。



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何も出来ない子を育てるからこそ愛おしくなる。

隼さんが面倒を見たらこんな感じなのかな、

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